天空☆faya-y的毎天☆

~faye-yの日常~ 天空疊著層層的思念。

映画「清須会議」

2013-11-20 20:51:57 | 映画
この辺りの歴史は弱いのに予習なしで行ってしまったので、しばらくは名前と設定を追いかけるのに必死。
話題の「清須会議」です。まわりにお客さんがいなかったのを幸いにスマホで名前を確認しながら見ておりました。という訳で歴史が頭に入っていない方で混んでいる時間帯に見に行かれる方は、予習、せめて出演者のチェックだけでもしておくべきですね。


史実の枠の中で三谷幸喜が描くもの。

は、やっぱり“おもしろかった”です。

清須会議で検索すると「清須会議 おもしろい」「清須会議 おもしろくない」で出てきます(笑)
賛否両論ってところか。それも分からんでもない。どうしても“史実”という動かしがたいものがありますから。
でも、それを超えて再構築された物語世界は役者の力量に大きく委ねられているように思えました。
ちょっとした動き、一人一人、それぞれ、その瞬間、役そのものにしか見えないのです。
三谷幸喜が役者さんのイメージとは違った演出しているのもあったのかなあ。。。

カメラワークで気をてらうのではなく、呼吸、間などが編集での工夫というよりも舞台を見ているような感覚になることが何度もありました。
役者さんの演技力にただただ圧倒。
そして、三谷幸喜のエッセンス。



でも(でも、でいいのかな)、史実を考えるとラストあたりで物悲しくなってしまいました。
ほんで今日はwikiで登場者のことをあれこれ調べる余韻に浸っていたのでした。

今、演技について考える機会が続いていたので、私にすんごいパンチを浴びせた映画でございました。
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シネマ歌舞伎「ヤマトタケル」

2013-10-06 23:13:13 | 映画
上映時間が14時10分から18時20分。休憩が二回入りました。長いよ!普通に歌舞伎だよっ!三千円なり。

さて、そんなもんだで行く日が限られているのに前売買っちゃったし、予定を変えてまで見に走りました。

昨年の新橋演舞場での猿之助襲名披露。口上とカーテンコールがありました。

作者は哲学者の梅原猛さん。ちょうど、五木寛之さんとの共著を読んでいたので、ほー、ふむふむ、と思いました。最後の方に前世のなんちゃらというのがありましたが、あの時代に輪廻の思想はあったんだろか。
それはさておき、日本神話のヤマトタケルの世界をスーパー歌舞伎で舞台化。

右近さんを見るたびにテンションがあがってしまう。私は右近さん好きを、あらためて確認。
もちろん猿之助さんもかっこいい。ああ、迷う~って何を?
ヤマトタケルの世界観とスーパー歌舞伎を堪能できる一作ですよ。
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映画「風立ちぬ」

2013-07-23 22:43:00 | 映画
夕方の回に間に合い、見てきました。


結果、いろんなとこで泣いてしまう。


これから見る方もいるので、ネタバレ避けますが辛く、そして、美しい作品でした。
描かれないからこそ、補完される切なさ。

黒川の姉さん、かっこよかった…。

あのラストでよかったなと。涙を拭く時間があったから。
泣き腫らしながらも、よい時間になったので火曜yodareに行き、久々にイシハラさん、美月さんとしゃべってきたのでした。
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シネマ歌舞伎「怪談 牡丹燈籠」

2013-07-07 17:29:52 | 映画
平均年齢がごっつ高く、一日一回の上映だったのでけっこう人が入っていました。
隣のおばさまは、リビングで見てるかのごとくしゃべられます。
「「研辰の討たれ」をエノケンで見たわ」…歴史が違いすぎます。
「あれ、翫雀の息子やろ、いちたろう」残念、かずたろうです。※中村壱太郎
さすがに話が進んできたら大人しくなってはりましたが。

ところで、以前原作を読みました→三遊亭円朝『怪談 牡丹燈籠』の読書日記

なので、いわゆる幽霊ものとしては前半で終わっちゃうのですが(らぶりん×七之助のお美しいカップル、幽霊でもええじゃないかええじゃないか)、“人間の業”は悪縁として続いていきます。この人間的な夫婦が仁左衛門さんと玉さま。笑いの間とかほんと完璧。
三津五郎さんは原作者・三遊亭円朝役で高座にあがります。
ここで長ーいお話がうまく省略されていきます(でも、原作もカットされてる)。
最後はずーんと来ました。身勝手な理由なんですが、それゆえ。

来週は、生・仁左衛門様です。ふふふ、楽しみ~。
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映画「グランドマスター」

2013-06-10 09:10:18 | 映画
王家衛監督作品、最新作。
しばらく監督作品が公開されてないなあと思ってたら、こんなの撮ってたのね。

詠春拳の使い手、葉問(イップ・マン)の生涯を描いた作品。
※ブルース・リーが師事していた

で、王家衛が撮るからには普通にカンフー映画ではなくアクション映画でもなく、
(「楽園の瑕」を思い出しちゃったよ)
訳わからん感ももちろんあり(説明が少ないからね)。

訳わからん感といえば、チャン・チェン。
絡みがないのよ、ほとんど。唯一若い子にチャン・ツィイーと一瞬出会っていたくらいで。
こういう時間や人の配置の撮り方って王家衛らしいっちゃらしい。
てか、「2046」でいつでたんか分からん役だったかと思えば二年くらいこの役のために武術指導を
受けていたとかで泣けてくる。

出演者はそれぞれ2年くらい武術指導を受けているけど、それを教えた師はお金を受け取ってないと
監督が言ってました。技の継承と世に知らしめるため。泣ける。

ところで、ソン・ヘギョが奥さん役。20歳くらい年下の女優と夫婦役して遜色ないってどうよ、トニーさん。
相変わらず、若いトニーさんでした。肌がきれいなんだ、なに食べてるの??

ラスト5分が異常にいいです。←私はね。

ところで、よもや王家衛では泣かんやろうとハンカチをどっかにしまって映画見てたら終演後に
流されたジブリの「風立ちぬ」特別予告に号泣してしばらく劇場から出られなかったのは私です。
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中村勘三郎 追悼上映 シネマ歌舞伎「らくだ」「連獅子」

2013-01-15 21:43:35 | 映画
生前唯一見たのもシネマ歌舞伎でした。
本当に生で見られなかったのが悔やまれます。

中村勘三郎 追悼上映 シネマ歌舞伎「らくだ」「連獅子」
18日までの一週間限定の上映とのことで、友達との予定を急遽変更してもらって。
「らくだ」は、ご存知落語がもとになった作品。
先日見に行った歌舞伎版の「義経千本桜」は文楽からの移入でしたが、これは落語を
舞台化した作品。

抱腹絶倒でした…。屍人役の亀蔵さん、前見たときもふんどし一丁で奇声を上げている役でしたが…。
勘三郎さんの激変ぶりもおもしろかったのですが、三津五郎さんのかっこよさにぽーっとなりました。

「連獅子」親子共演。子の獅子が二匹という豪華な、そして奇跡的な演舞。
圧倒されました。指先、だけでなく肉体を離れた空気までも意思を持って動かしているような。
舞台を見るだけでは見られない息遣いまでも映像として残されているのですが、それでも
生で拝見することが叶わなかったことが悔しいです。

なお、途中の狂言で亀蔵さんが{普通の}役ででてきました。


さて、3月から10月にかけて各1週間だけの上演になりましたが、シネマ歌舞伎の旧作の上演があります。

歌舞伎座新開場こけら落とし記念
《月イチ歌舞伎》
3/30~4/5   「連獅子/らくだ」
4/13~4/19  「ふるあめりかに袖はぬらさじ」
5/25~5/31  「人情噺 文七元結」
6/15~6/21  「刺青奇偶」
7/6~7/12   「怪談 牡丹燈籠」
8/31~9/6  「野田版 研辰の討たれ」
9/21~9/27  「鷺娘/日高川入相花王」「京鹿子娘二人道成寺」※この上演のみ各1000円
10/19~10/25 「野田版鼠小僧」
各2000円
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映画「レ・ミゼラブル」

2013-01-07 22:36:07 | 映画
この時代を感じさせる子ども向け(とはいってもけっこうぶ厚い)が家にあったので何度も読んでおりましたが、ミュージカルは未見。

物語がはじまると結構内容を覚えているもんで、そうそうと思うエピソードがあったり、
え?これ?と思ったり。
どうなるか知ってると歌詞ひとつひとつが胸に響き、エポニーヌの独唱では泣けました。
私的にはユリウスのもろもろがひっかかる要素がてんこもり。
いや、いやいや。これは気にしちゃいけない。だって、これはミュージカル♪
全編、ほぼ歌です。
フォンテーヌ(私はこの名前を聞くとどうしてもカツラを想像してしまう)とエポニーヌの歌は聞き覚えがあり、
エポニーヌの「on my own」は、ああそうだ島田歌穂が紅白で歌っていた曲だ!という記憶まで蘇りました。
調べたら1988年(昭和63年)だそう。25年前だって(愕然)。よっぽど、インパクトがあったんでしょうね。
そして、圧倒的な表現力で歌唱したエポニーヌなのに、日本版のポスターには顔写真がないんですよ。
なんでやねん。自分の中にあったいろんな感情を引き出してくれた役者さんでした。

舞台版ではラストにジャンバルジャンをフォンテーヌとエポニーヌが天国から迎えに行くようです。
なるほどね、それのほうがいいわ。ミュージカルはエポニーヌとジャンバジャンの絡みがカットされて
いるのでないようです。もういっぺん会いたいもんねえ。愛した人を想い非業の死を遂げるふたりの
共演は納得です。
これは…舞台版も見に行かねばならぬか?

Samantha Barks On My Own



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レスリーの誕生日でした。

2012-09-12 21:13:26 | 映画
今朝、出勤途中で
「そーいや、レスリーの誕生日って、9月の上旬やったような気がする」
と突如思いつきました。
そして、検索したら、今日9/12が誕生日でした。

生日快楽!張国栄!哥哥!

うっ、泣けてきた。
you tubeや自分の持ってるMV、映画DVD、CDを見て誕生日をお祝い。
レスリーの56歳も見たかった、見たかったよ…。

この道にはまった頃、レスリーってそんなに好きじゃなかった。
歌も、顔だって好みとはちょっと違ってた。ファンも熱いし(笑)
でも、たくさんのレスリーの出てる映画を見ているうちに、
めっちゃ好きになってた。いないよ、こんな人!
すごい才能と一緒に行ってしまった。
最初で最後に生で見られたコンサートで「また日本に来るね」って
言ってたのに。

来年没後10年。最後の大規模な追悼イベントがレスリーも立ったホンハムで行われるようです。
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映画「ダークシャドウ」

2012-06-03 23:10:28 | 映画
ティム・バートン×ジョニー・デップですよ。

これ、もともとはアメリカのソープオペラみたいですね。ところが放映は1966年から1971年だったそうで、映画は1972年、40年前が舞台なんですよね。どういう意味だろうか?しかし、劇中に使われるBGMを聞きながらワタクシの生まれたくらいに流行ってた曲ってこのあたりなのね。カーペンターズにアリス・クーパー(しかも、本人出演)。

たぶん、ドラマ版はもっとファミリー向けだと思うのですが、こちらは大人向けです。
けっこう笑えます…が、根本的にあんたが悪いんやん!と魔女に同情するありさま。いかんね、痴情のもつれは。魔女はカーネーションの糸子さんに顔が似てると思いました。
原因以外はおもしろかったですよ。
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映画「テルマエ・ロマエ」

2012-05-01 22:58:55 | 映画
ファーストディということを前日に思い出して、繁昌亭の帰りに行きました。
あんまり細かく調べてなかったので、とりいそぎ「テルマエ・ロマエ」へ。
そういえば私、古代ローマとかギリシアとか好きだったのですよ。小学生のころに読んだギリシア神話がきっかけで大学の専攻決めましたし。そんなことを思い出しました、映画見て。

阿部寛が古代ローマ人という設定で80%は成り立っているこの映画。阿部ちゃん、スゲーです。肉体美をさらけ出し過ぎ。64年生まれだから、今年で48歳か。すごいです、あの美しいボディライン。これに1000円のうち800円を払ったようなもんです。
もちろん、古代ローマ人が現代日本の銭湯に出会った~(by下条アトム)的なとこも爆笑もんで、阿部ちゃんルシアスが本気で驚く表情に何度も大声で笑いました。
古代ローマ人ルシアスは、当時の大浴場の生真面目な設計家。悩み過ぎると回路がおかしくなってなぜか現代日本に現われてしまうのです。この生真面目な、というところもポイント高し。

つっこみどころは満載ですので、あんまり細かいところは気にしちゃダメ。
(しかし、一個つっこみ:当時は西暦の概念はないはず)

そうそう、映画館に入るときにパンフを買ってもいないのに漫画つきの小冊子を頂きました。お得やがな。
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6年越しの欲しかったもの

2012-01-03 20:42:13 | 映画
ボールペンの替え芯を買いに行ってふとレジ脇のワゴンを見ると

DVD 500円均一

と、同時に

「ラブソング」

のパッケージが目に飛び込んできました。


わわわ、ほんまに500円?ほんまに??3980円→500円
実は「ラブソング」(原題:甜蜜々)は、中国語版で持っているのですが(2006年5月8日の日記)500円なら買わない手はありません。

本当にこの映画は大好きです。監督ピーター・チャンが冴えている。この作品見るまでいまいちだったレオン・ライの印象も変わったし、マギー・チャン、エリック・ツァンはいわずもがな。
帰宅後、ちらちらと見ていたのですがシーンごとに泣いてしまいます。
特に後半はチャプターごとに胸にきます。
1996年、中国返還を控えた香港で撮影された作品。時間軸はその10年前から始まりますが、今から見ても時代と香港の雰囲気の描写が印象的です。ラスト近くの現代軸で大陸からNYに観光に来ているおばちゃんが「今は海外に行ってた人も帰ってきてるわ」と言うのです、その10年前は香港に来るのも大変なこと。香港と大陸との関係の変化が大きかった10年。
そして、忘れてはならないのがモチーフにでてくるテレサ・テン(麗君)。某忘年会で中国語デュエットした「月亮代表我的心」も挿入歌。案外、エンドロールで歌うレオン・ライの「甜蜜々」もいいもんだ(案外って!)。
久しぶりに見て、やっぱりレオン・ライの優柔不断ぶりに腹が立ったけど、奥さんに当てた手紙(これも優柔不断の極み。純粋なのはやさしさじゃない)の後にNYでの生活を見たら、そんな自分を10年間律していたのかなあ。

そういえば、中国語学習するといった同僚に貸したテレサ・テンのCDって却ってきたっけ?
テレサ・テンを聞きながら漢方の勉強しようっと。


※「さらば わが愛」も中国語版と日本版を持っている。
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映画「ステキな金縛り」映画の感想じゃない感想

2011-11-08 19:39:48 | 映画
夜の上映に行ったのもありますが、尼崎の映画館はがらがらで、満席でわははと笑いたかったです。いっぱいの人たちと笑い合う高揚感はまた違っただろうな~、と。

まず、これから見る方へ。あれ、これおかしくない?つじつまが合わない?と思わないこと!リアルを追ってはいけません。設定(幽霊という非現実)のせいか今まで以上にノリでストーリーが展開していきます。

殺人事件の容疑者の無実を証明できるのは…落武者の幽霊。落ちこぼれ弁護士は、弁護人のために幽霊を法廷に連れてきて…。

そして、殺人事件の容疑者役はKANちゃん!そこの人!懐かしいとか言わない!
実際近くに座ってた人が、オープニングクレジットで歌手の?と反応していましたが、コミュではそれぞれ周りの反応が続々報告され中。ファンとしては、三谷作品にイキナリでてきたKANちゃんへの観客の反応が気になるところ。
ちなみに撮影は昨年だったので、今の流れ的なものではありません。確か、二年ほど前にポップスター平井さんのライブに三谷監督清水ミチコ、KANちゃんとでていたし、その前だったかラジオのゲストにも呼ばれてたし、三谷監督がKANちゃんの「金曜コラム」(公式HPのぐったり系コラム)を毎週読んでる、とかそんなつながりがあったはず。
先週の金曜にはテレビで「ステキな隠し撮り」が放送されていましたが、そこにもKANちゃんは本人役&私服(私物でもある)で登場。あれはまさに普段のKANちゃんでした。
映画に戻ると、一箇所泣いたところがありまして。また、ご覧になったら分かると思います。インド料理屋さんのとこです。六兵衛さんの見てきたあの世の様子も印象的。市村正親のつくつくはいいのか?!とか、唐沢寿明の髪型は?とかいろいろ気になりました。
しかし、容疑者がそもそも何故…。いや、そんなこたあつっこんじゃあいけねぇ。

年明けのバンドライブツアーが楽しみです←ここで話をまとめるな。
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NHKヒューマンドキュメンタリー「二人の旅路」 日中激動を生きた京劇夫婦

2011-08-25 12:41:48 | 映画
二人は二枚貝のようだった。ぴったりと合わさる二枚貝。他ではけっして合わない。


NHK「二人の旅路」日中激動を生きた京劇夫婦
先にBSで放送されたものの短縮版のようです。
上の言葉は、登場する残留孤児真理さん(65)のお父さんからの手紙の文面。戦中、真理さんのお母さん(中国人)は、日本人と結婚しますが終戦により離れ離れになり中国人と再婚します。
冒頭、亡くなったお母さんの骨壷を船から海に入れるシーンがありました。中国の習慣により夫婦の骨壷は結んで投げ入れられるそうですが、真理さんの異母兄弟たちはそれをせずにそれぞれの骨壷を海へと投げ入れ、真理さんは異母兄弟たちに感謝します。父親の違う真理さんに配慮したのです。
実は真理さんのお父さんは、再婚もしますが離婚し、生涯真理さんのお母さんを想い続けていたのです。

今、福岡で暮らす真理さんと夫の梁さん(70)はかつて寧夏省の京劇劇団の役者夫婦。梁さんは国が認める国家一級俳優でした。
しかし、真理さんの出生の背景は中国で役者を続けるものに重くのしかかります。そして、梁さんが決意したのは京劇俳優としてのキャリアを捨て妻のために国を出ることでした。

梁さんは選んだ選択をまったく後悔されておらず、そして真理さんのことを深く愛しているのだなあ、と画面を通して感じました。
梁さんの未来を奪ったのではないか、私なんて死んだほうがいいのではないかと言う真理さんに
「考えすぎだよ。そんな考えを持ってはいけない。その考えは何の役にも立たないよ。人生は苦労するのが当たり前なんだよ」
言えない。こんなことを私は言えません。
梁さんはたくさんの苦労をしたであろう日本での20年間を「幸せだ」と言われます。それは、きっと真理さんとの支え合う生活によるものなのでしょう。

さて、二人に寧夏京劇団から招へいがありました。劇場を建て直すことになったので最後の舞台に立ってほしいというのです。
二人は中国へと向かいました。演目は「覇王別姫」。夫婦の物語です。しかし、真理さんは夫婦の共演を固辞して梁さんの活躍を見守ります。
梁さんは奇跡を起こしました。20年舞台に立たなかったのにすばらしい覇王を演じました。
真理さんの心もほどけていきます。真理さんが舞台に立たなかった理由のひとつは物語の結末が哀しかったことでした。翌日、客席に誰もいない舞台で二人だけの「覇王別姫」を演じます。

二人は日本で大変な苦労をします。現在も日本語はたどたどしいのです。京劇の舞台を見ていて、お二人の才能を生かした仕事が日本にもあっただろうにと思うと残念でした。もしかして、京劇を封印していたのかもしれませんが。
これからの人生もお二人に幸多からんと祈ります。
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映画『大鹿村騒動記』

2011-08-11 13:14:26 | 映画
水曜はいつも1000円になる映画館で見ましたが、この映画はいっつも1000円らしいです。絶対、お得だと思う。

村歌舞伎、田楽とか、田舎で伝承され継承されている芸能に興味があるんですよ。前も「鶴瓶の家族に乾杯」で、どこか田舎の歌舞伎を取り上げていましたが、他に仕事を持ちながらも自分たちの文化を持ち続けることはすばらしいことだと思います。
舞台になっている大鹿村はその中でも有名で、過去にも映画やTVドラマになったり、大阪の国立文楽劇場や海外公演もされているそうです。

物語は18年前駆け落ちした初老の男女が村に帰ってくることからはじまります。主人公・善のもとにやってきたのはかつてのそして今も戸籍上の妻・貴子、そして善の親友でもあった治。治は貴子の認知症が手に負えず貴子を返しにきたのでした。
おりしも、村は歌舞伎興業の直前。芝居の稽古に現実(リニア問題・性同一性・台風…)が、絡み…。
実際の村長さんが村長さん役ででていたり、指導はもちろん実際の太夫さんだったり、村民の方のエキストラもよかった。役者さんが円熟味あると田舎の住民に違和感なくなるんですね。一徳は脱ぎすぎです。
かっこつけないかっこよさ。実際の村民さんもそうなんかなあ。
佐藤浩市が稽古で女形としてなよっと立っているのと病室で「いまチクっときた」というのがツボ。
遺作となった原田芳雄がなにかにつれリアルで、もうこの世におられないというのが信じられません。

仇も怨みもこれまで、これまで。

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映画「海洋天堂」

2011-07-19 12:42:53 | 映画
「北京バイオリン」の脚本家が14年にもわたる自閉症児の施設ボランティアの体験から脚本を書き監督した映画「海洋天堂」
主役を務める李連杰(リーリンチェイ/ジェット・リー)は、無償で出演。撮影はクリストファー・ドイル、音楽は久石譲、主題歌はジェイ・チョウ、他にもスタッフを見るとそうそうたる顔ぶれ。中国語圏(中国・香港・台湾)映画をけん引してこられた方々が関わっていました。

自閉症は中国語で「孤独症」というそうです。物語は二人の心中シーンからはじまります。海に沈んでいく親子。しかし、息子は魚のように泳ぎが得意だった。
この物語の主人公・王は21歳になる自閉症の息子大福(ダーフー)と暮らしていたが、自分が余命いくばくもない病に冒されていると知り最愛の息子の将来を案じて…。

ともかく、リンチェイの演技がすばらしい。息子への愛をふとした表情で見せ、内面の複雑な想いを目や手や背中で語る。カンフースターの俊敏な動きや肉体は封印して、どこにでもいる普通のお父さんを演じきっていました。しかし、これはリンチェイの内面からあふれ出たものかもしれません。慈善活動にも熱心なリンチェイのメッセージが本編のはじまる前にスクリーンに映るのですが、その時点で涙が。スマトラ地震に遭遇したことから慈善活動に力を入れるようになったそう。

自ら亡き後の息子の場所を必死になって探す彼。そして、その想いは周りにも伝わり。彼が息子のためにつくったこの世の天国とは(「天堂」は中国語で天国)。青島(チンタオ)の景色も印象に残ります。

嗚咽をもらす程泣きました。血のつながらない父子愛を描いた「北京ヴァイオリン」も、とても好きな映画です。同じくガーデンシネマで見たときも号泣したことを思い出しました。
隣に座っていた一人できていたおじさんもおもむろにハンカチを取り出していて。
いろんなシーンの写真を見るだけでも思い出して涙が…。
このあと落語会に目を腫らしたままで行き、泣いて笑って忙しい一日でした。

いろんな方に見ていただきたい映画です。。。
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