沖縄地方の今年の梅雨入り宣言は10日ほど遅れた。遅れただけでなく、宣言後も梅雨らしい雨の日は少なかった。「人間が勝手に宣言しているだけだ。俺たちは人間の指図は受けねぇ。」と雨に関わる神々は思っているのかもしれない。
今年は年初から雨量が少なくて、沖縄島の水瓶であるヤンバル(山原と書く、沖縄島中北部の通称)のダムは、ことごとく貯水量が少なくなっていて、このままでは断水の可能性が高いと、地元テレビのニュースでやっていた。
それが、今週の水曜日の夜からいかにも梅雨らしい湿った風が吹く。湿度100パーセントじゃないかと思うほどのねっとりした空気、じっとしていても肌がベタベタする。そう、それが梅雨の時期の空気だ。そして、私がそう感じ、「もうすぐ雨が降るな。」と予想した通り、翌日木曜日の午後から雨となり、夕方からは大雨となった。
人間用の水だけでなく、畑の作物や野山の植物などに必要な量の雨が、年間を通して適当な時期に適度に降ってくれるのが最も好ましいのだが、この時期にはだいたいこの程度の雨が降るという例年通りの雨量であれば、人間は少なくとも生活に困らない。行政はそれにそった水整備をし、個々はそれにそった生き方を形成している。
困るのは、予想に反した天候が続くこと。雨が降らなければ水を得ることができない。農作物も野山の植物も枯れてしまう。逆に雨ばかり続いても畑の作物は育たない。いずれにせよ天候不順は、食糧不足に繋がる。えらいこっちゃとなる。
食糧不足になったとしても、数年後には自ら芋を栽培する予定の私は、野山の食えるものもあれこれ知っているので、一般の人よりは生き延びる可能性がいくらか高いと思う。さらに、この先世界的食糧不足となって、人類の大半が餓死することになって、その内の一人になったとしても、私は既に日本人男性の平均寿命まで残り二十年余となっているので、数年後、あるいは十数年後に死んだとしても、さほど残念ではない。
これから夢を実現させようと思っている若い人たち、どんな夢があるか探す楽しみを持っている子供たち、彼らにとっては十数年後の食糧事情は大問題である。食糧不足に繋がる異常気象、異常気象の要因になっているかもしれない地球温暖化、地球温暖化の要因になっているかもしれない二酸化炭素、その排出削減にはもっと関心を持っていいと思う。
昨日だったか、あっそうだろう総理が日本国の二酸化炭素削減目標を発表した。目標を定め、それに到達すべく努力をすることはとても良いことだと思う。ただ、しかし、私は総理の言葉を全く信用していない。高速道路料金を安くして、どんどん車に乗りなさい、どんどんガソリンを使いなさいと言った人である。この人は政治的信念というものを持っていないに違いない、そうでなければ、二重人格者に違いないと私は判断している。
彼はおそらく、心の中では「十年後なんて俺の知ったことか。こう言っとけば少しは人気回復になるだろう。」とでも思っているのかもしれない。
自民党だけで無く民主党も他の政党も、選挙が近いからといって人気取りの政策ばかり口にしてたんでは真実が見えない。さらに、そんな政策を実行されたんでは国民が不幸になるばかりだ。国民だけじゃない、地球が不幸になる。
記:2009.6.12 島乃ガジ丸