「ミッシング」（ネタバレ注意）

救いなし。世の中の嫌なところをえぐる作品だ。

石原さとみが、子供が行方不明になった母親役を迫真の演技。
その夫役を青木崇高が好演。
挙動不審な弟役を森優作が演じた。
中村倫也が、事件を取材する地元テレビ局の記者役で登場。

ファクトを伝えることがテレビの使命だとしても、伝えるべきタイミングがある。
報道の結果、報道された人間がどうなろうと、テレビ局は責任を取らない。
コミュニケーション力がないと、ひどい目にあわされる。

そのことも既定路線で、意外なことは起こらない。
淡々と時間が過ぎていく。
どんなことにも人間は慣れていく。

社内に渦巻くストレスの餌食になるようなことは突然やってくる。

人に優しくありたいと思った。

点数は、8点（10点満点）。

タイトル：ミッシング
製作年：2024年
製作国：日本
配給：ワーナー・ブラザース映画
監督：吉田恵輔
主演：石原さとみ
他出演者：青木崇高、森優作、小野花梨、細川岳、有田麗未、小松和重、カトウシンスケ、山本直寛、柳憂怜、美保純、中村倫也
上映時間：118分

「青春18×2 君へと続く道」（ネタバレ注意）

台湾、東京、松本、長岡、只見と巡るロードムービー。
18歳のときに恋に落ちた女性の故郷を36歳になって訪れる旅模様。

久々に映画を観て、清々しい気持ちになれた。

ジミー役のシュー・グァンハンは台湾のスター俳優らしい。
18歳と36歳の演じ分けも違和感がなく、日本語もなかなかのもの。
アミ役の清原果耶は演技力を遺憾なく発揮。

18歳のときの台湾でのシーンのワチャワチャ感と36歳の日本の旅でのしんみり感のギャップに胸を締め付けられる。
アミにとって、旅をすることは人生そのものだったのだろう。

エンドロールでは、Mr.Childrenの「終わりなき旅」だと思ったが、「記憶の旅人」という主題歌だった。
残酷な未来と美しい記憶、同じものでも見方を変えると違うものになる。
変えられるかもしれない残酷な未来に向き合えるか、が人生なんだろうと思う。

点数は、8点（10点満点）。

タイトル：青春18×2 君へと続く道
製作年：2024年
製作国：日本、台湾
配給：ハピネットファントム・スタジオ
監督：藤井道人
主演：シュー・グァンハン、清原果耶
他出演者：ジョセフ・チャン、道枝駿佑、黒木華、松重豊、黒木瞳
上映時間：123分