とりビーな毎日

中年おやじの映画鑑賞メインの趣味の記録です

「シャイロックの子供たち」(ネタバレ注意)

2023-02-22 23:59:00 | 映画
池井戸潤の小説の映画化。
超パワハラ上司や厳しいノルマなど、ちょっと時代がかっていたが、バブル崩壊後の2000年前後ぐらいが舞台だろうか。
耐震偽装問題が世間を騒がせたのは、もう少し後の2005年だった。

舞台設定は少し古いものの、人間模様はなかなかに生々しく、人間の欲望や弱さは変わらないのだなと感じた。

勧善懲悪にみえて、登場人物のほとんどが闇を抱えていて、一人の人間の中に光と闇が同居しているところが面白い。
環境によって、どちらの顔を出すかというところだが、最後は、自分の信念次第。
とはいえ、一度は、汚くとも大金を手にしないと、実感できない感覚なのだろうと思う。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:シャイロックの子供たち
製作年:2023年
製作国:日本
配給:松竹
監督:本木克英
主演:阿部サダヲ
他出演者:上戸彩、玉森裕太、柳葉敏郎、杉本哲太、佐藤隆太、柄本明、橋爪功、佐々木蔵之介
上映時間:122分


「BLUE GIANT」(ネタバレ注意)

2023-02-18 23:59:00 | 映画
上原ひろみの音楽を映画で聴けるのが、何よりの贅沢。

原作マンガの存在は知っていたが、読んだことはなかった。
ライブシーンの映像は神々しさを感じるぐらいで、さすが「音が聞こえてくる漫画」と評されることはある。
声優陣の声もキャラクターとすごく合っていた。

音楽に心を洗われた。

点数は、10点(10点満点)。

タイトル:BLUE GIANT
製作年:2023年
製作国:日本
配給:東宝
監督:立川譲
主演:山田裕貴
他出演者:間宮祥太朗、岡山天音
上映時間:120分


「別れる決心」(ネタバレ注意)

2023-02-17 23:59:00 | 映画
刑事と容疑者の大人の恋愛がテーマだが、妄想シーンがところどころに入ってきて、事実との境目が曖昧なところに余白がある。
ヒロインの容疑者が中国人というのもアクセントになっており、ミステリアスさが増している。

男を沼らせる女の怖さを感じるが、ラストがどろどろにならないところが新鮮だった。

いろんな伏線があったり、意味ありげな小道具があり、理解するには何回か観ないとダメかも。
スマホの翻訳機能を使った会話シーンは斬新だった。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:別れる決心
原題:Decision to Leave
製作年:2022年
製作国:韓国
配給:ハピネットファントム・スタジオ
監督:パク・チャヌク
主演:パク・ヘイル
他出演者:タン・ウェイ、イ・ジョンヒョン、コ・ギョンピョ
上映時間:138分


「イニシェリン島の精霊」(ネタバレ注意)

2023-02-13 23:59:00 | 映画
コリン・ファレルが演じる気のいいパードリックとブレンダン・グリーソンが演じる思索的なコルムの仲違いに端を発する物語。
長年の親友であったはずの二人だったが、コルムが一方的にパードリックに嫌いになったと告げる。
理由は、無駄話に自分の人生の残り時間を使いたくないということ。

パードリックは特に趣味もなく毎日のパブ通いで日々の憂さを晴らす普通のオッサン。
コルムは自分が作った曲を後世に残すことを望む気高い男といった風情。
都会であれば交わることのない二人だったかもしれないが、小さな島では親交を温めてきたようだ。

単純に言うと、二人の価値観の違いだが、パードリックはコルムを許せず、付き合いを続けようとする。
コルムからすると、うざいだけなのだが、パードリックは自分が否定されたと感じて、コルムにつきまとう。
これは、ゴッホとゴーギャンのような関係だろうか。

お互いに相手と自分を傷つけて、何もいいことが起こらない。
お互いに相手の人間性を尊重してはいるものの、折り合うことができない。
どちらかが島から出てしまえばいいのに、動けない。
なんなんだこの頑なさは。

これは第三者だから感じることで、自分がこの立場なら、同じ行動をするのかもしれない。
「人の振り見て我が振り直せ」の教訓はあるとして、不幸への道を突っ走ってしまうのも人間という味わいもあった。

点数は、7点(10点満点)。

タイトル:イニシェリン島の精霊
原題:The Banshees of Inisherin
製作年:2022年
製作国:アイルランド、イギリス、アメリカ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:Martin McDonagh
主演:Colin Farrell
他出演者:Brendan Gleeson、Kerry Condon、Barry Keoghan
上映時間:114分


「スクロール」(ネタバレ注意)

2023-02-12 22:30:00 | 映画
W主演の北村匠海、中川大志の出演作ということで劇場へ。
オープニングはファンタジーのようなシーンから始まる。
現実か空想かわからないが、後のシーンで意味がわかる。

表現されているのは、自分と向き合うの辛さと乗り越えることで得られる大切なものだ。
日々生きていくための仕事であったり、付き合いから、いかに脱皮していくか。
自分が見たくない自分に真摯に向き合うことでしか前に進めないことがあることを教えてくれている。

向き合った結果が、よいか悪いかはあるが、再チャレンジできることが若さなんだろう。

また、「社会」には自分も含まれていることを人は忘れがちであることも、メッセージとして受け取った。

点数は、8点(10点満点)。

タイトル:スクロール
製作年:2023年
製作国:日本
配給:ショウゲート
監督:清水康彦
主演:北村匠海、中川大志
他出演者:松岡茉優、古川琴音、水橋研二、莉子、三河悠冴、MUGUMI、金子ノブアキ、忍成修吾、相田翔子
上映時間:120分