やっと会いました。やっと会えました。翁華栄さん 在日華僑の俳優。SNSでは繋がっていたのですが、私にとっては雲の上の存在と言っても過言ではないゆえずっと躊躇していたのですが・・・会いました
1989年。役者活動を始めた直後の私は、大型ドラマ「さよなら李香蘭」の裏方お手伝いをしていました。劇中で日本人俳優が北京語の長台詞を喋るシーンがあったのですが、その北京語がね。ちょいとね・・・長いだけにね。なかなかね・・・難しいんですよ、やはり北京語の発音は。
そこで後日のアフレコに参上したのが翁さん。モニターに映し出された日本人俳優の表情や”間”、気持ちの変化に合わせて北京語を録音していきました。私は先輩スタッフの命令で、翁さんが入る録音ブースに雑用係として同席。間近で翁さんの演技を見ていたのですが、「へぇ、中国語を話せる役者がいるんだ・・・。え?中国人なのか、この人!」以来、”中国語を話す俳優第一人者”として、翁さんは私の頭にインプットされ、同時に身勝手ながら親近感を持ち、憧れを抱き続けてきました。
2004年。舞台で共演した大和田伸也さんが「イタルさんに紹介したい役者がいるんだよ」と渡された電話番号が翁さんのでした。後日、受話器を持つ手が震えるほど緊張しながら電話をかけたのですが、何を話したのか覚えていません。
2019年。役者仲間のイベントに出演した際、観客として来場していたのが翁さんでした。「え?マジ?まじ?ほんと?」。これを機にSNSでつながりお互いの近況を知る事ができ、冗談を飛ばせるほどになったのですが、直接お会いするにはまだまだ勇気がありませんでした。
昨年末に翁さんから「来年は会いましょう」と言ってくださったのがきっかけで勇気100倍!思い切って私からお誘いして、今回食事を共にするに至りました。初めて会ってから34年。紹介を受けてから19年。2時間の逢瀬は文字通りあっという間に過ぎました。
ドラマや映画、名作や話題作に出演されている翁さんですが、私が出演していたドラマ「レッドクロス」「流転の王妃・最後の皇帝」では場面が違えど出演されていました。いつか必ず同じ場面で共演したい
映画「学校」1993年・山田洋次監督/後列左(夜間学校の在日中国人生徒役)
映画「トキワ荘の青春」1996年・市川準監督/2列目中央(つのだじろう役)
映画「太陽は動かない」2021年・羽住英一郎監督(中国裏組織ボス役)