完璧じゃなく、
ちょっとズルもあり、がいいんです。

「地球にやさしい生活」72点★★★★




2006年11月から1年間、
米ニューヨークで
“地球にやさしい”生活を試みた
ある家族の記録です。



主人公は作家のコリン氏。

彼はライターの妻、2歳の娘と愛犬とともに



ノー・インパクト(=地球にやさしい)生活を実践し、
それをブログで紹介することにする。


トイレットペーパーをやめ、
ペットボトルもやめ、

外食もやめ、電気を消し、冷蔵庫の電源を切り、


変人扱いされながらも
メディアに多く取り上げられ、注目されていくが――?


当時、この家族の実践は
日本のメディアにも取り上げられたので、
知ってる人もいるかもしれません。
映画では彼らの節電方法などが
詳しく紹介されていて、
それが3.11以降の我々と驚くほど酷似していたりもして
おもしろい。

ただ
まず思ったのは
「アメリカ人って、意外に過干渉なんだな」ってこと。
出発点が「本のネタ作り」だということは
本人も認めているんだし、

他人がエコ生活をしようが
NYの人たちはほっといてくれるのかなあと思いきや、
ブログには批判的意見がわんさか。

テレビ司会者には
「資本主義を破壊するエコ・テロリスト」とまで言われちゃう。


まあ5年前の状況とはいえ、
それだけアメリカって
「消費せよ!」文化なのかなあと。

日本人のほうが、エコに近いじゃん?と思えて
嬉しくなりました。


まあ
いままでエコを提唱してきた人って
もっと“ガチガチ”そうだから
そういう意味でも彼らのスタンスが
気にくわない人もいるかもしれない。

そこがこの映画の
おもしろいところなんですけどね。

コリン氏はかなりマジメな人で
いろいろなルールをきちんと守っていくんだけど、

まあ巻き込まれた奥さんは文句タラタラ(笑)

で、ズルも少しはする。

でも
そんなところがいいんですよ。
構えるよりも、口で言うよりも、まず行動。

そして小さな一歩も、たった一人の行動も、決して無駄ではないと
3.11を経たいまこそ
リアルに感じられる映画です。

★10/8から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町で公開。ほか全国順次公開。
「地球にやさしい生活」公式サイト
先日、コリン氏にインタビューし、
「5年後のいまも続いてる実践は?」など
ホントのところを聞いちゃいました。


来週発売の『週刊朝日』(10/21号)に掲載されます。

実践と照らし合わせて、
すごく参考になる話が盛りだくさん。
ぜひご一読を!
