土曜日、目が覚めるやいなやカーテンを開けた。台風は台湾付近で居座っているので安心はしていたが、その代わりなぜか雨雲が北九州を襲うようで降雨確率60%の予報だったのだ。ところが窓の外は雨どころか日が差している。空はうす雲が広がってはいるが青空も覗いていた。私の祈りが通じたのか、誰かさんがテルテル坊主を飾っていてくれたのか、思いがけない好天で飛び上がりたい気持だった。
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妻は前日から体調を崩していたので無理はできないと今日は留守番役。朝食もそこそこにミニバンを駆って長女のマンションへ。途中、ヨットのオーナーO君から連絡が入った。9時にはヨットハーバーに居るから、と。
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今日のヨットクルージングは3回目のチャレンジだ。過去2回は天候不順でお流れになった。もともと晴れ男の私ではあるが、なぜかヨットには縁がない。今回もまたか!とあきらめるところだった。和音君たち長女家族も待ちかねていて、満面の笑顔だった。乗り物大好きの和音君も、「ヨットに乗る!」と張り切っている様子だった。今回は次女たちが仕事で同行できないのが残念だが仕方ない。次の機会に楽しんでもらうことにして、4人を乗せた車は高速道を西へ。途中、長女がふと言った。「ママが行かないから天気が良くなったのかも!」・・・そういえば、妻は雨女だったことを思い出した。とすれば、今日の天気は妻の体調を犠牲にして得たのだから、感謝しなくては。
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いちばん高いマストがO君艇
9時過ぎに津屋崎のヨットハーバーに着いた。ヨットやレジャーボートが桟橋に整然と係留されており壮観だった。すでにO君は来ており、出航の準備していた。挨拶もそこそこにヨットを見学した。まず高いマストに驚いた。漁船とは違って、帆船なのだから当たり前か? キャビンが広いのにもびっくり。ソファーやデスク、トイレやベッドルームまであった。エンジンが付いており、100V電源もあるから、無線・GPSや照明は当然として、パソコンもできるという。
大人はライフジャケットを着て、和音君はひもで胴体をくくりつけて(嫌がったので、すぐに外したが)9時半に出港。
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港を出るまでは18馬力のエンジンを掛ける。エンジンのリズムも快適で潮風が心地よかった。和音君はちょこんとおとなしくパパの横に座っていて、珍しそうにキョロキョロ見回していた。わたしもだが船酔いが心配だったが、海は異常とも思えるほどのべたなぎで、風も微風だった。津屋崎沖は湾になっており突き出た半島が北風を遮るので午前中は波が小さいのが普通だが、それにしてもこんなにべたなぎとは珍しい。
正面の島が相の島。波はほとんどありません。
沖合500mを過ぎて、O君が帆をあげた。メインとサブ、2枚の大きな帆だ。ロープを引っ張ると帆が上がる仕組みになっていた。私はその間、舵を取る。エンジンを切ると途端に静かになり、ヨットは2枚の帆に風を受けて、右に左に!(わたしの操舵技能が劣っている所為です)<o:p></o:p>
ヨットはいかに風を上手に受けるかがポイントだとわかってはいるが、風向きが時々刻々と変わっている。目指すは沖合10キロほどにある相の島。周遊コースだ。
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ところが、この日は微風! 無風の時もあって、ヨットは2ノット(時速4キロ)くらいしかスピードが出ない。波を蹴立ててではなく、波間にゆらゆらと漂っている感じだった。普通は相の島周遊時間は3時間もあったら充分なのだが1時間たっても半分も行かない! 風を捉まえてじぐざぐ帆走といういい経験はしたが、それでも予定時間には到着しそうもなかった。昼食は船酔いの心配があったため下船してからにしていたのでお腹も空いてきた。あまりに天気が良すぎて、ヨット帆走には向いていなかったとあきらめて帰港することにした。
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ハーバーに戻ったのが12時。2時間半の貴重なクルージング体験だった。和音君も喜んで、パパの問いに答えていた。「ヨット好きな人!」「は~い」。「また乗りたい?」「乗る!」。
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O君が役員をしているウミガメヨットクラブ主催のヨットレースが来月開催される。 良ければ同乗しないか、との嬉しい誘いもあって、満足したヨット体験だった。
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帰りに、津屋崎漁協の直売場に寄った。お土産だ。生け簀にヒラメやイカ、カンパチなどが泳いでいた。妻に連絡して真鯛を買うことにした。1キロの真鯛だった。その後、鐘崎の海鮮料理店に入った。例によって娘婿が車を運転してくれるので、私は冷酒を飲んだ。帰りは家に着くまで爆睡。酒がうまくて酔っぱらっていたのだ。
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