ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ジョジョ・ラビット

2020-01-15 23:47:54 | さ行

つい昨日発表された

2020年アカデミー賞作品賞ノミネート作!

 

「ジョジョ・ラビット」71点★★★★

 

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第二次世界大戦下のドイツ。

10歳のジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)は

アドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)を空想上の友達にし、

ナチスに傾倒する少年。

 

が、青少年集団ヒトラーユーゲントの合宿に参加したジョジョは

「このウサギを殺せ!」という先輩の命令を聞けず

弱虫=「ジョジョ・ラビット」というあだ名をつけられ、

さらに、大けがを負ってしまう。

 

帰ってきたジョジョを

勇敢で美しい母ロージー(スカーレット・ヨハンソン)は

やさしく迎えてくれた。

 

しかし、ジョジョは、

自宅の屋根裏部屋に、ある秘密を見つけてしまい――?!

 

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想像より小粒ではあったけれど、なかなかに魅せる作品でした。

 

ナチスに傾倒する少年と、

その屋根裏部屋に

こっそりかくまわれていたユダヤ人少女の邂逅。

 

定番かつシリアスな題材を、

ひょうひょうとしたコミカルと明るいユーモアで生き生きと描き、

セリフのセンスもよく

 

ユーモアや画の風合いに

ちょっとウェス・アンダーソンに通じる感じもありました。

 

ヒトラーを想像の友だちにする主人公ジョジョ少年の

ちょっとズレていて、とぼけたキャラがよく、

 

そんなジョジョに見つかってしまう屋根裏のユダヤ少女も

決してか弱い存在ではなく、

「通報すれば? あんたもお母さんも死刑よ」と

堂々とジョジョを脅す、いいキャラ(笑)。

 

そんな少女とだんだん心を通わせるジョジョが

少女のために、手紙のねつ造するくだりも

姑息で実にかわいらしかった(笑)。

 

それに

スカーレット・ヨハンソンが演じる

ジョジョの母親が、とても魅力的なんですね。

快活で、「正しい行いとは何か?」を自分で判断できる、凜とした女性。

「マリッジ・ストーリー」といい、

最近のスカヨハ、等身大のママ役がいい感じです。

 

監督で、ヒトラー役を演じるタイカ・ワイティティは

マオリ系ユダヤ人で

祖父が第二次世界大戦中、ナチスと戦った歴史があるそう。

 

悲劇を直接に見せず、笑いでくるみ、

次をになう若い世代にも、

大事なことを伝えようとしてるんだと思います。

 

★1/17(金)から全国で公開。

「ジョジョ・ラビット」公式サイト


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