ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

とことん世代

2010年02月19日 | 通信-社会・生活

 先週土曜日、模合(相互扶助的飲み会)があった。7時半から飲み始め、10時には終わった。オジサンたちは誰も二次会へ行かない。さっさと帰った。
 若い頃はそうではなかった。模合のたんびに二次会があり、三次会まであった。二次会三次会はたいていお姉ちゃんのいるカラオケスナックであった。私も二十代までは時々それに付き合っていたが、三十過ぎるとほとんど行かなくなった。
 私は歌は上手い方だと思う。若い頃、お姉ちゃんたちによく褒められた。でも、カラオケが嫌いである。カラオケは煩いのである。煩くて話ができないのである。他人が歌うのを聞きたくないので、自分が歌うのも控えているのである。
 さらに、飲み屋の、可愛いお姉ちゃんたちは大好きだが、彼女たちとお話をするためだけに500円の泡盛に4000円支払うような情熱は無いのである。ということで、私は二次会へ行かない。四十過ぎてからは、二次会がカラオケスナックではなくても滅多に行かなくなった。模合での約3時間、旨い酒を飲み、美味い肴を食い、仲間たちとおしゃべりできただけで概ね満足する。これ以上は無くてもいいのだ。

  翌日の日曜日、友人Hの店で飲み会があった。会には若者も三人いたが、後はオジサンオバサンで、Hの友人Aさんは既に爺さんという年齢から数年過ぎている。整体師のFも参加していて、彼の小学校2年生になる双子の息子たちも来ていた。
 オジサン3人、オバサン1人、爺さん1人、さらに、小2の子供が2人いる。このメンバーだと早い時間に宴会はお開きになるであろうと私は予想した。そして、予想より少し遅れたが、11時にはお開きとなった。ところが帰りの車、同乗していAさんが「もう一軒行きましょう」と言う。そう、Aさんはハシゴ酒の世代、とことん飲む世代なのであった。私が思うにこの世代は、戦中戦後の貧しい時代に生まれ、今日飲める時に飲まなければ、明日飲めるかどうか分からない人たちなのだ。とことん楽しむ世代なのだ。

 Aさんと行った二次会の店はカラオケスナックでは無く、串焼き屋さん。若者二人、Hの息子とその恋人が一緒。恋人は可愛いお嬢さんで、彼女が運転手。1時間ばかりそこにいただろうか、たくさん話をしたと思うが、よく覚えていない。なにしろ、それまで私はたっぷりとアルコールを摂取していて、もう十分に酔っていた。
 その日、Hの家に来ていたもう一人の若者は、Aさんの知人であるKさん。Kさんは三十代の女性で、彼女の座った辺りが美人オーラで輝くほどの美人。そんな美人がいたせいで、私はいつもより上機嫌になり、いつもより酒が進んでいた。
 二次会が終わって家に着いたのはまだ12時をちょっと過ぎた頃だったと思うが、部屋に入ってからベッドまでの記憶が無い。翌朝起きると、玄関をちょっと上がったところに上着、最初の畳間にズボン、ベッドの傍に靴下が脱ぎ去られていた。

 AさんもHの家では私と同じくらい飲んでいたはず。とことん世代は内臓の鍛え方が私たちとは違うようだ。とことん世代は恋愛もまた私たちとは鍛え方が違う。爺さんになってもオーラ輝く美女と付き合えるのだ。強いし、偉いと思う。何が違うのか?と今考えると、Aさんは懐が深いという印象を受ける。とことん世代はどっしりしている。
          

 記:2010.2.19 島乃ガジ丸