国家公務員の給与カットについて、
「喜んでいられない事態が来る」との警鐘している人たちがいる。
「公務員は、給料が高い」だから、カットしたらいいという図式で労働条件を変えることが
「民間にも減給の波がくるよ」と言っている。
よく、人権の話に出てくるのは、底上げである。
平等というと、上を下げるというのは、底辺に近付いていくから、いいように見える。
差を減らすときに、ピラミッドを念頭において、頭をカットしても、大勢に差は生じにくい。
底辺を底上げする方が、全体にわたる差が生まれやすいのだが、底辺を黙らせるのには、
上を見ないように仕向ける。
あるいは、上をカットにみせかける。
上をカットして、あまり効果がない時は、中間部へのカットに手を伸ばしやすい。
労働条件は、一度崩れると、なし崩し的になる。
本当に必要な所へは、メスが入りにくいので目にも見えにくい。
水面下でおこなわれる、条件の悪化は、弱いところにすぐ、波及し、じわじわと、中間層へも持ち上がる。
公務員の給与カットが、そのまま、民間に流れていくのは、目に見えている。
結局、「ざまみろ」と言ってほくそ笑んでいるうちに足元の砂がさらさらと流れ始めているという構図。
頑丈な岩盤に立っている人だって、その離れた足元に砂地はありませんか。