ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ミューズ・アカデミー

2017-01-07 23:42:15 | ま行

「シルビアのいる街で」

好きなんですけどね~。


「ミューズ・アカデミー」40点★★☆


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バルセロナ大学のピント教授が開講した
「ミューズ・アカデミー」。

それは
数々の芸術家たちの想像欲を奮い立たせてきた
ミューズ(女神)について考察し、
現代のミューズを探る、という画期的な授業・・・のはずだったが

それは
やがて彼ら自身の恋愛問題になってゆき――?


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「シルビアのいる街で」の
ホセ・ルイス・ゲリン監督作。

実際の大学の授業風景を写しているそうで
ドキュメンタリーと思う方がいるようですが
これはフィクション。

ピント教授と奥さんの冷えた夫婦の口論とかもリアルなんですが
まあこりゃフィクションですわな(笑)


現代のミューズ(女神)を探るべく
開講された大学の授業。

教授と教え子の女性たちとの
高尚にて哲学的な対話は、
しかし、やがて彼ら自身の恋愛問題になってゆき――?という展開で

すごく考察できる作品とされていますが
ワシには
知的な論争とみせて、単なる不倫アカデミーでは――?!という(笑)

ムズカシイこと言ってるけど
結局、痴話げんかじゃね?という(苦笑)

想像する展開そのままというか。
いや、すみません(笑)。


まあそこが
観る側を試すようでおもしろくもあるんですが。


ただですね
そんな感じを想像しつつも期待していたのは
「シルビアのいる街で」でも書いたんですが、

あの映画って
ふわふわと浮遊するカメラが一人の女性にFIXすると
「あ、この子がヒロイン?」と思わせて、
でも違っていて。

誰からストーリーが始まってもおかしくないほどに
それぞれの女性が魅力的で、
観ながらの想像の余白が楽しかったってところ。

その愉しみを期待していたんですが
それがなかった。

単に
女性たちが“ミューズ”じゃない~!(泣)というところが
残念だったんでしょうかね。


★1/7(土)から東京都写真美術館で公開。

「ミューズ・アカデミー」公式サイト
コメント
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