日曜日、久しぶりに青空が覗いて居間に光が射しこんだ。外の空気はまだ冷たいが、部屋の中は明るい光で満ちている。一足先に春が来たような感じだった。
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さて、今日は何をしようかと考えたが、久しぶりに全部のカーテンを開けて、お日さまを精いっぱい取りこんだ居間でゆっくりするのも悪くない、と思ってカーペットに座り込んでしまった。
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うつらうつら居眠りしながら将棋番組をみて、女子マラソンを見て・・・フィットネスから戻った妻も座り込んで懸命に応援したが、福士加代子さん力尽きてしまって可哀相でした。監督の方針・指示が悪かったのだと思う。今後の選手生命に影響がなければいいけど。
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孫たちはそれぞれの家族でイチゴ狩りなどに出かけているので、我が家は平穏そのもの。夫婦二人だけでぽつねんとTVを見ているだけというのも味気ない。土曜日に娘たちが博多までスピッツのコンサートに行ったなぁ、などと考えていたら、なぜかキムタクの「武士の一分」を観たくなった。ずっと前にビデオで撮っていたのだった。
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情感たっぷりの周平ワールドは私の好みである。東北を舞台にした朴訥な武士の生きざまが郷愁を誘って、束の間優しい人間になれる気がする。この映画もそうだった。清冽に生きようとする二人に、狂おしいような愛着を感じて見ていた。
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決闘シーンの前に、5時を過ぎた。クライマックスは相撲が終わってゆっくり見ることにして、チャンネルを切り替えた。ちょうど、横綱決戦の直前だった。こんなに期待してみるのも久しぶりだ。朝青龍はさすがに強いが、白鵬も体が大きく見え、どっしりと安定感が備わってきている。今年の相撲界を象徴する大一番だ。
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まさに、見ごたえがある大相撲だった。最後は若い白鵬が勝ったが、こんなに迫力ある力相撲は久しぶりで堪能した。白鵬びいきのファンが多いと思うが、正々堂々と力を示せて良かったと思った。
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相撲の後、夕食の準備。私はワカサギのから揚げを担当。妻は豚の角煮だ。妻の料理を待ちきれなくて出来上がったワカサギをつまみにビールを飲んだ。映画や相撲で興奮していたのだろう、喉が渇いていたのか、殊のほかビールがうまかった・・・気付くとワカサギが残り少ない。妻の分が無くなっている!
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数匹しか残ってないが、これだけだと却って無い方が、と勝手に解釈して私が全部食べてしまった。
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当たり前のことだが、空になったお皿を見て妻が怒ってしまった。妻も楽しみにしていたのだろう。ビールも要らないと、眉を逆立ててしまった。 私が全面的に悪いので誤ったんだが。
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機嫌が悪いので何とか回復するように、映画の続きを見ることにした。 死闘の後、思いもかけぬ形で二人の想いが繋がった。 涙もろい私には堪ったものではない。涙があふれてきた。
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この映画は、簡潔な切り口で、描写も奇をてらったものではなく、後味がさわやかだった。「がんす」という東北弁が実に良い味を出している。東北弁の人とは話したことがないが、今でも使っているのだろうか? お加代さんが遠慮がちに、けれどしっかりした口調で「がんす」と話しているのが鮮やかな光景として頭に残った。この女優、あまり見かけないけど、東北出身なのだろうか?
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今日は、二人の加代さんの日だった。 福士さん、練習を積んで次回は頑張ってください。東北のお加代さん、ファンになりました。
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