気まぐれロンリー 人生リボーン!

旅好き酒好きオヤジのロンリーライフ。
風に吹かれて何処をさすらう。
明日はいずこの草枕。

物差し

2016-10-21 10:37:01 | 日記
昔、業界ではこんな言葉がありました。
「士農工商・代理店」
元々は差別用語です。
だから今はこんな言い回しは使われません。
広告代理店の仕事がいかにキツいかということを表した戯れ言です。

電通の女子社員が自殺して大騒ぎとなっています。
過労死だ!パワハラだ!

人が亡くなったという事実は重いし、遺族の心中は察するに余りありますが、実態を身近に知る立場にあった人間としては騒ぎすぎだと思います。
広告代理店の仕事は理不尽にハードです。
特に若手は人間扱いされません。
夜遅い仕事など日常茶飯事。
飲み会に参加して、また会社に戻って仕事するなんて離れ業も普通にこなしていました。

だからこその高収入なんですね。

クライアントと媒体の間に入って調整するのが彼らの仕事です。
クライアントの押しつける無理難題。
プレゼンのための資料づくり。
媒体の担当を脅し、なだめ、すかし、何とかやりくろうと算段する日々。
人並み以上の胆力が要求されます。

当然のように病む人もいます。
休職し、復帰プログラム(こういう仕組みがあるんです)を経て職場に戻ったり、そのまま退職したり・・・。

逃げれば良かったんです。
簡単に言うな、と叱られるかも知れませんが、電通が全てではありません。
東大卒の24歳。
いくらでもやり直せたでしょう。

電通には7千人以上の社員が働いています。
皆さん、何だかんだありながら仕事を続けているわけです。

自殺した1人の不幸を物差しにすれば、自殺しないほとんどの社員の性格は歪んで見えてしまいます。
そうなんでしょうか。
電通で自殺しない7千人はまともではないのでしょうか。

自殺した1人の方が「おかしい」と見る見方は「おかしい」のでしょうか。
何処かの大学の先生が「自殺は情けない」と発言し炎上したそうです。
これこそ「おかしい」と思うのですが・・・。

憧れの電通にしがみつき、逃げることが出来なかった女性の不幸。

それ以上でもそれ以下でもないとボクは思っています。
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