気まぐれロンリー 人生リボーン!

旅好き酒好きオヤジのロンリーライフ。
風に吹かれて何処をさすらう。
明日はいずこの草枕。

匿名

2016-07-29 15:26:19 | 日記
相模原の事件で被害者は匿名になっています。
これが、この国における障害者の立場であり、犯人が犯行に至る引き金でしょう。

共に生きる社会。
障害者と健常者の共生。

これはあくまで理想であり、現実は遠くにあります。

被害者がなぜ匿名か。
家族が隠したいからです。
我が子が障害者であることを。
身内に障害者がいることを。

もちろん、全てではありません。
でも、少なからずいるわけです。
残念ながら。

障害者の遺伝子が結婚の妨げになる。
あるいは就職の妨げになる。
ばかげた話ですが、そういうモノサシが存在することも否めません。

家族と絶縁状態の入居者。
犯人はそう手紙に書いていました。

哀しい現実を目の当たりにしてきたわけです。

「障害者は誰からも望まれていない」
単純な数式が、男の頭を占有しました。
身勝手な論理です。

古事記の蛭子を思い出します。
不具は忌み嫌われました。

その思想の残滓は人間のどこかに残されたままです。
残念ながら。

とても前向きに生きている障害者もいます。
その家族もいます。
ボクも取材したことがあります。
美しく、逞しく生きています。
でも、どこかで疑問符をつけてしまいます。
「ホントは障害がない方がいいんじゃないですか?」と。

大抵の人間は自分を健常者だと思っています。
目に見える障害がないだけで。
心の不具は見えませんからね。
ホントはもっと深刻な障害者かもしれないのに。

メディアはヒトラーに飛びついて表面を舐めまわしています。
誰も本質にアプローチしようとしていません。
唯一、朝刊で共同通信の配信記事が「匿名」に触れていました。

この国の障害者の現実。
それは語ることさえ憚れるタブーなのでしょうか・・・。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする