去年の秋、友達の為に皿鉢(「サワチ」又は「サハチ」)料理を作った。
「皿鉢料理」とは高知の大皿料理で、鰹や様々な具材を一皿に盛った大皿料理で、歴史も古いものだ。
最初は、秋だし「戻り鰹をこれでもか?というくらい食べましょう」って話だったのですが、
その人が「俺は『お~い龍馬』に出てくる、中岡慎太郎が造った様な皿鉢料理を食べるのが夢なんだよね』と言われたので、じゃあ、僕のつたない料理で、夢を叶えてあげられるならと、急遽勉強し直す事にした。
ネットで、調べてみると、歴史のある料理だけあって、色々と規定のルールがあった。
・現代の皿鉢料理の皿の直径は39cm。
・生という赤身の(又は旬の)刺身を盛る。
・「組み物」という煮物を付ける。
・他に、稲荷寿司か、鯖などの姿寿司、又は海苔巻きなどを 盛ったり、別の皿と して2枚~3枚組み合わせる。
・フルーツを盛る地域もある。
・「ハラン」という葉っぱ(お寿司に付いている「バラン」の元)で区切る。
・人数によって「素麺」を付ける地域もあるらしい。
最初文章だけで勉強したので、実際何が盛ってあるんだろう?家庭やお店によって「おせち」の様に違うと書いてあったので、逆にこういうのが、凄く困る。具材の組み合わせや盛り付けを問われるものだった。
一体何が良いんだろう?
伊勢海老をトップページに飾っている店もあったし、でもそんな事は出来ない。自由過ぎてイメージ出来ないから、各ページの、あ、これは良いなっていうのを、目で広い集めていって、頭の中で想像を膨らませて言った。
刺身の盛り方、位置、海老とか使うと見場が良いんだなとか、煮物は、あえて根菜じゃなくて、貝を煮ると更に見場が良くなって、酒の肴にもなる。(営利目的では無いので、そんなにお金はかけれない。だって面子でお金をかければ見場は良いに決まっている。)
寿司はどうするのか?、俺は稲荷寿司は嫌いだ、海苔巻きも嫌いだ(男だから甘い食材が入っているのが苦手で)、かといって、鯖などの姿寿司を作っている時間は無い。仕方ない稲荷寿司が食材数的にもてっとり早いハズだ。
仕入れから帰ってきて、以外に鰹が近所に売っていなくて(汗)
河岸へ行こうか迷ったが、前日遅かったので時間が過ぎてしまった。
帰宅して残り3時間半、とりあえず、
ご飯を急いで炊いて(今回はプロの技術は使うまいと決めていたけれど、鮪丼屋に居た時の技を少しだけしまった。)
2種類の鍋に2種類の煮汁を作って、ツブ貝&ミニ帆立・油揚げをぶち込んで中火→弱火で煮ながら、その間に海老の背ワタを抜いて殻を向く。
油揚げが煮えた頃にその鍋は火から外して余熱で後は染み込ませながら、
湯を沸かして海老を茹で始める。(一応ブラックタイガーだ。)
その間に手打ちうどんを作る為、計量器で、小麦粉と強力粉を自分の分量で量る。塩水を作って、それを2つに分け一方は手打ちうどん用、もう一方は酢飯用に希釈し酢と砂糖を入れて酢飯用の酢を作る。
ここで茹で上がった海老をザルにあけ冷ましておく。
うどんに戻り、うどん種をコネあげていく。この間に米が炊け少し蒸らす。
うどん種をまとめ、炊けた米をボールに入れて酢飯用の酢を混ぜ扇ぎ放置して冷ます。煮貝(ツブ貝&ミニ帆立)の鍋を火から上げ余熱で染み込ませる。(僕は商売ではない自分の料理は基本的に余熱調理が大切だと思っている。)
うどんのツユをダシを効かせて一気に作る。ダシで食べさせたいんだ。
ここで、誤算、鰹に付ける薬味をどうしてもチュ-ブのモノを使いたくなくて、ニンニクと生姜を手ですり下ろす事にしたのだが、これが凄まじく時間がかかる。(鰹が莫大な量なので、それに伴い沢山用意してしまった。)
すっても・すっても終わらない:涙、時間は刻一刻と迫る。
そしてすり終わった頃、うどん種を振り向くと、濡れ布巾を被せてビニールに入れておかなかったので、うどん種の表面がパリパリに乾いて割れていた
ここで、うどんは付け合せに過ぎないので諦める。
割れた僕だけのうどん種を重ねて伸ばしても、折パイ生地の様で、食べた時の食感が悪いんだ。(うわ~ショックだ。しかし泣いている場合じゃない。)
薬味のミョウガと大葉を刻む・肴の冷奴用も必要だったから、大量に刻む。
すぐに稲荷寿司の支度にとりかかる。大体12個くらい。
ご飯の量はピッタシだったぜ。
で、俺はさっきも書いたけれど、稲荷寿司は嫌いなので、四国の料理だしイメージ的に超々薄味にしてシャリの塩味で食べさせる様にした。(塩で揚げの甘味が引き立つ感じ)そして稲荷寿司の中に、先程の煮たミニ帆立を1個づつ入れていく。(ちょっとした旨味成分の代わりにもなるし、ここまでやれば稲荷寿司の特徴は消えるだろうし、覆せたと思う)
嫌いなので、造りなれていないから形が多少不ぞろいだけれど全部造って、
鰹に取り掛かる、半身と、トロ(?)の部分の小さなサクが2本、タタキが1本。
分解して、皮を取って、ネットで勉強した様に切った順に並べていく。
ハランは手に入らないので、大葉の残しておいたものを仕切りとする。
鰹を並べ終えて、大皿の骨組みが完成したら、茹でておいた海老を豪快に盛り付ける。(ここで僕は、唯一我儘として、現代風にマヨネーズを添えてしまった。だって茹でた海老にマヨネーズって、誰しも憧れじゃん?、美味しいけれどカロリー高いし、パーティーの時ぐらい良いっかな?みたいなプチ罪悪感が快感だよね。)
そして、煮貝の鍋の落し蓋にしていたアルミホイルで器を作り、そこに煮たツブ貝だけを汁が入らないように盛る。)
残った汁を再度火にかけ、その間に片栗粉を溶き、トロミを付けて、煮貝のソースにしてツブ貝に回しかける。
(ミニ帆立のエキスも入っているからダシが出ているんだ)
ここで、稲荷寿司を盛る隙間を作る為に、鰹・海老・貝の位置をズラして整える。稲荷寿司を載せれるだけ載せて、完成。
林檎があったので、皮を食べやすい様に剥いて(でも色づけとして残しておいて)、盛ろうとしたが、どうも子供っぽくなってしまうので辞める事にする。
ツマミ様の冷奴を水切りして、一度水の入ったボールに入れてラップしておく。
貝のソースが冷めたので、写メを取って、来る人に報告し、ラップをして冷蔵庫へしまう。
ここで、皿鉢料理開始30分前。計3時間半の激闘。汗だくなのでシャワーを浴びて、髪を乾かし、下の階へCDラジカセと土佐の民謡「よさこい節」(「土佐の高知の~はりまや橋で~」が入った民謡CD・篤姫のサントラCD・本の取次ぎ問屋に勤めていた親友から貰った土方歳三のもの凄いレアなポスター・1冊丸ごと高杉晋作の本を持っていき、グラスと付け皿・取り皿・薬味類を運び、冷奴を冷蔵庫から出して皿に盛って先程のラップをしておく。
麦茶で1杯やって、来客をゆっくりと待ち、もてなす心を準備する。
ここで、7時3分(3分遅れだが間に合った。)
7時4分に来客到着。
先ずは、全員揃うまで、冷奴だけで、一杯やって他の人を待つ。
なんか「冷奴」だけでも、いいんじゃねーか?、信じられる友が目の前で酒を飲むなら、人って満足出来んじゃねえのか?って少し思っていた。
あんなに苦労したのに。笑
「皿鉢料理」とは高知の大皿料理で、鰹や様々な具材を一皿に盛った大皿料理で、歴史も古いものだ。
最初は、秋だし「戻り鰹をこれでもか?というくらい食べましょう」って話だったのですが、
その人が「俺は『お~い龍馬』に出てくる、中岡慎太郎が造った様な皿鉢料理を食べるのが夢なんだよね』と言われたので、じゃあ、僕のつたない料理で、夢を叶えてあげられるならと、急遽勉強し直す事にした。
ネットで、調べてみると、歴史のある料理だけあって、色々と規定のルールがあった。
・現代の皿鉢料理の皿の直径は39cm。
・生という赤身の(又は旬の)刺身を盛る。
・「組み物」という煮物を付ける。
・他に、稲荷寿司か、鯖などの姿寿司、又は海苔巻きなどを 盛ったり、別の皿と して2枚~3枚組み合わせる。
・フルーツを盛る地域もある。
・「ハラン」という葉っぱ(お寿司に付いている「バラン」の元)で区切る。
・人数によって「素麺」を付ける地域もあるらしい。
最初文章だけで勉強したので、実際何が盛ってあるんだろう?家庭やお店によって「おせち」の様に違うと書いてあったので、逆にこういうのが、凄く困る。具材の組み合わせや盛り付けを問われるものだった。
一体何が良いんだろう?
伊勢海老をトップページに飾っている店もあったし、でもそんな事は出来ない。自由過ぎてイメージ出来ないから、各ページの、あ、これは良いなっていうのを、目で広い集めていって、頭の中で想像を膨らませて言った。
刺身の盛り方、位置、海老とか使うと見場が良いんだなとか、煮物は、あえて根菜じゃなくて、貝を煮ると更に見場が良くなって、酒の肴にもなる。(営利目的では無いので、そんなにお金はかけれない。だって面子でお金をかければ見場は良いに決まっている。)
寿司はどうするのか?、俺は稲荷寿司は嫌いだ、海苔巻きも嫌いだ(男だから甘い食材が入っているのが苦手で)、かといって、鯖などの姿寿司を作っている時間は無い。仕方ない稲荷寿司が食材数的にもてっとり早いハズだ。
仕入れから帰ってきて、以外に鰹が近所に売っていなくて(汗)
河岸へ行こうか迷ったが、前日遅かったので時間が過ぎてしまった。
帰宅して残り3時間半、とりあえず、
ご飯を急いで炊いて(今回はプロの技術は使うまいと決めていたけれど、鮪丼屋に居た時の技を少しだけしまった。)
2種類の鍋に2種類の煮汁を作って、ツブ貝&ミニ帆立・油揚げをぶち込んで中火→弱火で煮ながら、その間に海老の背ワタを抜いて殻を向く。
油揚げが煮えた頃にその鍋は火から外して余熱で後は染み込ませながら、
湯を沸かして海老を茹で始める。(一応ブラックタイガーだ。)
その間に手打ちうどんを作る為、計量器で、小麦粉と強力粉を自分の分量で量る。塩水を作って、それを2つに分け一方は手打ちうどん用、もう一方は酢飯用に希釈し酢と砂糖を入れて酢飯用の酢を作る。
ここで茹で上がった海老をザルにあけ冷ましておく。
うどんに戻り、うどん種をコネあげていく。この間に米が炊け少し蒸らす。
うどん種をまとめ、炊けた米をボールに入れて酢飯用の酢を混ぜ扇ぎ放置して冷ます。煮貝(ツブ貝&ミニ帆立)の鍋を火から上げ余熱で染み込ませる。(僕は商売ではない自分の料理は基本的に余熱調理が大切だと思っている。)
うどんのツユをダシを効かせて一気に作る。ダシで食べさせたいんだ。
ここで、誤算、鰹に付ける薬味をどうしてもチュ-ブのモノを使いたくなくて、ニンニクと生姜を手ですり下ろす事にしたのだが、これが凄まじく時間がかかる。(鰹が莫大な量なので、それに伴い沢山用意してしまった。)
すっても・すっても終わらない:涙、時間は刻一刻と迫る。
そしてすり終わった頃、うどん種を振り向くと、濡れ布巾を被せてビニールに入れておかなかったので、うどん種の表面がパリパリに乾いて割れていた
ここで、うどんは付け合せに過ぎないので諦める。
割れた僕だけのうどん種を重ねて伸ばしても、折パイ生地の様で、食べた時の食感が悪いんだ。(うわ~ショックだ。しかし泣いている場合じゃない。)
薬味のミョウガと大葉を刻む・肴の冷奴用も必要だったから、大量に刻む。
すぐに稲荷寿司の支度にとりかかる。大体12個くらい。
ご飯の量はピッタシだったぜ。
で、俺はさっきも書いたけれど、稲荷寿司は嫌いなので、四国の料理だしイメージ的に超々薄味にしてシャリの塩味で食べさせる様にした。(塩で揚げの甘味が引き立つ感じ)そして稲荷寿司の中に、先程の煮たミニ帆立を1個づつ入れていく。(ちょっとした旨味成分の代わりにもなるし、ここまでやれば稲荷寿司の特徴は消えるだろうし、覆せたと思う)
嫌いなので、造りなれていないから形が多少不ぞろいだけれど全部造って、
鰹に取り掛かる、半身と、トロ(?)の部分の小さなサクが2本、タタキが1本。
分解して、皮を取って、ネットで勉強した様に切った順に並べていく。
ハランは手に入らないので、大葉の残しておいたものを仕切りとする。
鰹を並べ終えて、大皿の骨組みが完成したら、茹でておいた海老を豪快に盛り付ける。(ここで僕は、唯一我儘として、現代風にマヨネーズを添えてしまった。だって茹でた海老にマヨネーズって、誰しも憧れじゃん?、美味しいけれどカロリー高いし、パーティーの時ぐらい良いっかな?みたいなプチ罪悪感が快感だよね。)
そして、煮貝の鍋の落し蓋にしていたアルミホイルで器を作り、そこに煮たツブ貝だけを汁が入らないように盛る。)
残った汁を再度火にかけ、その間に片栗粉を溶き、トロミを付けて、煮貝のソースにしてツブ貝に回しかける。
(ミニ帆立のエキスも入っているからダシが出ているんだ)
ここで、稲荷寿司を盛る隙間を作る為に、鰹・海老・貝の位置をズラして整える。稲荷寿司を載せれるだけ載せて、完成。
林檎があったので、皮を食べやすい様に剥いて(でも色づけとして残しておいて)、盛ろうとしたが、どうも子供っぽくなってしまうので辞める事にする。
ツマミ様の冷奴を水切りして、一度水の入ったボールに入れてラップしておく。
貝のソースが冷めたので、写メを取って、来る人に報告し、ラップをして冷蔵庫へしまう。
ここで、皿鉢料理開始30分前。計3時間半の激闘。汗だくなのでシャワーを浴びて、髪を乾かし、下の階へCDラジカセと土佐の民謡「よさこい節」(「土佐の高知の~はりまや橋で~」が入った民謡CD・篤姫のサントラCD・本の取次ぎ問屋に勤めていた親友から貰った土方歳三のもの凄いレアなポスター・1冊丸ごと高杉晋作の本を持っていき、グラスと付け皿・取り皿・薬味類を運び、冷奴を冷蔵庫から出して皿に盛って先程のラップをしておく。
麦茶で1杯やって、来客をゆっくりと待ち、もてなす心を準備する。
ここで、7時3分(3分遅れだが間に合った。)
7時4分に来客到着。
先ずは、全員揃うまで、冷奴だけで、一杯やって他の人を待つ。
なんか「冷奴」だけでも、いいんじゃねーか?、信じられる友が目の前で酒を飲むなら、人って満足出来んじゃねえのか?って少し思っていた。
あんなに苦労したのに。笑