大型書店をぶらぶらしているとふいに目が合ったのです、この表紙と。
いや、こいつは目をそらしてるが。
イアン・マキューアンの最新翻訳。
AIのヒューマロイドがでてくるものの世界は1980年代の英国。ちょっとずつ現実から離れるパラレルワールド。
登場者は、さえない男チャーリーと彼が狙ってるミランダ、そして彼が購入したAIロボット”アダム”
パラレルワールド設定の部分が饒舌でなかなか頭に入らず読み進めにくかったのですが(そのあたりの知識があるとまた楽しみ方が違うかと)、なんといってもアダム。なんていったって、ミランダに恋をしちゃうし、ミランダはお試ししちゃうし大変。このあたりの展開は非常にSF的。
ネタばれを気にすると筋の展開は書けませんが、アダムが一筋縄じゃいかないのはこれを小説に描こうとした段階での規定路線なんでしょうけど。
舞台設定を近未来じゃなくて「過去」にしているのが一番癖があったのかも。
さて、本当にアダムはミランダに恋をしていたのか。それは作り出された感情に過ぎなかったのか。三角関係ではない三人の関係と。
物語の先行きが分からなくなったあたりから本が置けなくなりました。いや先行きの半分くらいはどこか予想はできていたけれど。
あたたたちはどんな世界を望むのですか?