Dalla Cucina

イタリアの旅の記憶を中心に
あれこれ書いています。

憧れ☆有元葉子の「ためない暮らし」

2012-03-30 01:15:00 | ☆イタリア 記憶の風景


 「春」・・・・
 ちょっと変ですが、私はなぜか家を片付けたくなって仕方がないのです。
 これって人間の本能?

 ひょっとして出版社はそれがわかっているのでしょうか、
 書店にはブームでもある「片付け」「整理」「捨てる」という本たちや、
 「すっきり収納」「感じのいいインテリア」「ガーデニングの楽しみ」みたいな
 雑誌が目立っているような気がします。

 で、買ってしまいました。↑の「ためない暮らし」有元葉子著(大和書房)
 そして一気に読んでしまいました。

 といっても彼女の本は字が大きく 余白も多く 料理や彼女自身のライフワークの
 写真も多いので本当にすぐに読めてしまいます。

 しかし読み終えるのは早くても、彼女が実践している「ためない暮らし」を
 私が実行するのはうんと大変そう!

 『「ためない」とは、毎日の暮らしについてまわる汚れやいらないものを
 ためない工夫に始まり、今手元にあるものを十分に使い切る、ということに
 通じます。』と 著者。
 体の中も、家の中もすっきり、厳選して循環させる、というわけです。

 「ははあ(ひれ伏す感じ)、なるほど 有元さま、その通りでございます。」と
 思うのですが、プチ断捨離を何度か実行しても まだまだ片付かない我が家。

 その原因のひとつ、それは捨てられないたくさんの「本」。

 今回読んだ「ためない暮らし」の著者の有元葉子さんは料理研究家、
 イタリアにも家を持っていらして、日本でも大活躍、何冊も本を出されています。

 それぞれの本は似ているようでも、何かしら新しい発見があります。
 なので、ついつい私は また買ってしまうというわけです。
 



 ↑昨年訪れたアッシジの夕景。彼女のイタリアの家も同じウンブリア州とか。

 


 


 ↑ こちらは夜明けのアッシジ。
 
 私の場合、旅でしか訪れられないイタリアの地に彼女は自分の家を持ち、
 そこで料理もし、暮らしているのです。(ずっとではないでしょうけど。)
 そしてその暮らしぶりを私たちに伝えてくれるのです。

 決して彼女にはなれないけれど、
 本のあちこちからイタリアの風を感じたり、日本の良さも再発見することができます。

 
 有元さん、
次の本ではどんな刺激を私に与えてくれるのですか?

 また 貴女の「本」がたまってしまいますよ~。notease2



 
 
 
コメント (2)

片岡球子展☆生命(いのち)あふれる

2012-03-27 00:33:00 | ☆レストラン

 
  「香雪美術館」 は朝日新聞社の創業者・村山龍平氏が集めた
 日本・東洋の古美術品などを収蔵している美術館です。
 阪急御影駅から近い 石塀に囲まれた大きなお屋敷の一角にある
 こじんまりとしたその美術館で催されている「片岡球子特別展」に行ってきました。

 草間彌生さんもそうですが、この片岡球子(かたおかたまこ)さんも
 絵チカラ(こんな言葉があるのかどうか?ですが・・・)がスゴイ!

 ↑は球子さん96歳の時の作品です。
 103歳で亡くなられたのですが、最後の作品はなんと100歳のとき。

 晩年の作品になるほど、力強く自由な構図や色使いに満ち、
 まさに「いのちあふれる」というタイトルがぴったりでした。

 

 もしJR住吉駅から歩いて「香雪美術館」に行かれるのなら
 ↓の大きなお屋敷が見えるところで立ち止まってください。

 


 手前に↓のような公園があります。



 ↑の石塀に沿って左へ行ってください。
 入口は次の角を曲がったところです。

 雨男で歩くスピードが速い我がダンナを追いかけて石塀に沿い、まっすぐ進んだため
 すっごく遠回りをしてしまいました。



 ↑の看板を見つけたのは大回りした角を二つ曲がったところ。



 ↑振り返ると趣のある石塀の道。



 ↑ そして着きました。
  「香雪美術館」はこちらが入口。はい、石塀をほぼ1周したことになります。


 


 一番↑の半券の地図には入口の場所がありますが、
 これは到着しないともらえないですよね。

 なぜか最初の石塀には、なんの表示もないのです。
 環境を配慮してのことでしょうか?
 JR住吉から行く人は、公園を見つけたら、石塀に沿って左へ行ってくださいね。

 そしてお昼におススメなのがシェyamato
 
 何年か前、グルメの友人に連れて行ってもらったレストランで、
 そこで食べた「オムライス」が美味しくて、
 もう一度食べたいとずっと思っていました。 
 JR住吉から美術館へ行く途中、本当に偶然に見つけられたのは、
 食いしん坊の神様のお計らいではないかと思うほどです。
 
 静かな界隈ですが、お店の中は満席状態でした。
 かろうじて空いていたカウンター席でオーダーしたのはもちろん「オムライス」。
 とろとろ卵に絶品デミグラスソースがけの小ぶりオムライスは
 初めて食べたあのときと同じ、変わらぬ美味しさでした。
 スタッフも感じが良くて、カウンター越しに見える他のお料理も美味しそうです。

 
 JR住吉からちょっとした坂道が続くこの辺り、
 個性的な雑貨屋さんもあったりでぶらぶら歩きにちょうどいい感じですよ。

コメント

小さなVenezia☆「STABATO MATER」

2012-03-18 01:00:00 | ☆イタリア 記憶の風景


 ピエタ教会の写真を探したら、運河をはさんだ向かいの
「サン ジョルジョ マッジョーレ教会」の鐘楼から撮った1枚がありました。

 ↑はその写真の一部を切り抜いたものですが、
 物語の主人公「チェチーリア」が見ていたVeneziaは、きっとこの反対側の景色。

 でも この本の中のVeneziaは とても小さいのです。

 ピエタ教会の前は「スキアヴォーニ河岸」、
 サンマルコ寺院から映画「ツーリスト」にも登場したアルセナーレまで
 続く私のお気に入りの場所のひとつです。

 教会周辺の写真を織り交ぜて、Tiziano Scarpa著「STABATO MATER」を
 ご紹介しましょう。


 


 物語は孤児の少女チェチーリアが 母に宛てて書く手紙から始まります。
 「Signora Madre・・・」の呼びかけからいつも始まるチェチーリアの手紙。

 ピエタ養育院での日常生活や音楽の話、
 そして幼いときの忘れられない記憶からくる妄想や嘆きが、
 私には重く、溜息が何度も出たことを覚えています。





 その手紙をしたためるために、彼女は夜になると 養育院の秘密の隠れ場所に
 こっそり出かけるのです。
 まだ見ぬ母に自分の想いを伝えるために。



 おっと、これから先は邦訳本の帯にある文章をそのまま掲載します。

 
 「ヴィヴァルディと天才少女との葛藤。語られる『四季』秘話。」

 18世紀ヴェネツィア。赤ちゃんポストに置き去りにされたチェチリアは、
 卓越した音楽的才能の持ち主だった。新任の音楽教師アントニオは
 彼女の優れた才能をすぐに見抜くが、同時に激しい嫉妬にかられる。
 ーーーーー謎の多いヴィヴァルディの生涯の一時期を、養育院で孤独に暮らす
 少女の目から描き、イタリア最高の文学賞に輝いた話題作。



 
 


 ↑隣接するホテル「メトロポール」の有名リストランテ「MET」。

 なるほど!帯の文章って映画の予告編みたいに、ワクワクさせてくれますね。
 ま、その通りなのですが、私が「母」であるからか、
 チェチリアの葛藤や訴えがずしんと胸に迫ってくるのです。




 ↑ お昼「MET」の料理が軽くいただける「メトロポール」のバール。



  

 彼女の世界は養育院と仮面をつけて演奏に行くVeneziaのほんの一部です。
 とても小さく、まるで仮面の中から見る舞台の幕裏のよう。




 著者のあとがきにもあるのですが、、近年 ヴィヴァルディをめぐる歴史小説が
 イタリアや外国の作家により数多く書かれているそうです。
 日本では「ピエタ」(大島真須美著)がそうかな?
 実はこの本も読んでみたいと思っています。

 それからYou TubeでBBC制作のドキュメンタリーを見つけました。
 1時間弱と長いのですが、ピエタ教会の内部やあまり知られていないVeneziaも
 登場し、「STABATO MATER」の背景がわかると思います。
 ぜひぜひ。



 
 
コメント

物語の舞台はVenezia☆「STABATO MATER」

2012-03-16 08:50:00 | ☆イタリア 記憶の風景


 前回の記事「STABATO MATER」についてお話ししましょう。
 
 本「STABATO MATER」の著者はTiziano Scarpa (ティツィアーノ スカルパ)、
 1963年、Veneziaで生まれました。

 2009年にこの作品でイタリア最高の文学賞のストレーガ賞と
 スーペルモンデッロ賞を受賞。
 題名の「STABATO MATER」は「悲しみの聖母の祈り」と題される聖母讃歌で、
 多数の作曲家が曲をつけていますが、Venezia生まれの作曲家
 「Antonio Vivaldi」もその一人です。

 ↑の写真のポスターは私たちがよく目にするヴィバルディの肖像ですが、
 本人かどうかは確実ではないそうです。
 この写真の、この道は 2010年春に実は何度も通っていたのです。
 (宿泊していたホテルが近かったので・・・)

 その時は「なんでこんなところにVivaldiのポスターがあるんだろ?」ぐらいの
 感覚でしたが、あとでこの左側が「ピエタ教会」、右側が現在もあるホテル
 「メトロポール」だとわかりました。
 どうして建物の一部がつながっているかって・・・
 
 それはヴィヴァルディが司祭を務め、音楽を教えていた孤児院の「ピエタ養育院」が
 現在の「メトロポール」の位置にあったからなのだそうです。




 ↑の絵の橋の左が従来の「ピエタ院」



 ↑が現在。

 橋の位置は変わっていませんね。
 ↑の2枚はWikipediaからお借りしました。



 ↑は私の撮影したホテル「METROPOLE」、
 向こうにピエタ教会があって、右に細い通りがあります。
 それが一番↑の写真の道というわけです。





 通りに入り、教会側の壁にはプレートがありました。
 
 前置きが長くなりましたが、物語の主人公が「Vivaldi」というわけでは
 ありません。主人公は16歳の孤児、生まれてすぐこの「ピエタ養育院」の
 いわゆる「赤ちゃんポスト」に置かれて、ここで育った少女です。

 「チェチーリア」と名付けられました。

 ・・・次回へ続きます・・・
 
コメント

イタリア語の本☆迷った末の読書法

2012-03-12 00:44:00 | ☆イタリア 記憶の風景





 実は我が家には、この先私が一生かかっても読み切れないほどの
 イタリア語の本があります。
 旅先の本屋さんで買ったものから、今では簡単に取り寄せることができる
 インターネットの本屋を通してイタリアから買ったものまで。
 中古もあれば、漫画もあります。
 これは ただ単に本を買うのが好き、という困った私の性格からなるもので、
 実際完全に読み終えたのは5冊のみ。(そのうち2冊はマンガ・・・)

 では 全然読まないで置いているだけかというと、それはなく、
 まず少なくとも最初の1ページは全部読んでいるのです。
 が、あとがどうも続かないんですよね。

 もちろん読解力のなさや語彙の少なさにもよるところが大いにあるのですが。

 ある人は「単語がわからなくてもとばして読み進めて、もう一度読む」といいます。
 なるほど、日本語ならいちいち知らない単語を調べるようなことはしない私、
 読み終えたとき、あのページのあのことばがわからなかったなあ、ということさえ
 忘れても、読後感は残っているものです。

 でも母国語でない本を読むときは、知らない単語を調べるだけでは
 前に進まないことがあります。
 私の場合、たとえ少しずつ、読みすすめても これで、この解釈で正しいのだろうかと
 思い、多分本の面白さもわからないでいるのでは、などと考えるようになります。
 

 で、いろいろ自分なりに考え、翻訳本と同時進行で読むことを試してみたのです。

 ↑の 左がイタリア語の原書「STABAT MATER」(Tiziano Scarpa)著。
    右が日本語翻訳書(中山エツコ)訳です。

 比較的やさしい文章が続いていたので、あるところまでは原文で読んでいたのですが、
 想像や葛藤などの場面も多く、もう一度初めから少しずつ 翻訳本と照らしあわせて
 読んでみました。

 すると、もやもやしていた疑問が晴れ、一気にいろんなことが理解できるように
 なってきました。
 翻訳者に感謝です。
 (翻訳って大変な努力の積み重ねの結果だと承知しています。)
 
 
 こうして読みすすめていった2冊の本、昨日めでたく終了しました。

 この読書法、翻訳本あってのものですが、しばらく続けたいと思っています。
 ただの答えあわせにならないように、気をつけながら・・・

 
 
 
 
 
 

 
 
 
 


コメント (2)