これは……やばこわっ。
「ゲット・アウト」71点★★★★
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ニューヨークに暮らす
黒人青年クリス(ダニエル・カルーヤ)。
写真家として有望な彼には
白人の彼女ローズ(アリソン・ウィリアムズ)がいる。
ある週末、クリスはローズの実家に招かれる。
彼氏が黒人だと伝えていない、というローズにクリスは
「ええ?!」と不安を抱くが
「大丈夫、うちの父は三期目があれば、オバマに投票するような人よ」
と言うローズを信じ、
クリスは郊外にあるローズの実家へ赴く。
両親はローズの言葉どおり、
クリスを大歓迎するのだが――?
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差別をまったく新しい形で描いたスリラー。
「ワッ!」という脅かしの古典的方法もあれど、
冒頭シーンの意味や、
二人が警官に職質されたときの、彼女の警官への態度など、
のちのち伏線が解き明かされていくと、
これがまた
心理的にじわじわと怖い、という。
なかなかうまい映画でした。
古今東西、今昔、変わらず人間の心に巣くう
“差別”という名のやっかいなもの。
そこを、迷いなくズバッと突き刺す
この感覚は
自らもブラックにルーツを持ち、コメディアンとしても活躍する
ジョーダン・ピール監督ならではなんでしょうね。
例えば、絶体絶命の大ピンチ!という場面でパトカーが来て、
普通なら「助かった!」なのに
主人公が黒人ゆえに、そう思えない、とかね。
かえって絶望的な気持ちにさせられる、とかね。
そんなところが
世の中を見据えていて、うまいなあと。
いや、ホントは悲しいことなんですけどね。
★10/27(金)からTOHOシネマズ・シャンテほか全国で公開。
「ゲット・アウト」公式サイト