帰国してからわかったこと・・・・
彼女は貧血だった、ということ。
そして、イタリアでは(ヨーロッパではか・・・)、マスクをかけていると
伝染性の病気を持っているのでは?と疑われること。
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お話を再び救急車到着に戻します。
まあ、聞いてください。
相棒はしぶしぶ救急車に乗り込みました。
それじゃあ、私もいっしょに付き添わなくちゃと同乗しようとすると、
救急隊員に断られたのです。
「彼女はイタリア語を話せるのか?」
「はい」
「じゃあ、貴女は乗ってはいけない」
「え~っ、そんなあ。どうしよう・・・・」
そこへ、救急車を呼んだシニョーラ登場。
「大丈夫、私の車で行きましょう。車はそこにあるの。」
「あ、ありがとうございます。」
親切なシニョーラの車には、もうひとりシニョーラが乗っていました。
お友達のようで、彼女も心配そう。
車は救急車を先導するかのように先を走ります。
「貴女は彼女のお友達?心配だろうけど、落ち着いてね。
私は看護士を25年やってきたからよくわかるのよ。」
と、シニョーラ。
どおりで・・・車は病院に救急車より早く到着しました。
「それじゃあね。よく先生に診てもらってね。」
「ありがとうございます。ご親切感謝します。」
と、救急車を待つ私。←へんな感じ。
やがて、救急車到着。
彼女は車内でもいろいろ聞かれ、検査もされたらしい。
「なんでマスクをしてる?」
「寒かったから」
「なんで救急車を呼んだんだ?」
「親切なシニョーラが呼んだので、私じゃあないんです」
とか、いろいろ。
その後のドクターの診察(その診察までが長かった~)でも、大した問題なく
「はい、帰ってよろしい」。
でも相棒の体調はよろしくないようで(貧血がわからず)、
ホテルに戻ることにしました。
病院からタクシーでホテルサンドメニコまでほんの数分。
あのつらい坂道とはちがう大きな道を通り、玄関へ楽々辿りついたのでした。
「やっぱり、最初タクシーで来るべきだったね」
「なんか食べる?」夕食の時間帯はとっくに過ぎています。
「暖かい飲み物となんか軽いもの、果物とか・・・」と、相棒。
よっしゃ!まかしとき、と一人で部屋を出たものの
「ルームサービスなかったしなあ、どうしようかなあ」・・・
と、フロントへいく途中ワゴンをガラガラと押すホテルの人を発見。
ワゴンにはりんごとチョコレートが乗ったお皿が・・・
すでにシーンとしたフロントにはレセプショニスタがただ一人。
「すみません、さっき、りんごを乗せたワゴンを見たのですが。
私たちの部屋にもあのりんご、いただけますか?
それから、何か暖かい飲み物を。友達が気分が悪くて病院へ行っていたんです。」
「わかりました、お持ちします。飲み物はミルクでいいですか?」
と快く作ってくださり
それを持って部屋に帰るとりんごとチョコレートのお皿はすでに到着していました。
各部屋に届けられるもので、どうやら入れ違いだったようです。
そのりんごのおいしかったこと!(その日の晩御飯です)
でもあれは何だったのだろう?
チョコレートには「おやすみなさい」の文字が刻まれていたから
ウェルカムなんとかのかわりの「お休みりんご」?
その訳を聞くのを忘れてしまったことが今でも気になっているのです。