ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

瓦版090 オキナワの三老人と一老女

2009年05月22日 | ユクレー瓦版

 勝さん、新さん、太郎さんによる民謡楽団、トリオG3の初ライブが行われるというので、ガジ丸と私の二匹で、ナハのユイ姉の店に出かけた。テーブルについて、酒を飲みながら演奏を待つ。もちろん、我々二匹は二人となっている。つまり、人間の格好に変身している。マジムンのままでは騒ぎになって、ユイ姉に迷惑がかかるからだ。

  初ライブと言っても、『トリオG3初ライブ』などと大々的に宣伝したり、看板掲げたりしたのでは無く、ユイ姉たちによるいつもの演奏があって、その合間に、
 「今日は、私の友人のウタシャー(歌手)が来ています。民謡グループです。何曲か演奏してもらいましょう。」とユイ姉の紹介があって、ついでという感じで4曲ばかりを歌った。その方が緊張せずに、楽に演奏できるだろうというユイ姉の心遣いだ。

 人生経験豊富な爺さんたちでも緊張するのかと思って、演奏を終えて、我々のテーブルに合流した三人に訊いてみた。
 「いやー、そりゃあ緊張するね。人前で生演奏だからね。」(新)
 「お金を払っているお客さんだと思うと、失敗できないと思うからね。」(太郎)
 「俺も久々に足が震えたな。でも、楽しかったよ。」(勝)
 とのこと。勝さんの言った「楽しかったよ」はよく解る。彼らが演奏している間、私も楽しかった。盛んに声援が飛び、場内が盛り上がったからだ。
 「唄が良いのだ。」とガジ丸は自慢げに言ったが、私の感じでは、爺さん三人が頑張って歌っている姿に、客が暖かく応えてくれたのだと思う。唄に乗ったのではなく、爺さんたちの頑張りに対する声援だ。それで盛り上がったのだ。

 そうそう、ユイ姉の店には今、マミナ先生がいる。バイトという形で厨房を任されている。G3のライブが始まると、彼女も手を休めて我々の席に加わった。
 「やー、久しぶりだね。元気そうだね、上手くやってる?」と訊いた。
 「久しぶりって言ってもまだ一ヶ月だよ。やっと慣れてきたかなって感じ。店の仕事はね、普段やっていることと大きな違いは無いんだけどね。外がね、騒々しいのと、慌しいのとで、トゥンミグルー(目が回る)するさあ。」
 「オキナワはまだのんびりしている方だと思うけど。それでもユクレー島に比べたら人は遥かに多いし、人間もシャカシャカしているね。」
 「ナハはね。このあいだ、爺さん三人と一緒に南部戦跡巡りをしたんだよ。南部の田舎の方はね、まだいくらかのんびりした感じはあったよ。」
 そんなマミナ先生、もう二ヶ月ばかりは、その暮らしを続けてみるとのこと。寝泊りはユイ姉の家に厄介になっているそうで、二人で仲良くやっているとのこと。
     

 以上が、ユクレー島から離れオキナワにいる、旅の途中の三老人と一老女の近況。
 ちなみに、その日のトリオG3の演奏曲目は、全てガジ丸の作で、既にガジ丸がユクレー屋で発表済みの『シニカバカの夜は更けて』、『すねかじり節』、『チャンプルーの肝心』の3曲と、もう1曲は新作で『新月の宴』という唄。

 記:ゑんちゅ小僧 2009.5.22 →音楽(新月の宴)


何で?の重要度

2009年05月22日 | 通信-環境・自然

 先月、ついに職場のパソコンがウンともスンとも言わなくなった。「とうとう成仏したか」と思っ て、知り合いの電気屋さんに連絡した。電気屋さんは、内臓HDを外付けにできる機械を持ってきてくれた。それを使って、データを別のパソコンに移動させて、業務は支障なく続けることができた。その後、ためしにと、HDを元に戻したら、何と、成仏したはずのパソコンがウンと言い、スンとも言い、直ってしまった。
 同じ頃、購入して5年になる家のデスクトップパソコンが、それまで爪の先ほども故障しなかったのに、今年になって具合が悪くなった。あれこれいじくって、何とか使えるようにはなったが、リモコンが効かなくなった。なので、ここ二ヶ月ばかり、テレビはパソコン上で操作している。立ったり座ったりが面倒なので、一度つけると、チャンネルもボリュームもそのままとなる。それが、ある日突然直ってしまった。電池を入れ替えたわけでもないリモコンを何気に操作したら、パソコンが反応した。何で?

 私は詳しいとまでは言えないが、機械オンチでも無い。車が何故動くか、飛行機が何故飛ぶか、パソコンがどういう仕組みで動いているか、などの基礎的なところは理解しているつもりだ。それでも、パソコンについて言えば、何で故障するの?何で勝手に直るの?ということが多い。まったく、雲の上の機械なのである。
          

  何でか解らないものはものは機械だけでない。春に、職場の庭でフタイロウリハムシが異常発生したが、畑のナーベーラー(ヘチマ)に毎年たくさんやってくるウリハムシが今年はまだ見ていない。お陰でナーベーラーは順調に育っている。
 先日、ミツバチが激減して農家が困っているというニュースがあったが、私の周囲のミツバチたちも去年より数が減っているように思う。ミツバチだけで無く、他の昆虫も減っている。今、アパートの庭と畑を一回りしてきたが、蜂はミツバチ2匹以外無く、チョウはモンシロチョウを除けば、ヤマトシジミ1匹以外いない。
 その代わり、「除けば」のモンシロチョウが異常に増えている。職場の庭、親戚の庭、末吉公園、弁ヶ岳公園などでもモンシロチョウばかりがやたら目立つ。
  去年、デイゴを枯らす虫が異常発生した。ソテツを枯らす虫も異常発生した。今年気になるのはシャリンバイ、近くの街路樹のシャリンバイが何本も枯れている。地球温暖化の影響で、南方系の、シャリンバイを好む虫が新たにやってきたのかもしれない。
          
          

 機械は所詮機械、私は、パソコンによって生活の楽しみを大いに得ているが、パソコンが無くなったからといって、生きていけないわけでは無い。紙と筆記用具があれば楽しみを続けることができる。ところが、自然は所詮自然、というわけにはいかない。
 環境の変化が生態系に影響を及ぼし、畑の作物に新たな、それこそ新型インフルエンザみたいな病気になったり、今までいなかった害虫が発生したりして、収穫ができなくなるということになれば、これは命に関わる一大事である。
 なので、政治家や科学者に願いたいのだが、自然の変化については注意深く観察し、シュミレーションし、悪い状況に陥らないよう対処していただきたい。それこそ、国民の生命と財産を守るということになる。国民だけでは無い。人類の、だ。

 記:2009.5.22 島乃ガジ丸