ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

イソシギ

2011年12月16日 | 動物:鳥

 映画のタイトルになる鳥

 中学生の頃、映画が好きでよく観に行った。よく観に行くほど小遣いを貰っていたわけでは無く、その頃母が映画関連会社に勤めていて、毎月招待券が手に入ったのであった。それで、少なくとも月に2本(当時は概ね2本立て)の映画を観ていた。
  映画が好きになって、当時一緒に暮らしていた従姉が映画音楽全集LP版6枚組みたいなのを買ったこともあって、ついでに映画音楽も好きになった。従姉が買ったのは40年ほど前だ、古い。『ウエストサイド物語』、『サウンド・オブ・サイレンス』、『太陽がいっぱい』、『大脱走』、『禁じられた遊び』などが収められている。
 そのLPレコードを私は何度も繰り返し聴いている。音楽を聴いて映画を反芻するみたいなことをやっていた。観たことの無い映画は、その主題歌を聴いて映画の中身を想像したりしていた。全部で70曲ほどもある中、おそらく私はその半分以上の曲を口ずさめると思う。三分の二くらいは、曲を聴いてタイトルを言い当てることができると思う。
     

  「いそしぎ」というと、したがって映画の『いそしぎ』を思い出す。映画そのものを観たかどうかは記憶に無く、映画の内容もまったく思い出せない。しかし、その主題歌は、すぐに口ずさめるというほどではないが、少なくとも、どこかでこのメロディーが流れていたら、「あー、映画いそしぎの主題歌だ」とたぶん判るはず。
 その「いそしぎ」、てっきり夕凪とか潮騒とかいった海辺で起きる事象か何かだと長い間思っていた。鳥の図鑑を見るようになった数年前に磯鷸なる野鳥がいることを知り、映画『いそしぎ』の「いそしぎ」は磯鷸のことであることも知った。

 
 イソシギ(磯鷸) 
 チドリ目シギ科の冬鳥 九州~近畿などで留鳥 方言名:不詳
 名前の由来、シギについては資料が無く不明。漢字の鷸は広辞苑にあった。磯という字も広辞苑にあり、その字の通り磯で見かける。シギの仲間のほとんどは磯で見かけることができるのだが、本種がその代表ということなのかもしれない。
 私が見たのはその名の通り、磯であったが、『沖縄の野鳥』に「内陸部の小さな池や川などでも普通に見られる」とある。名付け人が川で出会ったなら川鷸となったかも。
 全長20センチ。「腹の白色が翼のつけ根の前までくい込んでいる」のが特徴で、私が本種を本種であると判別できたのはそれによる。『沖縄の野鳥』にはまた、「尾を上下に振りながら歩くのが特徴」ともあったが、出会った時はそこまで観察しなかった。
 日本では、本州中北部地方以北では夏鳥、沖縄地方では冬鳥で8月から5月まで見ることができる。その他の地方では留鳥とのこと。鳴き声は『沖縄の野鳥』に「チーリーリー、チリチリチリ」とあったが、出会った時は鳴いてくれなかった。単独で行動することが多いともあり、私が出会った時も単独であった。
 
 沖縄市の倉敷ダム敷地内の池にいたイソシギ。

 記:2011.11.25 ガジ丸 →沖縄の動物目次

 参考文献
 『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野鳥』沖縄野鳥研究会編、(株)新報出版発行
 『いちむし』アクアコーラル企画発行


気功の効果

2011年12月16日 | 通信-科学・空想

 先週の『隠れた達人』の続き。
 気功の達人Oさんが従姉の腰の施術、従業員の施術などをやった後、只で教えて貰うのは失礼かな?と思いつつも強く興味を引かれたので、いろいろと質問した。

 「人の不具合個所が見てすぐ判るのですか?」
 「武術気功をやっていたので判るのです。武術気功はそういう訓練もやるのです。相手の弱点を見抜くことは戦う上で有利になりますから。」
 「私も若い頃太極拳を習っていましたが、武術気功とは太極拳のことですか?」
 「太極拳もその中に含まれますが、私がやっているのは太極拳ではありません。」
 「沖縄の空手とも違うんですよね?」と訊くと、Oさんはそれには答えず、
 「腕相撲をしましょう」と言う。で、飲み屋のテーブルを挟んでやった。Oさんは2本の指だけを私に握らせる。私も隣の席からの、腰の入らない状態であったので力は十分出せない。で、倒せない。倒せなかったが、腰の入る状態で全力を出せば、Oさんと対等に手を握り合ってやっても倒せそうな感触であった。力勝負なら勝てると思った。
 「なかなか強いですね、では、対等にやってみましょう」とOさんは言う。で、私も席を移り、Oさんの対面に座って、腰の入る状態で、手を握り合って勝負。
 最初に力を入れた瞬間には「倒せる」と感じた。であるが、倒せない。Oさんの手首から先がクネクネと動いて私の力がOさんの腕に伝わらないのだ。Oさんにそう言うと、相手の力を外へ逃がすという方法とのこと。武術気功はそういう技であるらしい。元々の沖縄空手もそういったものであったはずだとOさんは言った。
 そういえば、十数年前テレビで観た沖縄空手の達人は。向かってくる弟子たちの突きや蹴りをさらりとかわし、かわした瞬間相手の体にちょいと触れるだけであった。すると、相手は勝手に転がっていった。それを思い出し「なるほど」と思った。

 その後、「気」についても質問した。
 「20年程前太極拳を習っていて、立禅(気功鍛錬の一種)もやったのですが、それらの動きは体の隅々にまで気を行き渡らせるものと思いますが、気とは何ですか?」
 「気は気持ちというだけのものです。それより呼吸法が大事です。」とOさんは答え、私に呼吸法を教えてくれた。「あなたは気管支が弱いです。それは呼吸が浅いせいです。丹田へ息を送る訓練をすれば改善します。」と助言してくれた。
  私は、気管支が弱いかどうかは不明だが、喉は弱い。何年かぶりにカラオケへ行って歌を一曲歌っただけで喉を痛め、そこから風邪を引いたくらいだ。そして、確かに私は息が浅い。慎ましい性格なので地球の空気を少し吸って少し吐いている。肺をあまり動かさない。そのついでに心臓もあまり動かさない。よって、脈拍も60前後である。
 無意識だと浅い肺呼吸の私だが、翌日からOさんから教わった腹式呼吸を心掛けた。私の血圧は少々高めである。上は140の後半、下は90前後のことが多い。であったが、朝、腹式の深呼吸を30回ほどやってから血圧を測ってみると正常値であった。「ほう」と思って、翌朝から同じようにして毎日計った。毎日正常値であった。友人の整体師Sに訊くと、「気が体を整えて、そういう効果を生む」とのこと。
          

 2011.12.16 島乃ガジ丸