名作読破プロジェクト。
米国のノーベル賞作家スタインベックの代表作。ピューリッツア賞受賞。文庫版(上下)916頁の大作。
1930年代の米国中西部。
オクラホマ州の貧農ジョード一家は、干ばつと砂嵐、銀行資本による農地の大規模化と機械化によって伝来の土地を追われ、光り輝く緑の大地カリフォルニアめざしルート66を辿る旅に出る。
一家と知人合わせ12人とキャンプ用品を積んだおんぼろトラックでの長旅(3,000km)は困難を極め、祖父母はカルフォニアの地を見ないまま病死する。
こうしてたどりついたカルフォニアは、果たしてジョード一家の夢を満たす大地だったのか・・・。
4Kテレビのような精緻な描写と卓越した文章力によって、読者をして物語に引きずり込んでしまう魔力を持つ作品だ。
特に、作者は、登場人物の感情や内面に入り込むことを一切していないのだが、それがかえって読者に感情移入を促すようだ。
兎に角、次元の違いを想起させるタフな物語に仕上がっている。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)