アーバンライフの愉しみ

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窪 美澄著「トリニティ」

2019年10月28日 | アーバンライフ

 

戦後を逞しく生きた3人の女性を描いた傑作長編。
「小説新潮」2017年4月~18年6月号連載、第161回(2019年上半期)直木賞候補作、461頁。

実家の軒先に捨てられた妙子は寒村の継母の元で成長し、後に、実母の援助で美大を卒業。
新進のイラストレーターとして才能を開花させる。

一方、三代にわたり物書きの家に生まれた登紀子は、時流に乗った雑誌ブームの中で自らもフリーライターとして地歩を築いていくのだが・・・。

戦後の高度成長期に、躍進する雑誌社に集った3人の女性を詳述した物語に引き込まれ、一気に読んだ。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)

蛇足:直木賞選考委員の選評。
高村薫「高度成長期に訪れた”女の時代”を、行き届いた時代考証とともに群像劇にしていて、十分に面白い。もともと等身大の女性を描くことに長けている作者が、社会史的な視野を新たに獲得した意欲作だと思う。」

 

 

 

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