ここ数年、台風中継でリポーターがことさら安全を強調するのが気に入らない。
「私は今、安全な場所で中継しています」というヤツ。
リポーターを危険に晒すな、などの批判があるらしいが、大きなお世話。
最近はメディアも敏感に反応しすぎで、テレビがどんどんつまらなくなっている。
事件や事故、災害に遭遇すると気分が高揚し、どんどん前に進むのは記者やカメラマンの性。
けど、ちゃんと危険との境界線は弁えている。
安全な所に身を置いて臨場感を伝えようなどと言うのは虫が良すぎる。
戦場に行かず戦争の悲惨さは伝えられない。
だが会社は臆病で世間におもねっている。
台風中継で死んだメディアの人間は聞いたことがない。
だがヘリ取材で死んだ人間は何人もいる。
ヘリの方が断然危険だが、ヘリ取材をやめろという話はない。
おかしな話である。
百歩譲って安全な所からの中継は良しとしても、いちいち断りを入れる必要はない。
くだらぬアピールはやめた方が良い。