後輩が外国人技能実習生の問題を取材している。
中国やベトナムからの実習生を受け入れる企業の対応はピンキリ。
天国から地獄まで、品揃えは豊富。
完全に障害事件になるような酷い話もあるが、一方では良好な関係を築いているケースもある。
同じ制度の下で行われているはずだが、なぜ、こんなにも差があるのか。
まあ、人間には良い奴もいるが悪い奴もいるということなんだろうが。
往々にして悪い話は比重が重く、深い沼の底に沈んで行く。
逆に良い話は浮かび上がって陽を浴びる。
表面的には上手くいっているように見えても、底をかき回せば汚い物が浮かび上がってくる。
その汚いものを掘り出し、人目に晒し、天日干しさせるのがメディアの仕事なのだが、これはなかなか厄介。
昔のメディアは傍若無人なところも多く、勝手に底ざらえすることもあったが、今の時代はコンプライアンスで縛られてそんなことは以ての外。
だが、悪いことをやっている悪い奴が顔を出して取材を受けてはくれない。
受けてくれたとしても真実など語らないし、顔はモザイク、声は変えるでは何の信憑性もなくなってしまう。
事件化され逮捕でもされない限りは、悪い奴はずっと沼の底で笑い続けているのだ。
50年後、100年後、この外国人技能実習生制度はどう伝えられるのだろう。
安倍晋三総理の元に実施された画期的な政策として評価されるのだろうか。
現在進行形の現在でさえ、真実が沼底に沈んでいるのなら、50年後、100年後に真実が伝えられることは恐らくない。
歴史のフィルターが往々にして美化しがちなように、浮かび上がった美しい上澄みだけを見ることになるのだろうか。
だが、辛い思いをした中国人やベトナム人が、日本で経験した嫌な思いを忘れることはないだろう。
もちろん、逆もあって天国を経験した人は日本に感謝し続けているかもしれない。
韓国といつまでも折り合えない歴史の汚点。
慰安婦も徴用工も、そこに原因はある。
外国人技能実習制度。
歴史はどう評価するのだろう。
後の世の人は、恐らく2分されるであろう評価をどう受けとめるのだろう。
歴史は繰り返されるのか・・・。