ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

混沌畑への期待

2012年09月14日 | 通信-環境・自然

 畑のことをウチナーグチ(沖縄口)ではハルと言う。農夫のことはハルサー(畑をする人)で、畑小屋のことはハルヤー(畑の家)となる。
 従姉の別荘は当初、従姉夫婦がのんびり畑仕事をしながら老後の生活を送るために建てられた。したがって、建てた頃は庭の面積の多くを畑が占めていた。畑のある家ということで、その別荘のことをハルヤと名付けた。命名者は従姉でもその夫でも無く、私。その名は別荘が建って一年も経たない内に、従姉夫婦の周囲に広く認識された。
 ハルヤから50mも離れていない場所に私の畑がある。8月に開墾を始めたのでナツヤと名付けた。私の畑と書いたが、土地の持ち主はハルヤの持ち主である従姉の亭主。空き地だった土地を管理する代わりに只で貸して貰っている。

 ナツヤの、コンクリート舗装された駐車場を除く面積は約100坪、そこにはリュウキュウコクタンの高木が17本、その他ゲッキツ、マンゴーなどの樹木が計25本程あり、それらと果樹を植える予定個所を含めた面積が約35坪、バナナが約5坪を占め、枯れ木や刈草置場などに使用している部分が約10坪あり、それから、畑を、もっと大きく言えば土地というものを楽しんで使おうという発想から縦横に園路を設けた。ということで、ナツヤの、畑として使える面積はそれらを差し引いた約30坪ほどなる。

  園路を設けて区画割りされている中、畑の約30坪には少し、そこ以外の約70坪にはたくさんの雑草が生えているが、それらも蔓延っているというほどでは無い。背が高くなり、足元が見えなくなるような雑草、ススキとかセンダングサの類は生えていない。それらは見つけたら除去している。ナツヤは概ねすっきりした畑だと言える。
 それに比べ、従姉夫婦が管理しているハルヤは混沌畑である。その庭にはいろんな種類の植物がほとんど無秩序に多く植えられている。それだけでごちゃごちゃした印象を受けるが、庭にも畑にも雑草が蔓延っていてごちゃごちゃを増している。「もう歳だから動けないのよ、いいのよ雑草はたまに刈るだけで、のんびりでいいのよ。」と仰る。
          

 混沌畑でも、そこからは少量とはいえ毎年何種類かの無農薬野菜や果物が採れる。種を播き、大地と太陽と雨の恵みがあれば、作物は育つようである。
 私のすっきり畑は、甘藷が害虫に酷くやられ、ゴーヤーやモーウイなどの瓜類はウリハムシに、ピーマンやナスはカメムシに、キャベツやカリフラワーなどはモンシロチョウの幼虫に食害されてしまう。カタツムリも多くいていろんな野菜を齧っている。
  そこでふと、思った。すっきりしていると害虫も好物を見つけ易いのではないかと。いろんな植物があると、害虫の天敵となる益虫も住みやすいのではないかと。
 というわけで、私が今、仮に借りている300坪の畑はナツヤ風では無く、ハルヤ風の混沌畑にしようと考えている。いろんな種類の果樹を植え、野菜も一時にいろんな種類が生えているようにする。野菜に太陽の恵みが当たれば良いという考えで、雑草も適当に刈るだけで、いつでもいろんな種類の草が生えているようにする。
 そうやって、実際に無農薬で作物がちゃんと育つかどうか、不安も大きいのだが、楽しみである。いや、無農薬に拘る以上、混沌畑に期待する他無いと考える。
          

 記:2012.9.14 島乃ガジ丸


野草の酵素

2012年09月14日 | 飲食:飲物・嗜好品

 健康炭酸飲料

 無農薬有機農家の知人Tさんとは、もう随分前、私の記憶では25年以上も前に知り合っている。現在は沖縄島の北部、大宜味村に住んでいるが、知り合った頃は那覇市に住んでいた。確か、女房と子供3人が一緒だった。魚屋さんだった。
 魚屋さんがいつしかファーストフード店の店長になり、それからしばらく経って、「女房子供を残して一人、ヤンバル(山原:沖縄島北部の通称)へハルサー(農夫)しに行った。女房は激怒した。」との噂を聞いた。それは確か5、6年前のことである。

 Tさんがファーストフード店の店長をやっている頃に何度かその店を訪ねて以来、Tさんとは会っていないかった。私は同性の男に恋をするという特異体質では全く無いので、Tさんに会えないからといって特に気にはならないが、「無農薬有機農業をやっているらしいよ」と聞いていて、それについては少々関心を持っていた。
 去年、宜野湾の小さな畑に除草剤を撒いて、後日それを後悔し、深く反省した私は、Tさんに無農薬有機についての話を訊いてみようと、ふと思いついた。
 Tさんの電話番号を知らないので、彼の奥方に電話して訊いた。Tさんが家族を捨ててハルサーになったことに対し、彼女が当時「激怒した」のは本当らしく、「携帯に登録しているけど、あんまり見たくないさぁ、見ると、あの人の顔を想い出してワジワジー(怒るという意)してくるからねぇ」と言う。それでも、後で教えてくれた。

 Tさんに電話して、「会って詳しく話を聞きたい」旨伝えながら、Tさんの近況、主にどんな作業をしているかなどを訊く。自分でも畑をしながら無農薬有機農家の手伝いもやり、知人の庭管理もやり、そして、「酵素作りもやっているよ」とのこと。
 3、4年前だったか、馴染みの喫茶店へ顔を出すと、そこの女将さんに「あんた、これ知ってる?酵素って言うんだけど、飲んでみる?Tさんの手作りよ」と声を掛けられた。酵素って名前は聞いたことあるが、それが何者であるかは知らない。
 「何だそれ?健康食品みたいなものか?」
 「体にすごく良いらしいよ、私も詳しいことは知らないけど」とのこと。「知らねぇで売っているのかよー」と思いつつ、広辞苑で調べる。「生体内で営まれる化学反応に触媒として作用する高分子物質。生体内で物質代謝に関与する。蛋白質またはこれと補酵素と呼ばれる低分子物質との複合体」とあった。「はいはい、何を言っているやらさっぱり解りません」だ。この後も、(私にとって)理解できない説明文が続いたので以下略。

  今年、Tさんに会った時、「酵素って何?」と訊いた。Tさんの説明は広辞苑より解りやすかった。おそらく、広辞苑に比べ学問的では無かったせいであろう。
 「酵素は、体に必要なビタミンやミネラルの働きを活性化させるもの」とのこと。簡単だ。そして、Tさんからその効能や取扱方を聞いて、私が書いた文章が以下。

2、摂取方法
 1)原液のまま
 1回の摂取量としては、30ミリリットル程度が適当です。人によって差はあると思いますが、作った本人のこれまでの経験から言えば、原液のまま飲んだ方が、酵素はより活発に働き、その効果も高いように思われます。
 2)水割りで
 原液のままでは甘すぎる、味が濃すぎると感じる方は水で薄めて飲んでも結構です。薄める水の量はお好みで構いません。
  3)炭酸飲料として
 水で薄め(8倍程度)たものをペットボトルなどに入れ、キャップをして、陰に数時間置き、それを冷蔵庫で冷やせば、冷たい炭酸飲料となります。夏の飲み物に最適です。なお、その炭酸ガスは酵素の発酵によって生成されるものです。

3、その他
 1)切り傷、火傷など
 人によって差はあると思いますが、切り傷、火傷などに原液を塗れば、治りが早まる場合もあります。一度試してみるのも良いでしょう。
 2)植物に
 酵素はビタミンやミネラルの働きを良くすると言われています。人間の体同様に植物もまた、ビタミンやミネラルの働きが必要です。元気が無いと思われる家庭菜園の野菜に薄めた酵素をかけてみてください。元気が取り戻せるかもしれません。
      
 「2の3)の炭酸飲料」は私も試してみた。1日常温で、1日冷やして飲んだ。炭酸がたっぷり含まれた甘さ控えめのサッパリとした飲み物、旨かった。旨かったが、毎日汗をたっぷり流している私は、やはりビール(発泡酒)の方が好き。
      
 記:2012.8.25 ガジ丸 →沖縄の飲食目次