ソロツーリストの旅ログ

あるいはライダーへのアンチテーゼ

振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

外足荷重、プレイバック

2007年02月07日 | 日記・エッセイ・コラム

オートバイの乗り方に関する本とか記事とか多いけど、オートバイの運転って、文字には出来ないもんだとつくづく思う。

自転車ならほとんどの人にわかってもらえると思うけど、自転車ってどうして転ばずに走ってられるのか、物理法則で、ではなく「やり方」として言葉で説明できます?

とにかくペダルを漕げ! 下でなく先を見ろ! 右に傾いたらハンドルを左に切れ!

みんなウソじゃないけど、自転車に乗れない人がこれを読んでどうなんでしょう。たぶん、「???」だらけ。

40代の人は覚えてるかな?むかし、「外足荷重」っていう言葉流行ったよね。でも、(カーブの方向の)外側の足に、「荷重」するって、いったいどうすることなのって思った人多いと思う。もちろんボクもそのひとり。

落語家さんの柳家小三治師匠、41歳のときに急にオートバイに取りつかれて、生来の凝り性だから一気にのめり込んだ。

オートバイは(クルマの)オマケ免許で、一度も乗ったことがないのに、今でいう「大型自動二輪免許」を持っていた。125ccを買いに行ったのに店員に勧められて250ccのヤマハの中古を買ってしまい、納車の日に上野の店から自宅の新宿まで5時間かかって辿り着く。

もう精も根も尽き果て、あきらめ、開き直り、まで行っちまったのが逆に良かったのか、翌日から家にも帰らず毎日夜通し、オートバイの練習に明け暮れる。

師匠のオートバイの師匠はもっぱら「本」。本屋で見つけるたびにその手の本を手に入れ夜毎まじめに取り組んだ。

そこで師匠は、やはり「言葉(論理)」と「感覚」の壁にぶつかった。

「右に回る時には、左のステップにしっかり乗って、後ろへ蹴るように踏む」

確かに間違いじゃあないかもしれない、文字にすればこういう書き方もアリかもしれない。でも、これを読んで練習するのはかなり難しい。

今は、お金さえ出せば、ライディングを教えてくれるところが結構ある。やはり、上手い人に見てもらうのが、間違いないし、上達も早いんじゃないかな。

でも、オートバイの運転って云うのは、誠に奥が深い。

頭でわかっているだけでは無理で、体が自然に出来るようにならないとダメだし、逆にいつもは自然に出来ることが、気持ちに邪魔されて出来なくなったりする。「ズルッ」ってふいにいくと、オートバイ鬱病にかかるよねェ。

無理矢理難しくするつもりも、「バイク道」みたいにするつもりもないけど、「上手く乗りたい」と思わせる何かがオートバイにはある。

でもね、何事も無く家に帰りつくことが、いちばん上手い乗り方。よく云われるけど、これはまちがいないと思うよ。


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