きました!究極の「いや~な映画」!(笑)
「ザ・スクエア 思いやりの聖域」80点★★★★
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現代のスウェーデンに暮らす
クリスティアン(クレス・バング)は現代美術館のキュレーター。
シャレたスーツを着こなす“勝ち組”然とした彼は
「ザ・スクエア」という新しい作品の公開を発表する。
地面に正方形を描いたそれは
「このなかでは、すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる」という
社会的問題意識を持つ、参加型のアートだ。
そんなある日、クリスティアンは街中で
大声で助けを求めてきた女性に手を差し伸べる。
が、そのときに、なんと財布と携帯電話を盗まれてしまった!
善意の行いをしたのに、なんじゃこの仕打ち!と
怒りに燃えた彼は、ある手段で犯人を探しだそうとするのだが――?!
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「フレンチアルプスで起きたこと」で世間をどひゃーとひっくり返した
スウェーデンの鬼才・リューベン・オストルンド監督の新作は
きました!
究極の「嫌シネ」(いや~なシネマ。ワシ命名。笑)。
テイスト的には「フレンチアルプス~」を継承し、
グサッという鋭さで
誰もが「見ないようにしている」人間の本音や本質をあぶりだすもの。
まあ、いや~な映画の極地、なんだけど
これが…おもしろい!
皮肉と黒いユーモアで
人間の偽善、格差、差別や偏見、
SNSやセルフィーに代表されるセルフィッシュ(利己主義)の風潮、
「自分さえよければいい」というヒンヤリした世界の感覚。
そんな
人のいや~な面や、世の中の歪みをさらけ出させんと
これでもかと、観客を攻撃してくるんですねえ。
そして、その状況のリアルさゆえ
自嘲気味に「フッ」、いや、「ブッ」と笑ってしまうような
居心地悪さと、おかしさ。
先のAERAで
「いや~な映画」特集でもリューベン監督にご登場いただいておりますが
想像をはるかに超えたクレバーな方で感動いたしました。
監督も「ハッピーエンド」、
そして「ラブレス」、「聖なる鹿殺し」に、共通点があると感じてるとおっしゃってくださっていて
特にハネケ監督の「コード・アンノウン」(00年)がその最高峰だと。
あと
「ありがとう、トニ・エルドマン」(17年)にもシンパシーを感じると。
ありがとう、監督!ワシ、そこにシンパシー感じます!ww
★4/28(土)から全国で公開。