最近、東京オリンピック時の暑さの関係でサマータイム導入が議論されているが、あらゆる面で導入はマイナス効果のみで、議論することも論外である。
議論のきっかけがオリンピックのマラソンというのも極めて違和感がある。まず、オリンピックを真夏の東京に誘致したこと自体が問題で、1964年東京にオリンピックを10月に誘致した先人達がいかに賢明であったかを痛感する。真夏に誘致しておいて、暑いからサマータイム導入とは本末転倒である。思いつきでサマータイム導入を提案する森喜朗氏を初めとする組織委員会のメンバーの見識を疑う。
提案が世の中に公表されてから、各界から反対の声があがっているのは当然とことである。医学界からも大反対の声があがっている通り、医学的にもマイナスだし、省エネの観点からもマイナス、経済効果もマイナス、コンピュータ業界からも大反対の声があるし、オリンピックのために日本人の生活が混乱させられるのはどうしても納得がいかない。準備期間も短いし、トラブルは必至である。ヨーロッパでの自分の経験でも、ビジネスから日常生活まで、あらゆる分野で切り替えの日のトラブルは計り知れない。慣れているヨーロッパ人にとっても切り替え日は要注意である。
猛暑の中、マラソン競技でトラブルを起こすことも避けなければならないのは当然である。その対策としては、スタート時間を2時間早めればいいだけである。2時間早めることにより、一部調整する事項も生じるとは思うが、サマータイム導入と比較すれば、天と地の違いがある。提案している連中に猛省を促したい。テレビでもいろいろ取り上げられているが、無駄な議論で、早く撤回すべきである。暴走する安倍政権のもとでは、導入してしまう恐れもあるので、国民的な反対の声をあげる必要があるかもしれない。