健康運動指導士 星です。
先週の22日土曜はかけっこ教室4回シリーズの2回目でした。
通常は響きの森公園で実施しますがこの日の空はあいにくの雨模様だったため体育館に移動しての教室となりました。
5月に募集開始してから定員30名をあっという間にオーバーし8月まで40名の参加で開催となっています。
(ということでもう申し込みはできません、スミマセン)
この教室は子供たちのさまざまな動きの中で「かけっこ」を引き出していきます。
かけっこの基本的な能力は普段は眠っているもの、という表現が適切かもしれません。
ですので「走り方教室」というものとは一線を画しています。
低学年のうちは走ることは自然なことだと考えていて、その低学年の時期の特性を利用した教室となっています。
少し難しい言い方になりましたので整理すると、「かけっこ」とはここではどういう意味でしょうか。
辞書を調べると「駆け比べのことで、おもに徒競走のこと」とあります。
徒競走とはあらかじめ決められたある一定の距離を競争することです。
ですのでちょっと意味がずれてしまうような気がします。
ここでは「走ること」というもっと単純な意味と考えたいと思います。
「走ること」これは物心がついたときから誰でもできることです。
それでは速く走るということはどういうことでしょうか。
これは発育発達の過程のなかで必ず自然に身につけられることなのです。
そうです、だれでも速く走れるのです。
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「いやいや、うちの子は足が遅いです。走る格好も素人目でみても変です。」
という意見もよく聞く話です。
「走り方を習えば、速く走れると思うので、コーチに習いたい。」
そしてこうなるのがよくあるパターンですね。
さてそこでもう一度お伝えしたいのは、子供はだれでも走るのは上手になるということです。
上手になることと他人に勝つということはまた少し違うと考えてください。
なぜ自然に上手になるかといえば、走ることが好きだからです。
走ることは全ての子供にとって楽しいものです。
そしてその楽しい経験の量が多ければ多いほど、確実に上手になります。
ここでいう楽しい経験の量の一つの基準は「活動量」です。
現代社会の子供の体力低下一つの問題点は活動量の低下です。
そこに結び付けないわけにはいきません。
「好きこそものの上手なれ」という言葉の通り、走って遊んだ分上手になるわけです。
たくさんの遊びのなかで得るものは大きいです。
現代の子供の活動量の目安は歩数ということになるのですが、30年前にくらべて激減しています。
ある統計によれば昭和時代は一日27000歩だったものが平成20年代には10000歩に減ったということでした。
以上のことからこのかけっこ教室では、何かを習得させることを優先にはしていません。
まずはさまざまな局面で走るということにつながる運動神経を引き出すような内容になっています。
リズミカルに身体を動かすことは子供は好きなので、そこをしっかり引き出せる種目を数多く体験してもらいます。
子供たちに必要なことは習得より体験なのです。
体を動かすことは主体的でなければなりません。
自分の気持ちを前に出してしっかり動き切る、この体験は実は遊びの中が一番です。
この教室ではまず動きの種類を増やしていくことが重要だと考えています。
その中でも、かけっこ競争は全力を出しやすい種目です。
年齢よって発育発達にばらつきがあって仕方ないのですが、全力を出すことはだれでもできます。
そして夢中に動くなかで、何かを自然につかんでいくのです。
親は観察していくとびっくりするくらいに子供が変わっていく瞬間に立ち会えるでしょう。
それを目の当たりにすると、できないことを指摘することがどれだけ無駄なことか気づくはずです。
子供たちが健全に発育発達するのにスポーツは有効な手段ですが、伸び伸びとやらせることが重要だと思います。
親はその環境を用意するだけで、他にすることはありません。
このかけっこ教室では健康のための体力づくりの観点から進めていきたいと考えております。