これは、お子さんのいる方にぜひ(笑)
「ポリーナ、私を踊る」70点★★★★
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ロシアのとある街。
4歳からバレエを始めたポリーナは
踊ることが大好きな少女。
貧しいながら、懸命にサポートしてくれる両親のおかげもあり
ボリショイ・バレエ入団を目指すバレエ学校のオーディションを受ける。
失敗ばかりだった彼女を選んだのは
振り付け師ポジリンスキー(アレクセイ・グシュコフ)だった。
厳格な恩師ポジリンスキーのもと
ポリーナ(アナスタシア・シェフツォア)は
将来有望なバレリーナへと成長していく。
だが、念願のボリショイ入団を前にしたある日、
ポリーナは振り付け師リリア(ジュリエット・ビノシュ)による
コンテンポラリーダンスを目にして
「これだ!」と、目覚めてしまう――。
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これはまさしくタイトルどおり、
バレリーナ少女が「私を見つける」までのお話。
「体が恋うままに」踊ることが好きだった
幼いころのポリーナの描写が短いけれど、とても印象深いので
その後の展開に、すんなりのることができました。
鬼コーチのレッスンに耐え、
がんばったポリーナは
両親の念願でもあるボリショイ・バレエ団への入団を決めるんだけど
その直後に
コンテンポラリーダンスと出合い、
彼氏と南仏へ飛んでしまうんですよ。
いや、そこで行く?
そこで、これまでの時間と努力をフイにしますか?と、
多少の人生経験あるおばさんとしてはあ然でしたけど(笑)
そうやって外の世界に出たポリーナが
公私ともに壁にぶつかり
「自分を見つける」ためにもがく様子にドキドキ。
結果、見知らぬ街でウェイトレスをしたり……と
無垢な少女の、転落しそうな人生に
思った以上にハラハラする自分がおりました。
この若さゆえの、定まらない感。
もしかして、自分も親にこんな思いをさせていたのか……!と
衝撃とともに気づくと同時に、
あ、これは子を持つ親御さんは見るとよいかも!とすごーく感じました。
子どもは思い通りにいかないもの。
しかし、どこかあなたに近い周囲に、帰結するものでもあるかも――ってね。
ラスト、鬼コーチの後ろに写真が見えるシーンが
最高に好きでした。
★10/28(土)からヒューマントラストシネマ有楽町&渋谷ほか、全国で公開。
「ポリーナ、私を踊る」公式サイト