ダスティン・ホフマン初監督作!

来日して、樹木希林さんにチューして、おちゃめな方(笑)


「カルテット!人生のオペラハウス」75点★★★★




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イギリスの田園地帯にある「ビーチャム・ハウス」は
引退した音楽家たちが暮らす老人ホーム。


元バリトン歌手のウィルフ(ビリー・コノリー)は
若い女性スタッフたちをくどきまくり


テノールのレジー(トム・コーネイ)に
あきれられている。

いつも明るいメソソプラノのシシー(ポーリーン・コリンズ)は
最近物忘れが目立ってきた――。


そんなある日、ビーチャム・ハウスに
新しい入居者がやってくる。
オペラの名プリマドンナで
大スターのジーン(マギー・スミス)だ。


だがそれを知ったレジーは、猛烈に怒りだし――?!

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オーバー70を主人公にした良作が増えていますが
最近の「マリーゴールド・ホテルで会いましょう」より
ワシはこっちの方が好き。


引退した音楽家たちの集まる老人ホーム、という設定が
まず巧いなあと。


しかしなんと、このホームは実在しているんですねえ。

かの作曲家ヴェルディが私財を投じて作った
「憩いの家」がモデル。


「憩いの家」はダニエル・シュミット監督の
ドキュメンタリー映画「トスカの接吻」(84年)で紹介され、
それを基にこの話が書かれたそう。
日本でも2011年に黒柳徹子氏主演で舞台上演されています。

まず
話が演奏会や練習がメインではなく、
あくまでも人間ドラマである点がよい。

しかもそんなに複雑な人間模様ではなく、
シリアスな老い問題でもなく、軽やか。
そこが逆に
「誰もがいずれなる」普遍性を持っています。

イングリッシュガーデンが素敵な



洋館を舞台にしたのも目に楽しく


常に館のどこかで
ちょうどいい音量で音楽が鳴っているのも
耳に楽しい。


ホームの住人たち役で
実際の音楽家が多数出演しており、
彼らの上品なシニアファッションも
今後の参考になりそう。


と、様々なポイントをつかんだ“映画”作りが
しっかりなされているんですねえ。

ラストもフェードアウトする寸前まで
洒落ていました。


出てくる老人たちがみな
キラキラと輝いているのは


「音楽」という一生モノの仕事であり愉しみがあるから。


そういうもの、自分は持てるだろうか?

80歳になっても、映画観て、人に会って取材して



何か書いていることが楽しくてたまらない・・・



なるのかしらん?

と、いろいろ考えさせられ、
ほかにも、なにか見つけたといた方がよさそう・・・

結論に至りつつあります(苦笑)
★4/19(金)からTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国順次公開。
「カルテット!人生のオペラハウス」公式サイト