こんな相手に出会えたことこそが
一生ものの、経験。
くう。切ないよう…
「君の名前で僕を呼んで」90点★★★★
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1983年の夏。
17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)は毎年、夏を
北イタリアのヴィラで過ごしている。
日がな一日読書をしたり、地元の女の子といい感じになったり
けだるーい日々を過ごす彼の家に
ある日、大学生のオリヴァー(アーミー・ハマー)がやってくる。
エリオの父は大学教授で、毎年、研究の手伝いをしてもらうために
インターン学生を招いているのだ。
言動も行動も自信に溢れ、いかにも“アメリカン”なオリヴァーに
エリオは拒否反応を示す。
だが、二人の間には最初から
目に見えぬ「なにか」が、火花のように、たしかに存在していた――。
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もうね、切ない! 指先がジンジン痺れる。
17歳の少年と、24歳の青年の恋を描いた本作の
脚色とプロデューサーを務めるのは
「眺めのいい部屋」、「モーリス」(87年)、最近では
「最終目的地」(09年)が超よかった、ジェームズ・アイヴォリー。
監督は「ミラノ、愛に生きる」(09年)、「胸騒ぎのシチリア」(15年)で
ジリジリさせる愛の描写に長けたルカ・グダニーノ。
この人たち
ジリジリ&ざわざわ恋愛描写の最強コンビかもしれない(笑)
これほどまでに狂おしく人を想える、その感覚を
一生のうち、どれだけ体験することができるんだろう。
さらに、その想いが成就する
奇跡のような瞬間。
それこそが人生の最高潮であり、最高の幸福なのだと
この映画は、その感覚を映像に定着し、封じ込めている。
どんな人にでも少しはあるであろう
人生における一瞬のきらめきを思い出させてくれるんですわ。
それは
この歳になった身にも震えがくるほどで(笑)
だって、ここから先、その愛を続けることには
また別の様々な労苦があることを、我々は知ってしまっているからさ。
(まあ、なんとつまらないことよ!)
こんなスレた観客も
そんな「キュン!」経験ができたことに、ありがとう!言いたいです。
そして
たとえ、その恋が成就しきらなかったとしても
そんな相手に出会えたことこそが、一生ものの体験なのだと
自分の経験を交えて主人公エリオに話す、お父さんの語りかけが素晴らしい。
くうう。
この幸福の残り香で、生きてゆけるわー。
と思っていたら
続編が検討されているとのニュースが。
うむむ~~~~
すっごく嬉しいようで複雑な気分(笑)
まあ、見るけどね。楽しみにしてるけどね。
★4/27(金)からTOHOシネマズ シャンテ、新宿シネマカリテ、Bunkamuraル・シネマほか全国で公開。