日本でのタイトルは「グレート ビューティー 追憶のローマ」。
8月にロードショーが決定していますが、
大阪ではイタリア共和国記念日祝賀行事として無料で先行上映されたので
行ってきました。
太っ腹のイタリアに感謝です。
142分の上映時間だということや、あらすじもちょっとは知っていて、
まったく眠くもならなかったけれど、お話の切れ目が多かったと思います。
「あれ、ひょっとしてここで終わる?」と思ったらまた続くのです。
(実際 数あるイタリア映画の中にはここで終わらなくてもいいのに、
あっけなく終わってしまうことが。ああ、十分納得して終わりたいなと
何度思ったことでしょうか。)
その何回もの繰り返し、よく変わる場面についていけないような、
刺激的なのか、退屈なのか、そのどっちでもあるような、
フェリーニの「甘い生活」を時々思い出しながら、
不思議な気持ちでじっと観ていました。
私にしては珍しく眠くならなかったのは 美しい音楽と、
きれいなカメラワークのローマの風景。
それは最後まで続きました。
特にエンディングロールには魅せられました。
テヴェレ川をポンテシストからサンタンジェロ城まで、
水面をゆっくりゆっくり低いアングルで滑るような感じで終わるのです。
ロードショーで観る予定の方、決して、さっさと席をたって帰ってしまわないように。
映画の中はとにかく「ローマ」がいっぱい。
撮影所でのセット撮影は、もしかしたら全然なくて、ほとんどのシーンが
ローマの街のどこかで撮影されたのではないでしょうか。
今 ローマではロケ地を巡る「ラ グランデ ベレッツァ」ツアーが
賑わっているとか。
ネットでもロケ地探しの記事が面白いほどありました。
わかりやすいのが
こちら。
記事を辿っていくと、ほんの数秒のシーンでも美術館だったり、
貴族のお屋敷だったり、有名なレストランだったりします。
ずっと気になっていたチラシの彫像と主人公が座っている大理石の椅子。
やはり合成でした。
彫像はカピトリーノ美術館
musei capitoliniの中庭にある Fontana di Marforio。
白い大理石の椅子はエウルのSalone delle Fontaneのアトリウムという具合。
そのひとつのシーンがジグソーパズルのようにいっぱい集まって、
この映画ができているのですね。
ま、実際のローマは 劇場そのもの。
以前訪れたことのあるカピトリーノ美術館にも、
もう一度行きたくなってきました。