ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

笑って済む失敗

2006年04月21日 | 通信-沖縄関連
 フジテレビの『トリビアの泉』で、「料理に髪の毛が入っていたときの対処の仕方」なんてのをやっていた。いくつかの事例が紹介されていて、その中には、「謝るだけでは済まないだろ!誠意を見せてくれや!」なんてことを言う男もいた。いちゃもんつけて、金をまきあげるヤクザみたいである。一般人にもそういう人がいるのである。
 大都会での生活は毎日が競争で、少しでも得をするような心構えでないと生きていけないのだろうか、少なくとも、そう思っている人が田舎よりは多いのだろう。そういえば、東京で車を運転していたらクラクションの音が多く聞こえた。交差点でちょっとモタモタしていると、後からパッ、パッ、パーとすぐに鳴らされる。沖縄では、プッという挨拶の音は聞くが、怒ったクラクションの音はあまり聞かない。時間に対する価値観が、都会と田舎では違うのだろう。ここでも、少しでも時間を得したいという心構えが見える。
 暢気なウチナーンチュは、たぶん競争意識が希薄なのだと思う。そのせいで、県民所得が復帰以降(復帰前はもっと貧乏)、ずっと最下位なのであろう。少しでも得したいと思う気持ちはウチナーンチュにもあるが、多少のことは「まあ、いいさあ」で済ませてしまう気分も大いにある。料理に髪の毛が入っていたとしても、前の車が交差点でモタモタしていたとしても、それはちょっとしたミス。笑って済ませた方があっちもこっちも楽なのである。厳しい金持ちよりも、楽な貧乏がウチナーンチュ向きなのであろう。

 私の使っているフライパンは鉄製である。ちゃんと手入れしているので錆びるということは無い。ただ、焦げ付きやすいので、面倒な事もたまにある。チャンプルーする時など、鉄のフライパンは十分に熱してから油を入れる。油の容器と味醂の容器は同じくらいの大きさで、慌てると間違う。十分熱したフライパンに味醂を入れたことが数回ある。味醂はたちどころに焦げて、フライパンにこびりつく。洗うのに難儀する。
 シャンプーの容器とリンスの容器は、色はちょっと違うが、大きさ形は同じである。そのせいで私は、シャンプーの前にリンスしたことが何度もある。
 まあ、味醂の失敗も、シャンプーの失敗も、まったく笑って済むミス。こういった失敗のことを、私の使っている辞典ではニアミスという。

 ニアミス -迷解・国語大林辞苑より-
 ①ほんの少しの時間差、空間差で、あやうく失敗を免れること。
 「いやー、もうちょっとで危ないとこだったよ。」などと、後から思い返せば笑い話になることも多い。そのことから、
 ②ニヤッと笑ってしまうようなミス。

 記:2006.4.21 ガジ丸