どこまで走るか
グザヴィエ・ドラン!
「たかが世界の終わり」69点★★★☆
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12年ぶりに実家に帰ってきた
ルイ(ギャスパー・ウリエル)。
人気作家となった彼は
妹(レア・セドゥ)や母(ナタリー・パイ)
そして兄(ヴァンサン・カッセル)と、兄嫁(マリオン・コティヤール)に
大歓迎される。
だが、そのもてなしは
どこかぎこちなく
ルイはルイで、家族に大事なことを伝えるために
帰ってきたのだが
なかなか言い出せない――。
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実家と疎遠だった息子の、半日ほどの里帰り。
たったそれだけのことで、これほど観客の心をかき乱してくるとは!
さすが“恐るべき”グザヴィエ・ドラン!といえると思います。
とにかく人物のアップ、寄りの画の応酬で、
緊張感途切れず、つんのめるような、目のくらむような感覚がある。
イヤに突っかかてくる兄貴、オドオドな兄嫁、
兄を心酔する妹に、騒がしい母親――。
近すぎるカメラが、どんな家族にもある
家族だからこその距離やイライラを切り取って
そのリアルがすごく、胃の腑にくる。
すべてが印象的ではあるんですが
ただ、主人公が家族に言い出せない「こと」が
あまりに思わせぶりすぎて
イライラがつのりすぎた(苦笑)。
「トム・アット・ザ・ファーム」もなんですが
これも人の原作なんですよね。
ドラン監督の料理の仕方には、好みがあるのかもしれません。
★2/11(土・祝)から新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開。
「たかが世界の終わり」公式サイト