人はみんな、違うのさ。
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「いろとりどりの親子」70点★★★★
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「普通」とはちょっと違う子を持つ、親と子のドキュメンタリー。
かつて自身も親子関係に苦悩した
ゲイの作家による、大ベストセラーが基。
といってもセクシャリティの問題だけじゃなく
実にさまざまな「違い」があることに驚きます。
10年で300以上の親子を取材した
原作者で語り部でもあるアンドリュー・ソロモン氏の案内で
映画は6組の親子を取り上げる。
自閉症の息子とのコミュニケーション法を探り
苦悩の日々を続けた両親が
あるきっかけでそれを見出した話や
ダウン症の子の可能性を示そうとした両親の努力と
それに応えた息子の話、
人生を謳歌する低身長のカップルなど
それぞれの親子のとてつもない苦労と困難に思いをはせつつ、
お互いを受け入れ、共存することで人は成り立つのだと
力強く、思わせてくれる。
一番、ハッとしたのは
犯罪を犯した息子の家族のエピソードだったなあ。
この視点は珍しいと思った。
ただね、こういう良作を前に、野暮を承知でいいますと
音楽使いなど、やや「いい話」を盛り上げすぎてる感もあり
ちょっと「善オーラ」がまぶしすぎるなあと。
案内役・ソロモン氏のお宅や暮らしぶりがあまりにリッチなのも
「ふうん」とか。
(心、せま!(苦笑)。実際、彼の父親は大会社の元会長。もともと超セレブらしい。しょうがないよね)
「ファミリーを持つことが“幸福”」という印象も
ちょっと型にはまった感があるなあとか
そんなふうに思うのは
ワシがひねくれてるからなんでしょうね、はい、ホント、すいません。
★11/17(土)から新宿武蔵野館ほか全国順次公開。