刑期を終えて早5年になるが、人生を刑期に例えると、生まれてから大学卒業までは、勉強という試練はあるが、自由気ままなシャバの世界。22才から就職すると、そこから長い刑期が始まる。60才定年とすると、懲役38年となる。
服役生活は、収入もあり3食付で生活は安定しているが、決まりや制約事項も多く、課せられた仕事をこなすのに精一杯で、好き勝手に遊ぶ自由になる時間が限られる。優良な服役者は、刑期を迎える前に、シャバに出ることもできるが、シャバに出ると自由な時間はたっぷりあっても、3食付の安定した生活が保障されているわけではないので、それなりに勇気もいる。
また、刑期を終えても、安住した服役生活に慣れてしまい、シャバに出る時期を遅くする人がいるが、自分の経験では全く理解できない。服役中にきちんと仕事をせずに、蓄えもあまりなく、刑期を遅くせざるを得ない人はある意味では可哀想である。
人生80年としても、刑期を延ばす人は、シャバの世界での自由な生活期間を短くするだけである。やっとシャバの世界に戻り自由を得て、やりたいことをやろうと思った時は「時すでに遅し」で、病に倒れたり、恍惚の人になるのが落ちである。回りを見ても刑期を終える前に、また、終えた直後に亡くなる人も少なくない。
「やりたいことは先延ばしにしないですぐにやる」これが今実感していることである。明日はどうなるかわからない年になっている人は、ぬるま湯の安定した生活を卒業して、1日でも早く刑期を終えることである。現在まだ服役中の人は、頑張って仕事に励み、1日も早く刑期を終えることをめざすべきである。
刑期を終えて早5年になるが、もっと早くに終えることができたらよかったのにと後悔の念もある。年金以外に収入はなく、3食付の安定した生活とは言えないが、好きなことを好きな時にやれる今が人生で一番いい時であると実感している今日この頃である。