今年の7月の丸一ヶ月間、白蟻の発生したアパートから一時避難のため実家で暮した。日常生活で私は料理をする。で、台所を使う。ということで、すぐに台所の掃除、整理整頓を行った。母が死んで2年半になる。台所は母仕様から姉仕様に変わっていた。
台所の棚や引き出しにたくさんの賞味期限切れ食品があったことは、『粉の消費期限』に書いた。賞味期限切れ食品は、棚や引き出しだけで無く、他にもあった。冷蔵庫。冷蔵庫がごちゃごちゃしている。訳の分からないものが多くあり、訳の分からない物は邪魔だけど、訳が分からないので取りあえずそのままにした。冷凍庫には食べ残しのものがいくつもある。それも取りあえずそのまま。他に保冷剤(ケーキ屋さんでケーキを買うと付いてくるもの)が30個ばかりあった。「数個なら解るが、こんなたくさん、姉はいったい何に使っていたのだろう?」と不思議に思いながら、これは3個を残して処分。
8月中頃まで、夏休みになると決まって沖縄にやってくる義兄が実家で暮していた。冷蔵庫の中身について姉から「これはあなたのために作り置きしたもの、これは貰いものだけどまだ十分食べられるもの」などといったことを聞いているに違いないと思って、冷蔵室のものも冷凍室のものも取りあえずそのままにしておいたのだ。
義兄が帰った後、ちょくちょく実家へ行って、家の中の掃除、整理などと共に、冷蔵庫の整理も始めた。冷蔵庫は相変わらずごちゃごちゃしていた。先ずは冷蔵室から整理を始める。ここにも賞味期限切れ調味料がたくさんあった。2007年7月が賞味期限のチューブ入りわさびなんてのもあった。それらは全て処分。食い物には違いないが、賞味期限が不明なものも全て処分。期限切れでないバター、スライスチーズ、ケチャップ、マヨネーズ、トンカツソース、瓶入りマスタードなどは持ち帰った。
次に冷蔵室の整理。たくさんあった保冷剤は既に処分していたが、他にもお茶の類、調味料の類、食べ残しの類などで冷凍庫はいっぱいであった。食べ残しの類には肉の塊のような物、カキやらエビのような物、スパゲッティーソースのような物などがタッパーや袋に入っていて、それらはひょっとしたら食えるかもしれないと思って持ち帰った。
タッパーに入った食べ残しにはもう一つ、「何で?」と不思議に思うものがあった。鉄火巻きとにぎり寿司。大きめのタッパーに鉄火巻きが1ダースほど、エビやマグロのにぎり寿司も10コ近く入っていて、カチンカチンに凍っていた。
姉は、食べ残した生の寿司を凍らせて、いつか食べようと思ったのであろうか。解凍すれば美味しく食べられると思ったのであろうか。私には、解凍しても、美味しいどころかお腹を壊すとしか思えなかった。これも持ち帰るが、そのままゴミとなった。
私は家庭の冷蔵庫による冷凍に対し、絶対の信頼を置いていない。水分を含んだ食品は冷凍することによって細胞が壊れ、品質が落ちるであろうと思っている。私の冷蔵庫の冷凍室にあるのは、海苔、削り節などの乾物系と自家製のシークヮーサージュース、米、氷などとなっている。どれも解凍後、細胞が壊れるなんて心配はないもの。
私の冷凍庫には他に、非常食用として市販の冷凍食品も入っている。それらの冷凍食品だって、長く持つとは思っていない。どの程度の温度なら長く持つか分からないが、私の冷蔵庫では2ヶ月も経つと、冷凍食品であっても変質してしまう。
記:2010.12.10 島乃ガジ丸