「キャロル」(16年)トッド・ヘインズ監督最新作です。
「ワンダーストラック」68点★★★☆
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1977年、米ミネソタ州。
母(ミシェル・ウィリアムズ)を交通事故で亡くした
12歳の少年ベン(オークス・フェグリー)は叔母の家で暮らしている。
母亡き今、父親を頼りたいところだが
ベンは父親と一度も会ったことがなく、母も父のことを語ろうとしなかった。
ある夜、父につながるヒントを見つけたベンは
しかし落雷による事故で、耳が聞こえなくなってしまう。
それでもベンは父を探しに、ニューヨークへ向かうことに。
いっぽう、時代は1927年。
ニュージャージー州に暮らす
耳の聞こえない少女ローズ(ミリセント・シモンズ)も
やはり母に会おうと、一人でニューヨークへと旅立つ。
時代の違う二人の物語は
どこかで交わるのだろうか――?!
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トッド・ヘインズ監督×ブライアン・セルズニック原作。
ブライアン氏は「ユーゴの不思議な旅」の原作者でもある方ですね。
トッド・ヘインズ監督、
好きなんだけど
ワシにとってハマるものとハマらないものの振り幅がちと大きい。
最近でも
「キャロル」はめちゃくちゃハマったけど
「エデンより彼方に」(03年)や「アイム・ノット・ゼア」(08年)は
ちょっと掴みにくく。
なんでしょうね、リズムや呼吸のようなものなんだと思うのですが
本作も、ちょっと難しいラインだったかなー。
70年代の再現は素敵で
デッドストックふうの映像の風合いや
自然史博物館や“模型”をフィーチャーするのも、
時代の違う二つの話が平行して進むのも、
好きな世界だし、おもしろいなあと思うんだけど
とにかく
この異なる時代の、二つの話がつながるのが
すごーく後のほうなんですよ。
「見えない感」のもどかしさが大きすぎた(苦笑)
それでも
つながったときの「おお!」は
ちょい快感だったし
自然史博物館のなか、そして、キモとなるあの“模型”など
印象に残ってる場面は多いんですけどね。
★4/6(金)から角川シネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国で公開。