ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ゲット・アウト

2017-10-23 23:59:37 | か行

これは……やばこわっ。


「ゲット・アウト」71点★★★★


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ニューヨークに暮らす
黒人青年クリス(ダニエル・カルーヤ)。

写真家として有望な彼には
白人の彼女ローズ(アリソン・ウィリアムズ)がいる。

ある週末、クリスはローズの実家に招かれる。

彼氏が黒人だと伝えていない、というローズにクリスは
「ええ?!」と不安を抱くが

「大丈夫、うちの父は三期目があれば、オバマに投票するような人よ」
と言うローズを信じ、
クリスは郊外にあるローズの実家へ赴く。

両親はローズの言葉どおり、
クリスを大歓迎するのだが――?

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差別をまったく新しい形で描いたスリラー。

「ワッ!」という脅かしの古典的方法もあれど、

冒頭シーンの意味や、
二人が警官に職質されたときの、彼女の警官への態度など、
のちのち伏線が解き明かされていくと、

これがまた
心理的にじわじわと怖い、という。

なかなかうまい映画でした。


古今東西、今昔、変わらず人間の心に巣くう
“差別”という名のやっかいなもの。

そこを、迷いなくズバッと突き刺す
この感覚は
自らもブラックにルーツを持ち、コメディアンとしても活躍する
ジョーダン・ピール監督ならではなんでしょうね。


例えば、絶体絶命の大ピンチ!という場面でパトカーが来て、
普通なら「助かった!」なのに
主人公が黒人ゆえに、そう思えない、とかね。

かえって絶望的な気持ちにさせられる、とかね。

そんなところが
世の中を見据えていて、うまいなあと。
いや、ホントは悲しいことなんですけどね。


★10/27(金)からTOHOシネマズ・シャンテほか全国で公開。

「ゲット・アウト」公式サイト
コメント (2)
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