奇跡の救出劇が終わり、元気に職場に復帰したという報道のなかで、課題が浮き彫りになった。
速やかな賃金支払いと安全対策の向上を求めているという。
33人が救われたという裏に、鉱山の事故などにより今年で35人の死亡者が出ているという。
企業の利権も絡み、長い間放置されてきた状況を変えるための具体策は、まだないとか。
33人もの尊い命が、世界中が見守り、一人救出、二人目救出、・・・・31人まで救出。あと一人。
と速報も出た、出来事は、多くの人に喜びをもたらし、感動を与えた。
手放しで喜んでいられなくなるのは、そうした感動の後。
「退院しました」との報と同じころに、賃金支払いを求めるという報道があった。
感動の裏にドロドロしたものが、噴き出してくる。
今回は、全員が救出されたけれど、山積みの、問題は、これからのこと。
会社の安全管理や、安全対策がもっとなされていたら、実は、奇跡の救出なんてことは起こらず
33人は、日々平凡に仕事をし、平凡な家庭での生活を繰り返していたかもしれない。
家族と69日も離れることもなかったはず。
天災が人災も加担していたというのは、よくある話。
天災は仕方のないことだけれど、最小限で済むはずのものが、人災も加担すると大きくなる。
4か月もかかるといわれていたのが2カ月ほでで、救われたけれど、それとて、人災がなければ、
2、3日で済んでいたかもしれない。
労働者は使い捨て。というのは、日本の戦前だけの話ではない。
いまだに続いている、労働者の命の軽視。
33人は、たくさんの人の力で救われたけれど、一人の力で命を落とすこともある。
「地球より重い」なんて標語もあったけれど、皆がそう思っていなければ、空論になる。
労働者はコピー用紙と以前思ったことがある。
必要な時は重宝がられるけど、用がすめば、ゴミ箱行き。
鉱山の経営者は鉱山労働者をどう考えているのだろうか。