「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」(06年)(いい映画!)の
ダイアン・キートンによる、“人生と暮らし”の映画。
「ロンドン、人生はじめます」69点★★★★
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自然も街並も美しい
ロンドン郊外、ハムステッドの
高級マンションに暮らすエミリー(ダイアン・キートン)。
夫に先立たれ、空虚な日々を送る彼女は
ある日、向いの森に小屋を作って暮らす
ホームレスの男性(ブレンダン・グリーソン)の存在を知る。
まったく違った世界に生きる彼に
エミリーは興味を示すのだが――?!
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まず
美しい景色を堪能して、ヘルシーな気分になれる!
これは完全に請け合いです。
ロンドンのハムステッド地区って
高級住宅地らしいけど、自然がいっぱいで
こんなに美しい街なんだ…は~…(憧れのため息)。
で、その高級マンションに暮らすエミリー(ダイアン・キートン)が主人公。
一見、なに不自由なさそうに見える「いい暮らし」なんだけど
彼女は夫に先立たれ、しかも死後に夫が浮気をしてたことが発覚し、
内面はモヤモヤ~としている。
同じマンションに暮らすセレブ妻たちとのうわべの付き合いにも
なんとなーく心地悪さを感じている。
そんなとき、彼女は向いの森に暮らす
ホームレス男性(演じるはブレンダン・グリーソン。ハリポタの“目玉の”あの人!)の存在に気づき、
彼と交流を持つんだけど――?という展開。
このお話、
実際にイギリスの国立公園で暮らしていたホームレス男性の
ある実話にヒントを得ているそう。
シニア世代を代弁するかのような
主人公二人はそれぞれ魅力的なんです。
でもね、逆に現実味ありすぎるというか(苦笑)。
主人公たちは、まったく別の“エリア”に生息してきた人たちで
ゆえにお互いに興味を持ち、ちょっと惹かれてもいるんだけど、
なにせ、60年以上別々の歴史を重ねてきたわけで、
そう簡単に、自分の領域から踏み出せないんですよね。
歳を重ねた彼らならではの
人生の軌道修正のしづらさ、それゆえのもどかしさもあって
それが最後の最後まで続くんですね。
リアルと言えばそうなんだけど、
こういう色調の映画としては
もっと“映画っぽい”ハッピーで彩られてもいいのになーとも思ってしまった。
でも、とにかく風景に癒やされるし
「老年になってもなんやガタガタ、ドタドタしとるんや」ってことに
なーんか安心感をもらった気もしました。
★4/21(土)から公開。