朝早くアパートを出発してあちこち寄り道しながらたどり着いたのは
サンタ チェチーリア イン トラステヴェレ 教会。↑
Basilica di Cecilia in Trastevere
すでに高くなっている夏の日差しが目にまぶし~い。
でも、まだ午前中なのです。
2006年にも訪れたこの教会、
正面のアルターレにある聖女チェチーリアの白く横たわる彫像
(Stefano Maderno 作)が痛々しく、その時はそればかりが印象に残ったのでしたが、
今回も荘厳な内部に圧倒されながらも、
やはり気になるのはチェチーリアの彫像でした。
思えば殉教者はぞっとするような殺され方をされてばかりだなあ。
というわけで、暑さと切なさが先へと私たちを急がせたのか
もっと深くサンタ チェチーリア教会を知るチャンスを逃がしてしまったようです。
帰国後知ったこちらの
サイトで知りました。
復習も大事だけど予習が足りないのが私の旅、また行かなくちゃ。
次にめざしたのは実は↑の教会ではありません。
ただ私たちが歩いている目の前にふっと現れたこの教会に何となく心惹かれ
ロザンナ先生と訪れたのでした。
教会の名はサンタ マリア デッロルト( Santa Maria dell'orto)。
こちらも内部は大きく順番に拝見していたら、まだ新しい肖像画のある
礼拝堂で私たちの足が止まりました。
「この人 日本人っぽいね。」「そうだね、きっとそうだ!」
そこへ教会の管理をしているシニョーレが私をみつけ、
「あなたは日本人でしょ?ならばこれを差し上げましょう」と
肖像画のカードをくださいました。
彼の名は
中浦ジュリアン。
名前はなんとなく知っていたのですが、
16世紀後半、九州のキリシタン大名がヨーロッパに派遣した4人の少年の一人。
彼は帰国後最後まで神父として行動し、日本で殉教した唯一の人物なのでした。
「天正少年使節」という名前はよく知られていますよね。
シニョーレの話によると、
ローマでの滞在中、オスティアの海で船遊びの最中に嵐に遭遇したけれど、
この教会のマリア様の祈りで嵐が収まったのだとか。
その話やこの旅で数日後に訪れたVicenzaにも「天正少年使節」が訪れていた、
というつながりもあって帰国後1冊の本を買いました。
それが「クアトロ・ラガッツィ」(若桑みどり著:集英社)
なんとこの本、550ページもあるのです。
しかも挿絵がない!(あると思ってたのに~)。
どうしても最初から読みたくて、でもなかなか進まず、
私の「クアトロ・ラガッツィ」は、まだ日本を出発しておりません。
そして、ローマの街歩きはまだまだ続きがあります。