とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「母と暮せば」 (ねたばれ注意)

2015-12-21 01:30:21 | 映画
泣ける作品だった。登場人物がみんないい人なのだが、幸福になれないことが切ない。

母親と息子のきずなの物語で、反戦がテーマであるが、他人を思いやる気持ちが根底に表現されているからこその感動だろう。
この作品を観て一番感じたのが、戦後と現在での生きることへの執着の違いだ。
息子を亡くした母親が助産婦として、世の中へ貢献しようとしている様や、闇市で物資を調達して生きること。
戦争で命を落とした人の分まで生きるという気持ちが、日本の発展の原動力だったことは間違いない。

善悪の判断は別として、命の危険を感じながら生きることによるパワーや優しさの欠如が、今の日本の八方美人で問題を先送りする体質に表れているように思う。
再送りできること自体が幸せでもあるが、だとしたら幸せだと認識しないといけない。
そう思えば、痛みにも耐えられるのではないだろうか。

点数は、9点(10点満点)。

タイトル:母と暮せば
製作年:2015年
製作国:日本
配給:松竹
監督:山田洋次
主演:吉永小百合
他出演者:二宮和也、黒木華、浅野忠信、加藤健一
上映時間:130分