南魚沼~わが故郷から~

四季折々姿を変える豊かな自然を次世代に
活き活きとした顔が溢れる元気なまちをつくろう

南魚沼 天地人の里

2010年03月21日 | 天地人
        

大河ドラマ「天地人」は、直江兼続と石田三成の人間像、国家観や人間関係の持ち方の違いなどを上手く描き
出したところが、とても面白かったのだが。
家族や主従関係、地域経営を起点として、国家像まで考えるように成長していったのが兼続だとしたら、
三成は絶対的な国家統治者としての豊臣秀吉の存在を起点として、国家統治の在り方を考えた。
上から目線と下から目線の違いといえば、そうとも言えるかもしれない。
大切なことは、そうした両者ががっちり握手をしたということだ。
結果として、両方を持ち得たのが徳川家康陣営と言ってしまえばそれまでだが、期待してもそんなにはうまくいかない。

今の時代をみると、両方ともとても弱いように思える。
喰えなくなればなんとかして食いつないでいくのが人間だし、日本人は元来そうした根源的な力は強い。
地域経営に必要な連帯意識も家族愛も大切にしてきた民族だ。
兼続のような生き方が本来の日本人の生き方だと思っている。

当然だが今の世の中、今の国際状況の中で、国が生き残っていくために、国民はどうあるべきかということも重要だ。
私たちの人生は、日本という国があってはじめて成り立つものだ。
ジョン・F・ケネディの演説ではないが、国に求めるばかりではなく、国のために何が出来るのか考えることも
大事だと思う。
日本という国の良さを掘り起こして、21世紀の日本をどう導いていくのか、スケールの大きい政治家が出てくること
も期待したい。目先の選挙での得票ばかり気にした政策眼ではなく、進むべき改革の道を示して、難儀を国民に
要求する考えがあってもいいと思うのだ。
口先だけの改革論議はもう聞き飽きたということも、実感だろう。

直江兼続が生まれた南魚沼、自信と誇りを持ってがんばろうよ !


米沢「天地人博」閉幕

2010年01月13日 | 天地人
米沢市の「天地人博」閉幕のニュースを山形新聞が報じている。
当初目標の20万人を大きく上回る51万人の入場者が、「天地人博」を訪れた。
最後の入場者が南魚沼市からときいて、今もなにかしらの目に見えない縁があるのかもしれない。
11回も展示替えをしたというから、私たち南魚沼市議会が視察した昨年4月の頃とは、内容も
ドラマの展開に従ってだいぶ入れ替わっていたのだろう。
「天地人」に明けて「天地人」に暮れた昨年、上杉の遺産を引き継ぐ米沢市も相当に盛り上がった
ことだと思う。

米沢市は4月にも、天地人博に代わる観光施設として「戦国時代館」を市中心部の産業ビルに
オープンさせる予定だそうである。
南魚沼市も民間団体の主催で、「戦国EXPO」を「愛 天地人博」の会場を模様替えして開催する
構想が進んでいる。
アフター「天地人」も盛り上がってほしいものである。

NHK大河ドラマ「天地人」は、あらためて郷土の歴史を見直す機会を与えてくれた。
上杉景勝も直江兼続も「天地人」という火坂雅志の原作小説やドラマ化がなかったら、これほど
地元でも知られることはなかっただろう。

議会関係の活動でこの間3度も米沢市を訪れ、多くの歴史遺産に触れる機会を与えていただいて、
上杉に関する多くの知識を得ることができた。
個人的にも実り多い「天地人」であった。
また是非米沢を訪れてみたいと思っている。


天地人 新潟日報ニュース特集

2009年12月11日 | 天地人
改めて読み返してみると、もう懐かしさを覚えてしまう記事もある。
1年前の今頃は、放映開始や天地人博の開幕を楽しみに待っていたことを思い出す。
2月の雪祭り当日、天地人博を訪れたとき、すぐ傍に加藤清史郎君と溝口琢矢君がいたので、
妻とビックリしたことも思い出す。

  新潟日報 天地人ニュース

南魚沼市の天地人効果が21億円に上るとの最新ニュースもあるが、今年は「天地人」に始まり、
「天地人」に終わったような1年間だった。
全国に「南魚沼市」の名前が届けられたことは確実だし、直江兼続、上杉景勝の生誕地としての
誇りも市民に与えてくれた。
各地から多くの方々に訪れて頂いて、南魚沼の自然や歴史ある名所を観てもらえたこと、豊かな
自然に育まれた素材を使った食の数々を堪能して頂いたことなども、とても嬉しいことだと思う。

ドラマについては駆け足の展開で、もう少しじっくりストーリーを刻みながら、登場人物にスポットを
当ててほしいと思ったことが何回もあった。
放映時間も限界があるので、わがままな感想なのだが。
もうレンタル店にDVDが並んでいるのをみて、年末年始借りて観ようかなと思っている。




天地人 最終回 「愛を掲げよ」

2009年11月22日 | 天地人

演出 片岡敬司

NHK大河ドラマ・ストーリーの「天地人」完結編で、チーフ・プロデューサーを務められた
内藤愼介氏の「『天・地・人』に恵まれて」と題された文章に次のように書かれている部分がある。

2009年という「天の時」に、直江兼続という人物に出会えたことそのものが、一つの幸運でした。
歴史的に見ると決して華々しい戦果ををあげたわけではない彼は、従来の大河ドラマでは決して
メインに据えられる人物ではなかったはずです。
しかし彼の生き方は、利益追求の結果生まれたひずみへの反省を迫られている現代人にとって、
確かな指針を示していました。
歴史は勝者だけのものではない、負けた側の思いの上に成り立っているものなのだということを
教えてくれました。
・・・この言葉がドラマとしての「天地人」のテーマであるように思える。
それは、今回・最終回に凝縮されている。

賛否両論、史実と違う等々あると思う「兼続と家康、秀忠、政宗との関わり」なのだが、脚本の説得力は強い。
それは敗者(かもしれない)の論理である「義」と「愛」が、実は普遍的なものであることを描き出し、
最後には、武力に寄らずに、家康を打ち負かしてしまう。爽快!

景勝が新たな謙信公の亡骸の安置場所として選んだ岩屋での兼続・景勝の会話から始まるラストの
20数分、淡々と穏やかに、美しく流れる展開は、その脚本の意味を時折考えさせながら、回想シーン
の懐かしさと共に爽やかで大きな感動を与えてくれた。

八海山中腹での息子景勝の位牌を抱いて兼続「失ったものは多かった。されどわしは、何も残せなか
ったとは思わぬぞ。すべて心に刻まれておる。この目に姿は見えずとも、心に息づく者たちが、わし
らをここまで導いてくれた。」

お船と紅葉をみながら庭での兼続「・・わしは紅葉になれたかの」
お船「我が命を捨て、大切なものを守り抜く。おまえ様は、まさしく紅葉でございました。
だからこそ、景明もおまえ様にならおうとしたのでしょう」
兼続「まことさようならば、すべては皆のおかげよ・・。皆に支えられたからこそ、ここまでこられた」

関ヶ原以降の兼続・お船の生涯は、相次ぐこども達の死があり、決して幸福なものではなかっただろう。
米沢移封という逆境の中でもあったわけだが、そこで発揮された領国経営の才が兼続夫婦を偉人として
歴史に刻みこんだことを思うと、歴史が負けた側の思いの上に成り立っているといえるのかもしれない。

兼続の生涯は60年で終わったわけだが、自分もその年齢に近づいていることを思うと、
「自分の人生は多くのひとたちのおかげで、こここまできた」という思いは、なぜか共感を覚え、
胸にくるものがある。

これで終わりかと思うと寂しくなるが、11ヶ月の長い間、充分に楽しませてもらった。
最後まで兼続を育んだ南魚沼が画面に登場したのも嬉しかった。
総集編を楽しみに待ちたい。

最終回のMVPは、兼続・お船夫婦にしておきます。

愛・天地人博 入場者数40万人突破

2009年11月19日 | 天地人
1月11日オープンしてから310日目くらいになるのだろうか、愛・天地人博の入場者が40万人を
突破したことが17日、市のウェブサイトで報じられた。
当初の目標が20万人であったことを考えると、倍以上の入場者をお迎えしたことになる。
率直に喜びたいと思うし、スタッフの方々のご苦労に感謝申し上げたい。

冬から春夏そして秋と、南魚沼を訪れて頂いた方々の南魚沼の印象はどうだったのだろうか?
気になるところだ。
南魚沼に魅力を感じて。これからも訪れて頂きたいとスタッフや観光関係者だけでなく、多くの
市民が期待していると思う。

gooの「お嫁に行きたい!」と思う武将ランキングで直江兼続が第1位、兼続の名前は「天地人」で
しっかりと女性層へ浸透したようだ。
アフター「天地人」のターゲットは女性か?

南魚沼版 愛・天地人博はまだまだ続きます。

天地人 第46回 「大阪城炎上」

2009年11月15日 | 天地人
    最後の戦い

タイトルの割に淡々と進む展開だが、淀の方や秀頼の最後が潔く、そして美しい。
真田幸村を上手に使った脚本、家康をこれだけ悪役に仕立て上げてくるのも面白い。

今回のMVPは、真田幸村
 無骨なまでに義を貫き、約束を守る生き方は、単純すぎる描き方にもかかわらず胸を打つ。
 上杉家に人質として来た若い日の幸村が、懐かしく思い出される。

第2位 淀の方
 千の方を幸村に託す場面での、豊臣は慈悲の心を持って天下人となる(と言ったと思うのだが)
 というセリフ、そして幸村にあの世で会おうぞ、と自刃していく姿が清々しく印象に残った。

第3位 千の方
 家康を恐れていないのは、この孫の姫様だけか・・。
 千姫をこれだけ活躍させたドラマはあまりないと思うのと、こうした描き方は新鮮で良いと思った。
 実家の野心家の爺様よりも、愛する夫やその姑を思う心は印象に残った。

米沢から駿府、そして京、大坂と多忙な兼続、大河の主役はいずれも多忙でどこにも姿を現して
いたな・・と、昨年の篤姫や一昨年の山本勘助、「利家とまつ」のまつ様を思い出してしまった。
戦の勝ち負けは、武力の差であったり、時の運であるかも知れないが、負けても、義と仁愛を貫く
ことも勝利であると教えてくれるようだ。

さて、来週は遂に最終回 第47回 「愛を掲げよ」。
お船と里帰り、故郷上田庄を訪れ、八海山に登る二人の心に浮かぶものは・・。



天地人 第45回 「大阪の陣へ」

2009年11月08日 | 天地人
大河「天地人」も今回を含めて、あと3回を残すのみとなった。

「怒れ 怒れ 怒れ」・・投げやりなフレーズがサブ・タイトルの今回。
              演出 野田雄介

少し皮肉っぽくいうと、徳川家が豊臣家から権力を奪い取ることが決定的な展開の中で、上杉家が
米沢30万石への移封受け入れた段階で、上杉が徳川に従う事は決定的で、今さら豊臣か上杉か、という
段階ではない。
もっと前をみれば、上杉が豊臣秀吉への服従を決めた段階で、既に上杉の進む道は決まっていた。
上杉景勝の考えは、武力をもって天下を平定するという考えよりも、自らの領地・領民を守ること、
それが「第一義」だったのだろうということだ。
史実がどうかはわからないが、もはや謙信と信玄が川中島で争ったような時代は終わっているので、
この考えは賢明だと思える。

さて今回のMVPは、仙桃院(仙洞院)。
 なぜか今回は、仙桃院の臨終のシーンで、景勝や兼続、お船に残した言葉に感動した。
 我が子景勝と兼続を結びつけたのがこの人であったし、景勝の上杉家継承を謙信の遺言としたのも
 この人であった。
 ドラマの重要な部分で、常に仙桃院が絡んでいたことを改めて思った。

第2位 高台院
 淀の方に、豊臣家を残すために徳川家康に従うよう諭すシーンは印象的だった。
 富司純子さんの演技が素晴らしかったと思う。

第3位 徳川家康
 松方弘樹さんの演じる徳川家康は本当に毎回楽しませてくれる。
 同じくブラック遠山康光との「国家安康」「君臣豊楽」の意味を巡るやり取りや、それを大阪城を
 攻める口実にしようと転げ回って喜ぶあたり、楽しませてくれます。

 最終回には、また八海山も画面にそびえる。
 
その前に 第46回 「大阪城炎上」を楽しもう。

天地人 第44回 「哀しみの花嫁」

2009年11月01日 | 天地人
「絆とは相手に何をしてあげられるかを思い続けること」・・お船

直江家は長女お松の婿養子として、本多正信の次男政重(勝吉)を迎える。
直江家を徳川の重臣本多家に差し出すとともに、上杉家中や米沢の状況を徳川家にさらすことでもある。
兼続の「愛」が、領国の民を守りぬくという使命に全て注ぎ込まれているという証を示すことでもある。

今回のストーリー展開は絶妙、長女お松の人生の儚さを描きながら、上杉家・兼続の米沢の民を守ると
いう国作りを主体に、鉄砲の製造を進めるというしたたかな一面をも描いてみせる。

今回のMVP   お松
 長女お松の薄幸で短命な人生の描写は、その勝吉や父母への純粋な思いと共に、感動させてくれた。
 病気をおして夫勝吉のために小袖を縫い続け、幸せだったと言い残して逝く展開は涙をさそう。
 毒が入っていないかと不安がる勝吉の酒を自ら飲み干して、勝吉を安心させようとした祝言のシーンも
 良かったと思う。

第2位 勝吉(本多政重)
 兼続の、米沢に残り直江家に留まる願い、を聞き入れた勝吉が第2位。

第3位 直江兼続
 治水や産業の振興を進める兼続だが、しっかりと領国の防衛にも力を注ぐ。
 天下国家よりも領民のために働くことに、自らの運命を見いだしたようだ。
 いきなり来訪した政宗が生まれ故郷である米沢の変貌を目の当たりにして、兼続らの国作りを
 誉めた言葉に進むべき道を見いだした。
 政宗が送ることを約束した米沢の治水をよく知る者とは、政宗自らのことだったところも面白かった。
 
さて来週は 第45回 「大阪の陣へ」
 豊臣攻めへの家康の出陣の命に対する上杉の答えは・・。

天地人 第43回 「実頼追放」

2009年10月26日 | 天地人
長女お松と本多政重の婚儀をめぐる、何とも重苦しい展開の回。
上杉や直江家のことを思ったとしても、実頼の婚儀を断る行為はなんとも理解しがたいが、それによって、
実頼は高野山へ追放される。
実頼を挑発する福島正則もなんとも単純すぎる・・。

MVP  直江兼続

 弟の不始末を率直に詫び、本多正信との信頼関係を損なうことをしなかった賢兄直江兼続に。

前回は見ていないのだが、景勝の正室菊の方が亡くなって、側室を持ち、子どもが生まれる。
そしてその側室も他界し、お船が母代わりとなる。
米沢への移封後、国造りにあわただしい中で、様々なことが起こる。
静かな展開なのだが、上杉家、直江家や兼続にとって試練の日々が続く。

来週は 第44回 「哀しみの花嫁」。

天地人 第41回 「上杉の生きる道」

2009年10月11日 | 天地人
演出 野田雄介

「全国に浪人があふれている・・・」
400年以上前の日本も今の日本と同じ状況にあったのかもしれねい。
政治の責任かも知れない。一方では公家衆はどんな毎日をおくっていたのだろうか?
興味はつきませんね・・・。

今回のMVP 樋口惣右衛門そして直江・樋口家の人たち
 樋口家、直江家の皆さま、みんながMVPを分かち合う感動の回。
 樋口惣右衛門の生き方は武勇の武士ではなかった。
 しかし希代の戦略家であり、そして主君を守り、家族を守る慈愛の人であった。
 義と愛の天地人、その「愛」を担う人であった。

 家臣一同、一人も欠けることなく米沢の地を目指した上杉。
 謙信公の遺骸を米沢の地に移した上杉、安住の地を米沢とした、そしてそれは偏屈なみかた
 かもしれないが、「徳川への服従」を示したことかもしれない。

 加藤清史郎君、今回は竹松君役で、またまた泣かせてくれました。
 先週は「柳の下・・」と書いてしまいましたが・・、今回の展開やその演技に涙してしまった。
 
 ありがとう!!樋口家の皆さん、「今回は越後の民のおおらかで鷹揚な、でもシッカリとした人柄」を
 改めて、教えていただきました。

今回はナンバー2、3はありません!

さて次回は、第42回 「将軍誕生」

来週は、ブラック家康の回かな。
上杉家奥方 菊の方も気になります・・。

天地人 第40回 「上杉転落」

2009年10月04日 | 天地人
演出 野田雄介

みながら思わず力の入った第40回「上杉転落」。
悔しい展開だが、しかし上杉の「義」と「愛」の精神は、決して消えることなく生き続ける。

今回もMVPから

MVP  直江兼続
 本多正信を訪れた兼続、「本多家に我が直江家を差し出しまする」、この一言の意味を巡って、
 上杉の運命を決するドラマが展開する。
 その展開は「家族や家臣をはじめ多くの人を巻きこみ、厳しくも未来をしっかり見つめる兼続の覚悟」
 を見事に描き出し、大きな感動を与えてくれる。

第2位  一人も去る者なく米沢を目指す家臣団
 「禄高など二の次、上杉の家臣であることこそ我らの宝でござる」
 この一言にも大きな感動を覚えました。

 上杉の「義」は、一昨年の「風林火山」でも、謙信を通じて描かれました。
 「この世は本来あるべき姿で秩序を維持し、平和と調和が保たれていく、その調和を保つことこそ
 上杉の義」と私は受け取っているのですが・・、それは古来変わらぬ日本・日本人の権力観・権威観でもあるのでは?
 ・・少し抽象的な表現ですが、これ以上書きません・・。
 
第3位 お船
 上手い言葉が出てこないのですが、嫁さんにするなら、お船みたいな女性と世の男性の多くは、
 今回のお船を見ていて思うのではないか?
 (そこまでは考えないかな?)
 原作のお船よりも数段素晴らしく描かれています。
 小松脚本の本領発揮。
 ・・でも悲しいね。

今回はオマケで、ブラック遠山様に。
まあよく出てきますね。こちらは大歓迎なのですが・・。
ようやく北条や景虎の無念を晴らすことが出来ると思ったのか、大ハッスルでした・・。

今回の淀の方・深田恭子さんは、意外と印象に残らない方もいると思って見ているのですが、これがどうして
凄いなと思ってみています。
今回も、秀頼が家康に、上杉を残すように指示するのですが、淀の方の柔らかな物腰とこの秀頼のセリフが
好対照で、親子のコンビネーションが見事決まった瞬間!と思えて、裏を考えると「さすが淀の方!」と
私は手を叩いてました。

さて、来週は 第41回 「上杉の生きる道」
毎年の事なのだが、大河はこの時期なるとみんな年をとって、ドラマもエンディングに向かっていく。
早い話が、ドラマもピークや見せ場を終えて、主演者や脇役が年をとって、人生の終末に向かうということだ。
でもこれからの流れが、毎年実に感動的で楽しみにもなるのである。
期待したい。次回。

天地人 第39回 「三成の遺言」

2009年09月27日 | 天地人
 天下分け目と言いつつも    演出 片岡敬司

今回はMVPから 
 当然だが、石田治部少輔三成

小早川秀秋を通じて、兼続に伝えられた「なにとぞ生きて、我らの正義を後世に伝えよ」
今回の最高のセリフだった。
シンプル過ぎるといっても良い筋書とセリフなんだが、妙に印象に残る。
前回そして今回、小栗旬演じる三成が主役の回だと思うのだが、これまででも最高と思える程面白かったし、
小松江里子が描く石田三成に感動しました。

第2位 ブラック徳川家康

ベテラン松方さんの演技は素晴らしい。憎たらしいよね。
でも希代の策士の面目躍如、小松さんのシナリオもとても良かったと思う。

第3位 第3位は景勝正室 菊の方

凛とした姿は、さすがに上杉家の奥方である。

小早川、福島の心情も、捕らえられた三成や上洛した兼続とのエピソードを挟みながら、上手く描かれていて
ドラマの流れを面白くしている。
三成や兼続が標榜する戦のない平和な日本をつくることは、何年か後に敵役徳川家康によって成し
遂げられるわけだが、豊臣政権の存続の上でそうなったとしたら、また違う日本の姿があっただろうと、
ドラマを肴にそんな思いを巡らせてみるのも一興か?

実は今一昨年の大河「風林火山」をレンタルでみている。
内野聖陽演じる山本勘助を、私的な事なのだが、今一度じっくりみる必要があったのと、武田晴信を
はじめとした登場人物達の生き方やセリフ、ドラマで描かれる様々な戦略なども、みたくなったからだが・・。
はからずも「天地人」と重複してみているわけだが、こちらもかなり面白い。
登場人物のキャラクターを存分に描き出してみせてくれる技は、「風林火山」のほうが「天地人」の上を
行っているかもしれない。

見る人によっては、オーバーに感じる部分も多くあるかもしれないが・・。

加藤清史郎くんが久しぶりに、兼続・お船の長男の役で登場しましたが、正直なところ、柳の下の
3匹目のドジョウを狙っているようで、私的には少し白けてしまった。

さて次回は 第40回 「上杉転落」、上杉家にとっては厳しい展開だが、上杉家永住の地となる米沢が
兼続を、お船を待っている。
 

天地人 第38回 「ふたつの関ヶ原」

2009年09月20日 | 天地人
演出 片岡敬司

関ヶ原の戦いは迫力あるロケ映像とCGの上手い組み合わせでした。
大阪に向かって進軍を続ける徳川家康の東軍7万5千、これを待ち受ける石田三成西軍は10万の軍勢、
関ヶ原で激突、西軍圧倒的に有利な戦闘状況で戦は進む。
しかし秀吉の義理の息子、小早川秀秋の東軍への寝返りで形成は逆転、毛利軍は動かず、結果は
三成方西軍の敗北で勝負は決する。

時を同じくして、出羽では上杉軍が長谷堂城を攻めようとしていた。
明朝一気に城攻め
を開始しようとする上杉軍に石田軍の敗北の知らせが届く。
同じように対峙する最上軍、伊達政宗にその知らせが届き、伊達政宗の参戦が確実になれば、上杉軍
といえども対抗するのは無理である。西からの攻撃もあるかも知れない。
上杉軍は会津への撤退を余儀なくされるが、そのしんがりを兼続がかってでる。

以上のような展開、みどころは多かった。
関ヶ原は、俳優陣の充実した演技の素晴らしさ、戦闘シーンの迫力やわかりやすさなど、面白く見る
ことができた。
ブラック遠山康光の登場も、私的には大歓迎だ。期待通り、こうでなくちゃ。
ブラック総本山家康の憎たらしさも存分に楽しませてもらった。
やはり小物であった小早川、関白よりも2カ国の加増を選んだと言うところで、豊臣秀次の悲劇を挟み象徴的。
家康の鉄砲玉の催促で、裏切り攻撃を敢行、らしさがよく出てました。

今回のMVP  三成を支え続けた 島 左近
 三成の弱さは余りにも固い理論派でファジーな人間味のなさ、キレすぎるところか。
 やはりナンバー2の男だったのだろうと思わせてくれる。
 三成を支え続け、大阪城に帰り体制を立て直すこと、上杉もいることを進言し、三成を逃がすため
 の犠牲となる。
若林豪さん演じる島左近、今回しか目立たなかったが、私は文句なくMVPだと思う。

第2位 大谷刑部&宇喜多秀家
 「天地人」なので、私は当然石田三成方に味方、命をかけて戦った猛者振りに感銘。
 大谷刑部は自らの首を地中深く埋め、敵に見つからぬようにと部下に言い残して散る。

第3位 ブラック遠山康光
 今度はこともあろうに家康の配下として登場。
 家康の小早川への使者としての登場だが、老いてもブラック度は健在。
 今は亡き上杉景虎の遺志など意にかえさない、北条生粋のブラック度、これも楽しませてくれます。

小栗旬さん演じる石田三成のファンである私としては、いささか悔しいが歴史の事実は変えようもない。
「天地人」の石田三成は、やや神経質な感のあるキャラクターだったが、充分に楽しませてもらいました。
来週最後を迎えると思うと残念だが、信念を貫き通して散って欲しい。

さて、来週は 第39回 「三成の遺言」もう9回を残すのみとなった「天地人」だが、関ヶ原の後9回もあるのか、と思うところもある。
今後はどんなドラマ展開で楽しませてくれるのだろう。
そう言えば、兼続・お船の長男の役で、加藤清史郎君も登場の予定でしたね。

天地人 第37回 「家康への挑戦状」

2009年09月14日 | 天地人
演出 片岡敬司

家康・堀氏らの陰謀で豊臣への反逆の疑いをかけられる上杉。
兼続は上杉家には豊臣家への反逆の意思などないこと、内府家康の所行に対する批判をこめた直江状を
したため、家康におくる。
このあたりの直江状を巡る展開は、わかりやすく描かれていて楽しめる。
直江状に逆上する家康は10万の兵を引き連れ、上杉討伐に向かう。
これに呼応し、家康が不在の大阪で三成は毛利元就らと10万の兵で挙兵する。

家康軍を待ち受ける準備万端の上杉、しかし背後に迫る最上氏や伊達氏にも応戦しなければならない。
家康は大阪での三成の挙兵を受け、上杉討伐を中止、西へ向かう。
三成の西軍が関西を制圧する間、上杉と家康の東軍の戦いが、どうしても必要だったのかもしれない。

引き返す家康軍を追撃するよう兼続をはじめ重臣達は景勝に進言するが、景勝の指示はノーである。
実際の歴史的な事実はどうなのかはさておいて、「天地人」のストーリー展開で、この景勝の判断
の場面が最も大きなもののひとつだ。
「背後から攻撃することは、上杉の義に反する、必ず報復がくるだろう」「国を守ることこそ最大の使命、
背後には最上・伊達が迫っている」等々も大きな理由だと思うが、「ここで家康に決着を付けねば、
後々の豊臣政権による国作りが危ういものになる」「もし家康軍が三成軍に勝利したら、上杉家の存続に
かかわる事態になる」云々・・。
様々な思いがあったのだろうと思うが、景勝は家康への追撃を断念する。

兼続が投げはなった槍が、兼続の思いを表しているようだ。

今回のMVP 直江兼続
 「もし・・たら・・、・・れば、・・かもしれない」は、禁句だが、あえて兼続の意思通りに上杉軍が
 家康軍を追撃していたら、家康軍に勝利したら、この国の歴史はどうなっていたか?
 そんなことを誰もが考えると思う。
 敗北すれば会津を失うどころか、上杉家そのものも消滅するわけで、ひとつの賭なのだが。

第2位 上杉景勝
 国を守る将として、景勝は苦渋の決断を下す。
 よく考えると、景勝はこれまでの上杉家の豊臣家への忠誠や義を重んずる一貫した姿勢に裏打ちされた
 判断を下しているわけで、矛盾はなく、誰からも付けいる余地はない。
 国や民を守る将として、当然の判断を下したとも思える。
 むしろ、表向きの権力争いから一線を画し、先を見越した判断のように思える。

片岡敬司氏の演出は、もう少し重厚感が欲しいと思えた。
面白いと2度3度と繰り返してみたくなるのだが、今回も1回みて、オケーだった。

さて来週は、いよいよ天下分け目の関ヶ原、北の地では上杉軍と最上軍の戦いとなる。


 第38回 「ふたつの関ヶ原」、もう残すところ10回となった。