相当に批評筋に評判のいい映画。
よかったけど
うーん、そこまで……かな?(あまのじゃく)
「ウィンターズ・ボーン」70点★★★☆
ミズーリ州の山あいの土地で
病気の母と幼い弟妹の面倒をみる
17歳の少女リー(ジェニファー・ローレンス)。
わずかな生活費で
ギリギリの生活を強いられている彼女は、
長く不在である父のせいで
なんと家までも
没収されそうになってしまう。
弟たちを守るためには、
期限までに父を探し出さなければならない。
リーは気丈に
父の行方を探ろうとするのだが――?!
寒々しく、現代から打ち捨てられたような
田舎町の風景と、
そこに生きる
社会の下層域にいる人々の姿が
強烈に印象的な映画です。
番長好きな「フローズン・リバー」に
ちょっと似た雰囲気がありますが、
そこで生き抜こうとする主人公が
わずか17歳の少女だというのが最大のポイント。
彼女は家族を守ろうと
近隣の家々をまわり、
父の行方を探そうとするんですが、
小さな村で
周りはみなほぼ親戚くらい近いのにも関わらず
誰も助けてはくれない。
それどころか
「関わるな」と
殺されるほどに威嚇されたりする。
こわっ。
威圧的な男たちに、その影で黙する女たち。
「これ、いったいいつの時代?」と混乱するほどですが
これがアメリカの“根っこ”なのでしょうね。
そんな彼らに臆せず、立ち向かっていく彼女の姿は
幼い子を守る手負いの獣のようでもあり、
目が離せません。
そんな若き母性を演じきった
J・ローレンスは確かに見応えがあります。
ただ、話としてはシンプルで
ちょっと“ひだ”に欠ける感じで
そこが「そこまで?」な所以なんですが
まあ
本年度アカデミー賞主演女優賞にもノミネートされてますし、
世界各国の映画賞139部門ノミネートで
46部門受賞って
すごくないか?
ぜひ、その目でお確かめいただきたく。
★10/29からTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。
「ウィンターズ・ボーン」公式サイト