ミラノからゆっくり1時間ほどで行けてしまうコモ湖。↑
ロザンナ先生とのミラノ滞在は6日間,たっぷりあるじゃあないの。
ツアーで北から南まで6日間のイタリア旅行なんてのもあるくらいだし、
余裕余裕・・・
そうそう、せっかくコモ湖に行くなら静かな平日に行こうと後回しにしていたら、
何かと予定がはいり、選択肢はこの日一日だけとなってしまいました。
それも晴天続きだった連日から、この日は朝からどんよりとした曇り空、
天気予報では「山沿いは雨」とのこと。
「どーする?」
「今は降ってないね。」
「コモは山が近いから雨かも。」
「でも行っちゃおか、雨なら帰ってくればいいし。」
「そうだよ、夕方はドゥオーモでオペラを観るんだし。」
そう。ドゥオーモ内で上演されるオペラのポスターをみつけ、
好奇心にかられてチケットを買ってしまった私たち、
コモ湖にもそんなに長くはいられないのです。
それなのにコモ湖から船でさらに奥にあるBellagioへロザンナ先生をお連れしたくて、
やっぱりがんばって行ってみることにしたのでした。
コモ湖に電車で行くには中央駅から行く方法と、
カドルナ駅(ノルド駅)から行く方法がありますが、
私たちのアパートはカドルナ駅に近いので、後者を選びます。
↑ カドルナ広場にある駅(右側方向)。
左側にあるモニュメントは「糸」と「針」を表しているのだそう。
最近日本への帰国便はリナーテ空港から乗り継ぐことが多いのですが、
マルペンサ空港からならカドルナ発の「マルペンサエクスプレス」が便利で楽ちんです。
さて、出発は朝早かったので、朝食は駅のバールで買ったコルネットとカップチーノを
電車の中でいただきます。
コモ ノルド ラーゴ駅まで約1時間。
時間は中央駅からより、ちょっと多目にかかりますが、降りればすぐそこがコモ湖畔。
中央駅からだと、コモ サンジョバンニ駅から湖畔まで15分は歩かなければならないし、
連絡船の乗り継ぎもカドルナからのほうがスムーズです。
なんか、よく知っているみたいでしょ?
実は 以前中央駅からコモに行ったことがあるからなのです。
それはまだまだイタリア初心者だったころのこと。
(今もベテランとは言えませんが・・・)
コモ湖の連絡船乗り場でもモタモタして、Bellagio行きを特急便で行き、
帰りを各駅停車に近い便にしたのでした。
これも反省。
天気の安定している確率の高い午前中、ゆっくりとクルージングし、
(湖畔の小さな街に停まるため、美しいvillaや教会の景色が近くで楽しめます)、
帰りは時間にあわせてビュンと帰ってくるのがおすすめです。
(日帰りの場合です。本当はせめて1泊したいな)
それでは乗船します。Bellagioまで約2時間、
あいにくの曇り空ですが、雨はときどきパラパラ程度でなんとか持ちそう。
晴天だったっらもっときれいなコモ湖の、曇り日の写真をどうぞ。
船は風を感じる2階が人気です。
しばらくすると、団体さんご一行が大柄なガイドさんと二階にあがってきました。
どうやらアメリカ人の団体さんのよう。
ガイドさんのお仕事が始まりました。
コモ湖案内です。
彼女はよく通る大きな声の持ち主で、マイクもないのに
「左に見えますのは・・・・」(ほとんど左ですが・・・)
と、始まり、
「墓地でございます。コモ湖のVillaの購入は無理でも
皆様、こんな眺めの良い場所での土地はいかかでしょうか。
ご購入のご希望があればぜひ私に御申しつけくださいませ~」
などとみんなを笑わせます。
言っておきますが、彼女はこの船のガイドではなく、
アメリカ人の1団体のガイドさんなのです。
極めつけの案内は・・・
「コモ湖にはハリウッドスターの別荘も点在します。
皆様 ご存知のジョージ クルーニーの別荘もこのあたりにありましてね。
ハーイ! ジョージ!来てるの?
私はここよ! ジョージ~~!」と手を振り、叫ぶのです。
いつのまにか2階席は笑いに包まれ、彼女のトークに耳をすませる人多数。
私たちもそうでした。
後ろに日本人の小グループもいて、日本語でガイド的な話をしている人もいたけれど、
その人たちもいつしかこのアメリカのガイドさんに心をうばわれた様子、
じっと聞いているのがわかるのでした。
でも日本人のガイドさんなら、ふつうの乗合船なので大声の案内は遠慮するかもしれないな。
近頃イヤホーンでグループの人だけに聞こえるシステムもあることだし・・・
でも彼女は自信満々。
すべての人を引き付ける話術と、風にも負けない大きな声で堂々としていました。
↑は映画の撮影で有名なVilla del Balbianello
ヴィッラ デル バルビアネッロ です。
「スターウォーズ ・エピソード2」、「007 カジノロワイヤル」などなど。
こちらで撮影があったなんて何も知らなかった初めてのコモ湖でも
船から見たこのVillaが特に印象に残り写真を残していました。
「この景色どっかで見たよ」
「あれ、私も見たことある。どこやったかなあ?」
「ひょっとして映画かも・・・」
と、ずっと心にひっかかっていたダンナと私。
検索しても、今のようにサクサク結果が出てこなかった時代、
やっとその映画が「スターウォーズ」だったことがわかったときは
謎解きができたみたいで嬉しかったなあ。
「は~い、皆さん、私たちはここで下船します。」
と、アメリカ人ご一行は私たちの目的地Bellagioの手前のTremezzoで
降りました。
し~ん。
彼女のトークが聞こえなくなると、しばらくして残った人の話し声が聞こえてきました。
みんな、それほど聞き入っていたということでしょうか。
ここで降りた人が向かう先はきっと↑のVilla Carlotta
ヴィッラ カルロッタ。
時間があれば、ここもぜひ行きたいところです。
あ、心配していた雨がポツリポツリと降り出しました。
(次回に続きます)