ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

スピードへの渇望が消えるとは…

2021年03月24日 | R100Trad (1990) クロ介


かつてオートバイの開発目標はモアスピードだった

もちろん存在意味もスピードだ

200km/hを超え

ほどなく300km/hさえ手中に収める

「どこでそのスピード出すの?」と野暮なことを云う奴もいる

エンジンパワーはいうなればオートバイにとって「凄み」だ


H2Rや隼はまだまだ進化を続けるが

SRは息絶えた

SRのようなオートバイは先進技術を取り込み延命を図れば図るほどその魅力が薄れていく

隼はさらに進化し、一層その凄みに磨きをかけた


21世紀を目前にした2000年

ボクはカワサキZX12Rを買った

3速でもフル加速でフロントが上がってくる強烈なパワーに心が震えた

でもその時同時にこれはもう自分のコントロールできるモノじゃあないとすぐに気付いた

リアに履く200サイズのラジアルタイヤがボクを守ってくれていた


CB750Fの怖ろしく効かないディスクブレーキや

GPZ900Rの超高速でのヨーイング

限界域での帳尻合わせが必要だったころのオートバイは一見危険そうだが

「これ以上はダメ」と言ってくれているようだった



初めて自分でフロントタイヤを着脱したので

正直おっかなびっくり走りに出た

岡崎から23号バイパスをつないで豊明まで行き

伊勢湾岸道で戻ってきた



バイパスも高速もクルマが多くて走りずらかった

それにしてもこの頃のクルマは速いね

ボクがいま乗ってるマツダ3も155PSしかないけど高速はかなり速い

静粛性も高くてサスペンションも高性能

クルマはみなスムーズに走っていく


こっちはといえば1000ccもあるのに60PSしかない

まあ60PSあればそれなりに走るけど

120km/hも出ればもう4000rpmは回っている

スナッチには過敏に反応するし

当時としては優秀なブレンボのダブルディスクも初期制動は甘い

外乱には耐えるというより受け流す、だからちょっと収まるのに間がいる


けれどR100は、まあ贔屓目だけど

堂々と流れに乗って走る

こいつが生まれたころでさえすでに時代遅れだったけど

そんなこと微塵も感じさせずに

ただただ前へ前へと走っていく



残念ながらすごく気持ちがいい

スピードが大好きだったボクからすっかりその渇望が消えていた

ちょっとがっかりだけど

いまはずっとこいつに乗っていたいと思う時代遅れのおっさんなのだ


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