「神々と男たち」監督の新作。
「チャップリンからの贈りもの」67点★★★☆
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1977年、スイスの小さな町。
刑務所を出たばかりのエディ(ブノワ・ポールヴールド)と
地道に働くオスマン(ロシュディ・ゼム)は
貧しくも助け合う、友人同士。
あるときふたりは、
同じ町に住む喜劇王チャップリンが
亡くなったというニュースを聴く。
そしてエディは、仰天の計画を思いつく。
それはチャップリンの遺体を誘拐し、
身代金をいただこうというものだった――!
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あのチャップリンが死後
こんな災難に遭っていたとは知らなかった!
でもこの映画は事件をシリアスに描くのではなく
ちょっとマヌケな犯人たちの様子を、ときにユーモラスに描き
全体に、ほよんとした印象でした。
ただ、犯人たちの貧しさや、社会での行き詰まり感は
身に染みるものがあった。
あと寛大なチャップリン遺族の対応が
サラリと知らされるラストが、とてもよかったですね。
ただ
全体はかなりもっさりしているというか
墓を掘るシーンとか、あまり必要性のなさそうな動きが延々と長いのがつらい。
もっとつまんでいいのでは?
チャップリン映画に深く親しんでいる人には
「おお!」となるシーンも多いようですが
ワシはそこまで感じられなかった。
あと
カメラが若干雑な感じもしたんですが
撮影監督は「画家モリゾ、マネの描いた美女」の
カロリーヌ・シャンプティエなんですね。
演出との、ちぐはぐ感があるのかなあ。
ただ、この映画、音楽がめちゃくちゃいいんですよ。
かのミシェル・ルグランが担当しているんですが、
チャップリン映画の名曲、特に
「ライムライト」の「エターナリー」が
うまく使われるところには、うっとり聴き入りました。
旋律のさわりが流れただけで
チャップリンを思い起こさせる
映画における音楽の効果ってやっぱ、すごいですよねえ。
★7/18(土)からYEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開。
「チャップリンからの贈りもの」公式サイト
インタビューを読んで、メチャメチャ見たくなりました。
(例によってBlu-ray待ちですが…)
fujironさん、
「週刊朝日」のツウも読んでくれていて
感謝感激です。
このツウ人の濱田高志さんという方は
宇野亜喜良さんや和田誠さんの
膨大な資料をまとめて本を出したり
音楽だけでなく多方面の“アンソロジスト”として
凄い方なんですよ。
そのお仕事術だけで、一冊本が書けそうだと
ご本人とも話しました(笑)
感動を呼ぶような劇的なラストでもないのになんで涙が止まらないいんだ?
どたばたコメディじゃなかったの?
心に闇を抱えたような破壊至上主義のアメリカ映画に比べ、ヨーロッパ系のちょっといい話の心地よさは格別でっせ。
久しぶりに「ライムライト」を観たくなった。
NHKでチャップリン映画を見ていた
子どものころを思い出し
(しかも年末年始が多かった気がする)
そちらのほうにほとんど意識が飛んでました(笑)
音楽の力って
すごいですよね・・・