現代の日本版、とても優しい
「チョコレートドーナツ」。
「彼らが本気で編むときは、」73点★★★★
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小学5年生のトモ(柿原りんか)は
母(ミムラ)と二人暮らし。
母は子育てには向かない女性のようで
家は散らかりっぱなしで、ごはんも作らない。
そしてついに、男を追って家を出てしまう。
困ったトモは叔父のマキオ(桐谷健太)を頼る。
マキオは快くトモを受け入れるが
いま、恋人と暮らしているという。
その恋人とは
トランスジェンダーの美しい女性リンコ(生田斗真)だった――。
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荻上直子監督作品。
気持ちのきれいな人と、気持ちのいい人。
そんな人々が作り出す
気持ちのいい空気と時間を、体感する映画。
でも決して「ふんわり」なものではなく
そこから一歩出た、社会派にしっかり踏み込んでいる。
ただ、こうしたテーマでシビアな状況を描いた作品を
けっこう観てしまっているので
マキオとリンコによる養子縁組は
まず可能性がないな、とか
悲しいかな、どうしても悲観的に、先を読んでしまう自分もいました。
でも、それをもってしても
非常に残る映画だった。ホントに。
トランスジェンダーのリンコを演じる
生田斗真氏が、本当にナチュラルでキレイ。
見た目だけでなく心のきれいさを、春の木漏れ日のように表現していて
美しかった。
小学生トモの冷めたセリフにも
かなり笑わされました。
タイトルの意味も「ぷっ。」と吹き出しつつ、印象に残るし。
映画という世界で
登場人物たちがたしかに生きて、編んだ、やさしい時間。
それを堪能できる作品だと思います。
しかし
いわゆる“めしテロ”映画なので、そこ注意!(笑)
★2/25(土)から全国で公開。
「彼らが本気で編むときは、」公式サイト